銀河の果て 晩影

@imann

同じ景色を見たもの同士

重い瞼を開ける。周りには誰もいない、いるのは原型を留めいない自分だけ。音は聞こえない聴覚が失われている証拠だろう。

血だらけの腕と呼ぶにはあまりにも壊れすぎているものを見て・・・・・・・・・

「■■.....されたんだな」とぽつりとつぶやいた少年は、薄暗い部屋を這いつくばりながら明かりのあるほうへ進みだした。

外に出た少年は、血だらけの■で空を仰いだ・・・・・・・・・・・・

              

 


       「嗚呼、今日はこんなにも....星がきれい......だ」

















リーンと目覚ましの音で目が覚めた。朝の陽ざしで起きる習慣もないので、俺は学校のある日だけは、こうして目覚ましを頼りにして朝を迎えている。

今日は7月の初旬の土曜日だ。普段の休みでは目覚ましもとい悪魔の通告なるものはセットしないが今日は残念ながら学校なのだ。

最近ではこの伝統が古臭いなどといわれ土曜日登校を廃止する私立学校もあるのにも関わらず、自分の通っている私立高校では月に一度の土曜日に午前だけ学校がある。



  「はぁ~うちの生徒会長がマトモな人だったら良かったのに」



うちの生徒会長、名は神谷卓は、成績だけで言ったらこの学校随一なのだが、頭がおかしいのか「私は文化を愛し伝統を重んじる、よって学生諸君の校則改正並びに伝統を踏みにじる行為を一切禁ずる」なんて頭のおかしいことを生徒会長になった途端に言い出したのだ。

これを聞いた”生徒諸君”はもれなくキレた。それはそうだろう、なぜなら公約が違うからだ、神谷は演説の時に「この学校をよりよく変えていきたい」などと発言をしていたのに、次のスピーチではあんな事を言っていたのだからたまったものじゃない。しかし生徒諸君の思いも虚しく今も神谷は生徒会長のままだ。聞くところによると神谷の父は学校の理事長を務めているそうだ。大きな力の前では何もかもが無残にも散りゆくものなのだろう。

などと一人で布団の中で考えていると、




   「早く起きて、刹兄(せつにい) ご飯冷めちゃうよ」



バタン....!  とひとりでに動くはずのない扉が朝に似つかない甲高い声と共に開いたのであった。そこにはその声の主の妹、茨木 凛が女の子に似つかわしくない仁王立ちでこちらを見ながら立っていた。



   「このまま起きないんだったら、朝食ペットフードにするよ」



その仁王立ちと相まって聞こえてくるその言葉にはただならぬ重みを感じた。普通の家庭では、一つの冗談として済まされるものが、この家では冗談では済まされずに、現実となって降りかかってくる。昨日の夕ご飯は体調が少し悪かったっていうのもあり、あまり満足に食事を摂取することが出来なかったので、そんな状態でペットフードなんざ食わされれば、明日には病院行きだろうとベットの中で思った。



   「はいはい、起きればいいんだろ」



自分の鈍った体に鞭を打ち無理やり体を起こしながら、子供じみた返事をしてしまった。

 

   「刹兄はいい加減に一回の目覚ましで起きてよね」



誇れることではないが、俺はこの方一回目の目覚ましで起きたことがほとんどない。目が覚めるだけであって脳はなにも覚醒はしていないし、すぐに動こうとすると昔の古傷が痛むので、目が覚めたらまずは脳を覚醒させるために、思考から入るのだ。運動する前に準備運動するように、まずは脳にエンジンをかけるために、最近あったことなどを頭でまとめながら一日をスタートさせている。まあそんな言い訳をした所で凜には、「刹兄がだらしないだけでしょ」って言って怒られるだけなんだが。



   「凜の学校って今日から期末試験じゃないのか?」



このまま俺の起床についての話題を話していると、兄としての威厳が保たれなくなってしまうので、話題をすり替えることにした。



   「そうだけど、それが何か?」



話題をいきなり転換したのにも関わらず、相変わらずの適応力で直ぐに対応してしまう妹。俺にもこれだけの適応力があれば少しは凜の兄として胸を張れるのに、と思いつつもそれでは何か味気が無いなと、甘ったれている自分もいる。



