第22話 魔法陣術
訓練開始から一週間くらい経って
ようやくエミラの双剣の師匠が見つかったらしい
Sランクの冒険者でエミラと同じ猫獣人だそうだ
僕も一応その方に双剣の基本を教えてもらった
応用して双剣の型を使えるようにしようと思い特訓中だ
「そういえばルネ師匠」
魔法の訓練中にあることを思い出した
「ん?どした~?」
「魔法陣術って誰にでもできるんですか?」
「あ~あれね
あれは〔スキル〕じゃなくて技術だから
基本的には誰でもできるはずだよ」
なるほど誰にでもできることなんだ
「やりたいの?」
「はい」
「じゃあ、今からやろうか
ちょっと待ってて研究室から
教材になりそうなもの持ってくるから」
ルネ師匠は[テレポート]の魔法を使って
王都の研究室に向かったようだ
「ただいま~っと
じゃあ君の部屋で
この金属板に練習しよっか」
「はい」
魔法陣術について最初に教えてもらったことは2つだ
1つ目は、魔法陣術には
つまり 魔力を良く通すインク を使うということ
普通の
高価な魔導インクは元々魔導率が高い
魔樹は1年に5本ほどしか発見できず、しかも1年で完全に消滅するため
樹液がなかなか取れないそうだ
今回は、ラピスラズリの粉末が混ざったインクを使う
2つ目は、発動する魔法は魔法陣の模様で変わるということ
まず、外周に描く二重の円の間で属性を指定する
外周の中にそれぞれの属性を表す記号を描くことで指定できる
数種類の属性の記号を交互に描くことで合成属性の魔法陣も作れるらしい
次に、円の内部の図形で発動させる魔法の微調整をする
例えば
発動条件の指定
発動する魔法の指定
解除条件の指定などだ
今回は簡魔法陣に触ると一定時間、風が出るという
簡単な魔法陣を描くことになった
要するにハンディ扇風機だ
「実はね~魔法陣術を作ったのって私の師匠だった人なんだ~」
魔法陣を描いているときにルネ師匠がつぶやいた
「えっ そうなんですか⁉」
あぶない びっくりして魔法陣に変な線が入りそうになった
「うん 魔法陣術ってね
魔法で作られた技術なんだよ
師匠が特定の図形と魔法を紐づけする魔法を
10年くらいかけて作り上げたんだって
それが今から300年位前で
100年位前に師匠は死んだんだけど
死ぬ数年前にその術式をでっかい魔法陣として描き直したんだよ
王城の地下にね
それで今でも使えるってわけ」
ルネ師匠の師匠、凄いな
っと、できた 間違ってるところもなさそうだし
きれいに描けたと思う
「おっ、できた? うん いい感じだと思うよ~
あっ、そういえば師匠も転生者って言ってたっけ」
そうか師匠の師匠も転生者なのか
じゃあ前世の記憶とかでイメージを固めて作り上げたって感じなのかな
それにそんな昔から転生者が来てたのか
この世界と地球の時間の進み方ってどれくらいなんだろう
今度聞きに行こうかな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます