第6話文藝春秋

僕は通勤途中、電車の中で文藝春秋を読んでいた。文系だから、活字に飢えていたのだ。

小説は通勤途中でも、3日で読み終わるので分厚い文藝春秋は読みごたえがあった。

ある日、事務処理をしていて現場ではなく事務所で仕事の時に、昼休み文藝春秋を読んでいたら、先輩に、

「羽弦、お前何を難しい顔して、ぶん……何て読むの分からんけど、なんでそんな本読んでんだ?それ、面白いのか?」

「あ、これ。ぶんげいしゅんじゅうって言ってね、面白いよ」

「いくらすんの?」

「700円くらい」


先輩はちょっと読むと、自分には合わないと言った。

僕はそれでいいと思う。好きな本、雑誌を読めばいいのだ。

また、活字が嫌いなヤツは本なんて読まなくていいのだ。

ましてや、文藝春秋を読むにはそれなりの知識が無ければ面白くない。自分の考えとどう違うのか?確認できる。

マンガも僕は好きだし、雑誌も読む。

だけど、それらは知識もある程度身に付くかも知れないが、マンガ読みながら考え方の違いを比較することはあまりない。


もういいかげん、いい年齢なんだから世の中のシステムを理解しなければならない。

その先輩のいい所は、僕に遠慮なく歴史認識について質問してくること。

いつも、飲みながら馬鹿みたいな話しばかりはしない。

経済学部卒なのに、日経平均株価について聞いてきた時は唖然とした。

ま、知っていて損はない。知識は身を助けるときがあるのだ。

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