   「いや、朝勉はしなくていいのかなと思ってさ」



それは独白のような言い草で、一人クローゼットの方を見ながら話していた。



   「刹兄が自分で起きて朝ごはんも自分でつくれたら朝勉強できるのになぁ(怒)」


   「..........」



これは完全に地雷を踏んでしまったと自分自身のアホさを痛感した。やはりクローゼットの方を見ながら話すのは正解だったのかもしれない。もし真正面で凜にそんな事を言っていれば、どんな顔をされて言われていたのか、想像するだけでも背中に悪寒が走る。


   「んっ、今クローゼットの方を向いて何か良からぬことを考えていたね刹兄」


そんな思考など凜の目の前では常時透けているようなものなのか、俺の心の中で考えていたことを見透かすように言ってきた。


   「別に思ってないよ、凜があまりにも可愛くて直視できなかっただけ」


   「刹兄....流石にもうちょっとマシな言い訳ぐらい考えようよ....」


いつの間にか仁王立ちしていた態勢が崩れており、俺の言い訳の下手さに逆に恥ずかしくなったのか、自分の結った長い髪を右手で掴み、顔を少し隠すようにしてこねていた。そんなにも俺の言い訳は下手だったのだろうかと、自分で反省しようと思ったが、具体的にどの辺りが辺鄙だったのかが分からず、反省点がまとめられなかった。

   


   「まぁ、別に時間があろうが朝に勉強なんてやる主義じゃないんだけど」



話が逸れ過ぎてしまっていたのか、凜は無理やり話を戻してきた。凛はもとより勉強などをしなくても授業を聞いているだけで覚えられるハイスペックな脳を持っているのを忘れていた。我ながらどんだけ頭が回ってないことやら。 

  

   「そうだったな、凛はハイスペックお姫様だったな」


そんな我が妹を褒めようとし、その麗しい容姿について言語化してあげようと思い、少しの間考えて、いざ出てきた言葉が、ハイスペックお姫様という、寝起きとは言えど、これはあまりにも言語中枢が欠陥し過ぎていて残念な結果になっていた。


   「お姫様は余計よ」


そんな残念なネーミングセンスを横に流すのではなく。むしろアドバイスまでくれるという聖人っぷりを見せた。ていうかハイスペックは認めるんだ。


   「とりあえず、ごはん冷めちゃうから早く起きなさい」


これ以上俺の付けたネーミングについて広げることはないのか、話が最初へと戻っていた。気づけば時計の針は7時40分を指しており、家を出発するまで35分となっていた。

   

   「ハイハイ」


そしてようやく布団からの脱出に成功し、ベットのすぐ前で伸びを開始していた。



   「刹兄、そんな悠長にしてると本当に遅刻するよ」



いつも冗談交じりで言うそのセリフが、今日に関しては嘘偽りなく本気で言っていた。さっきも確認した通りに、時計はいつもより5分ほど遅い7時40分を指しており、あぁ、さっきのは見間違いじゃなかったのかと少し落胆する。朝の5分は、昼や夜の5分とは決定的に違い、とても重要視されるものである。特に目覚めてからの5分。されど五分と、その間に俺みたく思考に耽っていたり、はたまた睡眠をしていたりすると、いつしかその5分は、10分、20分とどんどん伸びていき、最終的には、会社や学校を遅刻する羽目となる時間までに達してしまう。だから、朝の5分と言った時間はけじめの5分でもあり、目覚めてからこの5分の間に脳や体のエンジンをかけないと、後で痛い目にあうよ、と言った通告の5分なのだ。それを完全に無駄にしてしまった俺は、今も尚けじめがついておらず、こうしてカーテンが閉ざされ朝日が入らない部屋で、妹に見られながら伸びをしているのだ。



   「分かってるって凜。でももう少しだけこうやっていさせてくれ」



ベットから起きて伸びなんて、何年ぶりだろう。恐らくはあの事故で入院していた時の朝のストレッチ以来からだろうか。朝から何故そんな憂う話題をよぎってしまうのか、自分でも分からない。だがそんな気持ちが片隅にあるってことは何かしら良くない事でも考えている証拠なのだろうか。俺はそんな憂鬱な気持ちを払うために、伸びを中断し、横に置いてあるスリッパに足を入れ、カーテンへのある方へと向かった。


スッ―― スッ――と小さい部屋の中でこだまするスリッパの音。ただ短い距離までもが、長く険しい道のように感じられたが、その朝ならではなの努力の末、ようやくカーテンの元へとたどり着く。



