名古屋殺し_Nagoya Killing

宙丸 賢斗

第一章 2月 些細な現実

2月09日 真逆

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

愛知県警にて業務をこなす前田に一本の電話が入る。名古屋駅前交番からだ。

「もしもし。前田警部ですか?こちら、駅前交番です。たった今、駅構内で、人が刺される事件が発生しまして、今すぐきていただきたいのですが。」

「こちら前田。犯人は取り押さえているのかね。」

「はい。事件の詳細はこちらでお話ししたいのですが、どうしても確認していただきたいことがあるのです。」

「わかった。今すぐ榎本とそちらに向かう。」


電話を切って前田は叫ぶ。

「榎本!事件だ。名古屋駅に向かおう。」

「了解です。」

警察手帳を手に取り2人は名古屋駅に向かう。


県警をでて名古屋駅まで行こうと思うと車で8分程で到着する。意外と近いのである。

「榎本。今回はどんな事件なんだろうな。」

「さぁ。早く解決したいものです。」

「それもそうだな。」

脈のない会話を交わして駅に向かう。もうすぐそばだ。ゲートタワーが見えてくる。



「警部ー!こちらです。」

部下の川瀬に呼ばれ、犯人を捕らえているという交番へ向かった。


「だから!澤部とは昔からの仲なんだ!」

部屋に入ると同時に罵声が聞こえてくる。

「状況は?」

「はい。あちら、今、事情聴取しているのが、古藤 智朗 27歳です。で、今は、名古屋大病院に搬送されていますが、被害者は、澤部 明彦 26歳です。古藤によると、2人は小学校からの仲であるが、つい最近起きた喧嘩でもめ、その怒りのまま犯行に。計画書のようなものが彼の持っていたスマホからみつかりました。」

「なるほど。そちらを見せてもらおうか。」

前田は計画とやらのデータを見始める。

古藤は殺そうとしたは認めているが、澤部との関係は幼なじみであるの一点ばり。他を喋ろうとしない。相手をする警部補も困った顔をしているのがよく話かる。詳しいことを聞こうとしても何もわからない。

おいおい。と顔をする前田だが、榎本が言う。

「留置所から連絡が来ました。事情聴取が終わり次第、いつでも大丈夫のようです。」

「わかった。少し聞きたいことがあるからな。焦ることはない。落ち着いたら話を聞こう。」

前田はそう言い、コーヒーを一杯口にした。


_________


次回:2月10日 午後のティータイム(前編)


なるべく毎日公開予定

次回もお楽しみに。

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