第11話 封印の紋章

「ザックッ!早く解散するんだッ!そして、そこのイケメン達に支払う報酬を少しでも減らしてしてくれぇぇぇッ!」


アルは、物凄いスピードでザック達のところに駆け寄り解散を促した。


ザックは、助っ人たち一人ひとりにお礼を言うと、サブスクに近づき顎を優しく撫でた。


「…アル様はブレませんね。ということで、早く解散しないと怒られますので、これから皆さんを地上まで送り届けなくてはなりません。サブスク、お願いできますか?」


『ゼニィィィィッ!』


サブスクは任せろといわんばかりに勢い良く鳴くと、助っ人達を引き連れてダンジョンを引き返して行った。



「よしッ!ダンジョン攻略再開といくかぁぁぁッ!…っと、その前に筋肉悪魔の持ち物チェックしないとなッ!オオッ!流石、子爵級悪魔ッ!アイテムポーチ持ってるぜッ!このアイテムだけでも一財産だなッ!」


アルは、筋肉悪魔が持っていたアイテムポーチの中を調べた。


・特技指南書「念動」・・・魔力を消費して物体を動かすことができる。


・特技指南書「連続射撃」・・・遠距離攻撃を連続で放つ。


・封印の紋章・・・「?????」


「特技指南書は分かるけど、“封印の紋章”ってなんだ!?初めて聞くアイテムだな。ザックは知ってるか?」


アルから“封印の紋章”を渡されたザックは、驚愕のあまり震えだす。


「こ、これはッ!間違いありませんッ!世界に1つしか存在しないといわれる“封印の紋章”ッ!使用すると、強力な力を手にできるのですが、選ばれた者にしか使用できないため手にいれた者はいないと言われている伝説のアイテムですッ!なぜ、あの悪魔がこのようなものを!?」


ヴァンが両手を頭の後ろに回しながら、ザックの目の前に移動した。


『あの悪魔達がこんな初級ダンジョンにいた目的は、このダンジョンの隠し部屋にある“封印の紋章”を回収することだった…ってところかな?そして、回収した直後に運悪く僕たちに遭遇した…。』


「「!!!」」


アルは小躍りしながら“封印の紋章”をザックから受け取ると、皮算用を始めた。


「ウッヒョ~♪これだけ宝石があしらわれていて、世界に1つしか存在しないアイテムとなれば、かなりの高値で売れるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!選ばれた者にしか使えないんじゃ俺が持ってても意味ないし、売っても問題ないだろッ!ちょうど、魔法の調理器具が欲しかったんだよな~♪ありがとうッ!“封印の紋章”ッ!君のことは忘れないぞッ!…チュッ…なんつってッ!…って、うあぁぁぁぁッ!」


!!!ピカァァァァッ!!!


『「アル(様)ッ!!!」』


突然、“封印の紋章”が輝き出した。


―“封印の紋章”の封印が解除されました―


―”適合者”を特別ルームへ誘います―


メッセージが流れるとアルの姿が光に包まれ始めた。


『「アル(様)ッ!」』


ヴァンとザックは、アルを救出しようと光の中に飛び込んだ。


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