第3話【初回限定召喚】

【1回限定。☆5以上確定。】


 そんな表示がされており、これは期待できるなと感じた。


 先程の【デイリー召喚】ではレア度の最高が☆3であったにも関わらず、1回限定とはいえ、まさかの☆5以上確定。


 ☆3以上のレア度があったことに対する喜び、その上、☆5以上が確定という事実に俺はワクワクした気持ちを抑えられず、画面を確認していくと、当選するアイテムのレア度が☆5から☆7まであり、デイリー召喚に比べると遥かに良いアイテムやスキルが当たることがわかった。


 おぉー! ☆7まであるのか!


 俺はテンションを上げながらも、当選確率を確認すると☆5が90%、☆6が9%、☆7が1%であった。


 あぁ…… ☆7は1%かぁ……


 やはり☆7の確率が低いがこれは仕方ないな。

 だが、これから異世界で生きていくためには何とかして☆7を当てたいな。

 まあ、運頼みだけど…


 この世界において、☆5以上のアイテムがどのくらいの価値を持つものかは判断はつかないが、画面に表示されている☆7【世界樹の杖】、【古の聖剣】、【勇者】、【聖女】等といういかにも伝説級なアイテムやスキルを見ると、☆5でもかなり有能なアイテム等が手に入ると思えた。


 これはすごい以外の言葉が思いつかないな…


 俺は表示されたこれらのレアなアイテムやスキルにわくわくした気持ちを抑えられなかった。


 俺は早速【初回限定召喚】しようとしたが画面に表示されている文字を見て愕然した。


【1回限定 魔結晶500個】


と表示されていたのである。


 嘘だろ……


 魔結晶が何なのかわからないが、現時点では間違いなく所持していない。


 俺はワンチャン召喚できる可能性に賭けて、ボタンをタップするも案の定、


【魔結晶が500個足りません】


と表示され、思わず膝から崩れ落ちてしまった。


 暫くの間、呆然としてしまったが、もしかすると一縷の望みがあるかもしれないと思い、ホーム画面に戻ることとした。


 俺が思っている機能があってくれよ。


 俺はそう願いながら、ホーム画面に戻ると右下の方に小さな宝箱のアイコンを見つけた。


「やっぱりあったか!!」


 俺は嬉しさのあまり叫んでしまったが、もしかすると俺が思っていたものと違うかもしれないという考えに至り冷静になった。


 スマホゲームだと宝箱やプレゼント箱のアイコンは○○記念等の何らかのお祝い事やゲームに不具合が起きた時のお詫びとしてアイテムやゲーム内通貨が配布される場所である。


 そして、ほとんどのゲームにいえることだが、最初にゲームを立ち上げた時はゲームリリース記念や初回ログインボーナス等でアイテムやゲーム内通貨が無償で配布されることが大半なのだ。


 宝箱のアイコンの右上には①と表示されていたことから、きっと1種類の配布アイテム等があるのだろうと思われた。


 俺はこのアプリもそうであって欲しいと思いつつ、緊張しながら宝箱のアイコンをタップした。


 すると画面には


【異世界召喚記念 魔結晶500個】


と表示がされていた。


「よっしゃあぁーー!! これで【初回限定召喚】できるぞーー!!」


 俺は人目がないことをいいことに思い切りはしゃいでしまった。


「ぜーはー、ぜーはー」


 数分はしゃいで、疲れ果てた俺は画面に表示されていた【受け取る】をタップして、魔結晶500個を手に入れたところ、画面右上に表示されていた宝石様のアイコン脇の数字が500になったのに気付いた。


 これは魔結晶の所持数か……。どうにかして手に入れる方法があればいいが、怪しいのはホーム画面にあった【ミッション】かな。


 ゲームだと【モンスターを何体倒す】とか【○○を何個採取する】等のミッションをこなすことでアイテム等をゲットできたから、そういった仕様だと助かるな。


 とりあえず【ミッション】は後で確認するとして、さっきできなかった【初回限定召喚】をしてしまおう。


 俺は再度【初回限定召喚】画面を開き、


「☆7来い!!」


と声を出しながら、【1回限定 魔結晶500個】をタップした。


 すると【デイリー召喚】のときとは違い、目の前では幾重もの魔法陣が描かれ、立体魔法陣を形成しながら、虹色の光を放出する派手なエフェクトがみられた。


「これはすごいな」


 俺は独り言を呟きながら、あまりに幻想的な光景に目を奪われ感慨にひたってしまった。


 そして、派手なエフェクトが収まると、俺の目の前には、装飾の立派な1冊の本が現れ、その表紙には


【創生】


と書かれていた。

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