第42話 雪の作品展示会?

 町の広場である祭りごとが行われるという情報を入手。そういうわけで俺はそっちに行った。神々を祀る雪像を作ることが始まりと言う話らしい……けど、明らかにそうじゃないのばっかだよなぁ。


「旅人さん、これどーぞ」

「あ。どうもありがとうございます」


 屋台で温かい茶を飲みながら、その雪像を眺める。布を模したものと女性と肩を露出した感じの服。岩にいる狼みたいなもの。デカいどんぐり。他も色々と。


「驚くだろ。色々な作品があるんだよ」


 屋台の女性(マフラーとかコートに似たものとかでめっちゃあったかそう)から話しかけられた。慣れてるな。この感じ。


「ええ。けど……その神を讃えるような何かだとお聞きしたのですが」


 ぶつけてみた。さあて。どう答える。


「昔はそうさ。数百年前だったか。カンムが不人気という時代があってね。天の神々の方がええとかで、不貞腐れたらしいんだ」


 うわー人間臭い。でも大体そういう神様多いよな。


「そんなことないよという民が必死に雪の像を作って、示した。そしてカンムはそれに満足して、表に出たらしい。まあこれはあくまでも昔の話。今は貴重な観光資源のひとつさ。ほれ。そこにおるだろ。大陸のお客さん」


 襟を立てた、派手な赤色のハイフォンシーの人だな。空気で分かるな。こっちにもいるな。鎧を纏って、武器を掲げる雪像の近く。肌が浅黒い。毛皮を使ったここのコートで違和感ないの、すげえな。俺もここまで馴染めれば……いや数日では無理だな。


「珍しいのか、何度も来る奴がいるのさ。外貨を得るには持って来いってわけだ」


 商売人の顔が出てる。ガッポガッポ儲けるつもりだ。この人。


「お前さんも大陸の人間だろ。宣伝よろしく頼むよ」

「んな無茶な」


 と言っておいた。俺は大陸というか、大陸の西にある島国出身なんだけどな。余計にややこしくなるから言わないけど。


「まあ宣伝しても手段が船のみだからね。金と時がいるとなると、難しいもんよなぁ。もう少し、こう、何か短縮できる何かがあれば」

「その辺りは術師に任せるしかないでしょうね」

「だねぇ」


 のんびり茶を飲んだ後は散策をしよう。大きさは違うけど、トモヤの作った雪像も凄かったなと……今更思う。あれがデカくなったら、どういう感じになってたんだろうな。てか。ヒューロにも似たようなの出来ねえかな?

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