毒舌全開プリンス

念には念をとは言うが、異母兄あにが万能過ぎて遺体交換が無駄労力だった気がして仕方ない。

最初から思い出していれば良かったかもしれないが、毎日会うと窶れそうだからいやだ。

目が痛い。なんか疲れる。うるさい。

だがナルシストゲイ(失礼)とはいえ、頭は切れるし、フットワークも軽い。

腐っても鯛ならぬ、腐っても王子なのだ。


「公爵」

「はい、何でしょう? 」

異母妹いもうとが楽しく話せるように───使。俺は前線にも立つ、ハイスペックだ。見えないところからもを感じる。過保護にもほどがあると思うぞ」

「!? ……よ、よくお気づきで」

「俺が出ていない社交場に出さないほどの籠の鳥と聞いていたが、納得した。女性というものは笑っていてこそ、花が咲く。他人の家庭方針には口を出したくないが、ほかの貴族たちがそんな話をしていたのを耳にした。俺の妻にしたければ───周りの印象や心象をよくしろ。叔母君が奥方でもそれだけは公爵が誠意を見せなければならないところだ」


一瞬公爵の顔が崩れたが、すぐに笑顔に切り替えた。

まぁ、ぐうの音も出ないよな。


「そこまで心砕いて頂けるとは感涙でございます。これからでも娘の見聞のために尽力し、干渉を減らせるよう尽力致します。いたことを諭して下さり、恐縮です」


こちらも馬鹿ではないが、尽力2回言うくらいイラついてるようだ。

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