第25話 スキルによる鍛錬

さて、休憩したしこの先も頑張ろう


折り返し鍛錬の工程からだな

まず準備としてさっき割った玉鋼を2種類に分け積む

柔らかい玉鋼を心鉄しんがね、硬い玉鋼を皮鉄かわがねとする


今回は火床ほどを使用せずスキルで作るため

テコ台を使わずやってみることにした

その分積む玉鋼を多くする


さてここからが問題だ

積んだ玉鋼を濡れた和紙で包む

次に、藁灰わらばいをその上にふりかける

最後にその上から泥汁という

粘土と水、少量の腐葉土等が混ざったものをかける


これらをこの世界で手に入れるのはかなり難しいだろう

だが構造がわからないと魔法で作ることもできない

ということで前世のことを調べることのできるスキルを

〔スキル創造〕で作ろうと思う

前世でよく使った検索エンジンを強くイメージしよう


よしできた

本当に便利なスキルだ

何でもイメージできればスキルになる

でも使いすぎたらつまらなくなりそうだから自重しようかな


さて、じゃあ和紙と藁灰、泥汁の原子レベルで成分や構造を調べて

魔法で再現したものを作り出そう


なんとかできたけどこれでいいのか?

少し不安だが続けよう


さて準備はできた

さあ折り返し鍛錬を始めよう


折り返し鍛錬とは、1300度以上で熱し槌で叩き

飛び散る火花とともに、含まれていた不純物を取り除く

平たく打ち延ばしていき、さらに2枚に折り返す

この作業を繰り返し、繰り返し行う

その回数は皮鉄はおよそ15回で心鉄はおよそ8回だ


このイメージを強く思い浮かべる


変な感じだな

火も槌もないのに熱された鋼が叩かれ火花が散っている

不思議な感じで集中が乱れかけるが

どうにか抗い作業を続けていく

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