『死体』を暴け

今、レディイザベラは懸想した相手の傍にへたりこみ、泣いている。

だが、ボクはすべておなじかを確認する余裕がなかった。

変わらない表情の中、内心違和感に似た既視感を感じる。


……嘘だと言ってくれ。

『顔』はと呼ばれた二週間前の死体と同じ顔。

似たような身長で傍から見ればおなじ体躯に見える。

だが、んだ。

そのは……───!


”「……こんな形で夢の時間が終わるとは思いませんでしたわ。依頼は破棄します。少なくとも、は分かったのですから、亡骸を暴くような真似はしたくありません。連れてきて下さり、ありがとうございました」”


おなじ台詞とともに、同じ場所まで見送る。

……。

事務所に帰るふりをして裏路地を利用し、ボクはに舞い戻った。


───


「……ドクター・エレキエル」

「お待ちしていました。レイドール小伯爵さま」

に言う。は───だな? 」


自分の口の中がギリっと音を立てた。


「……流石でございます。もの間パートナーをされていただけはあります」

さんはをしたものだ。………を完全に消せるわけがないよな」


ドクター・エレキエルは柔和な顔を引き攣らせていた。

今のボクの顔はそれほどまでに───怒りに歪んでいた。

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