暗い部屋に似つかわしくない、シャーッ―――と言った音とともに夜から朝にかけて閉ざされていた日光を、カーテンを開けるといった動作で通す。


  「うん、やっぱりいいよな」


カーテンを開けた際に入ってくるものは日光以外にもある。歩道をジョギングする人、犬の散歩をする人。スーツ姿でごみ袋を片手に持って走る人。そんな当たり前の日常風景が俺の視界へと飛び込んでくる。


  「何黄昏てんのさ刹兄....」


それは心配を通り越した呆れの口調で、日光を浴びている俺に向かって放たれる。


  「いや、別に。ただ、いいなぁって思っただけ」


数ヶ月前にピンクを散らし、今では青々しく葉っぱを生やしているだけの桜を見ながら、訳の分からない事を口走る。


  「いいなぁって何が?」


当然のように問い詰めてくる凜


  「さぁ....俺にもよく分からない」


俺自身すら何故そんな事を言ったか分からないので上手くは答えられなかった。


  「刹兄大丈夫なの?まさか腕痛いの?」


そんな俺の回答に不信感を抱いたのか、俺の体調について案じてくれた。



  「大丈夫だよ、たまにはこうやって清々しい朝を迎えたいだけ」


カーテンを開けて朝日を拝むだけでも、憂う朝に色がつくってもんだ。

  

  「妹に起こされている時点でそれは清々しいって言うのかどうかも怪しいけど」


  「................」


くそ、また墓穴を掘ってしまった。朝の町の活気具合を見て、少しは意識が覚醒したと思った矢先にこれだ。


  「まっ、大丈夫ならそれに越したことはないんだけどね」


そんな醜態をさらした俺の身などは見ずに、体調の変化がないことに安堵し、ホッと胸を撫でおろしている。



  「ていうかこんなことしてたら、とっくにご飯冷めちゃたじゃん」


はぁ~......と溜息をつきながら、自分が失態を犯してしまったかのように顔に手を当てている。


  「私、温めなおしてくるから、刹兄もはやくリビング来てね」


しかし、すぐに自分の顔から手を振り払い、俺に下へ来るようにと促し、颯爽と部屋の扉を開けて、階段を駆け下りていった。



  「あ......」


勢いに任せて開いた扉は、その勢いを殺しきれずに、ギィ――― と音を立てながら着々と閉まっていこうとする。


部屋にはポツリと時計の秒針の音をただただ聞いている俺しかいない。時計の針は必死に右へ左と頑張って動いているのに体は硬直したように動かない。きっと妹の人外的な速さに恐れをなしたのだろう。


 

  「........よし」



でも、いつまでもそんな余韻に浸っている場合でもない。こうしている内にも、俺以外の人達は何か目的を達するために動いている。そうとだけ思い、自らを奮闘さすべく誰もいない部屋で呟いた。名残惜しくはあるが、カーテンの傍から離れ、凜が待っているであろう一階のリビングへと赴いた。










   「行ってきます」


無事に温かな朝食を食べ終えることができ、皿洗いやら着替えなどをしていると、時計の針は8時10分を指していた。



   「気を付けてな凛」



凜が通う中学校は、俺が通う学校よりも少しだけ距離が遠いので、こうして毎日五分だけ家を出ていくのが早い。そうすると必然的に俺が家の戸締りやらをたった五分間でしなければならないのだが、その中にはこうして凜を玄関で見送るといった工程も組み込まれている。両親を火事で失くし、まだ小学生だった凜は、病院で泣いてわめいていた。それを横目で見ていたあの時から、少しでも両親の代わりになるような事をやらなくちゃ、と中学生ながらに思ってたっけな。今では、よっぽど凜の方が親って感じがして、その成長を純粋に喜んでいいのか、兄としての地位が危うくなり焦った方がいいのか。でも、笑って玄関を飛び出すその仕草はちゃんと年相応の者だと思い、なんだかホッとした。



   「刹兄に言われなくても分かってるって」



勢いよく開けた玄関の扉は、なかなかに閉まろうとはせずに、ゆっくりと沓摺に戻っていた。沓摺に戻るころには、凜は自転車に跨り、学校へのルートに一直線に突っ走っていた。


   「最近の中学生は土曜日でも試験があるとか、これは俺も文句いってられないな」


俺の高校も大概だが、凛の中学校も中々にハードな方だ。中学校から義務として課せられている部活の強制入部。テストは土日のどっちかに干渉してくるという狂いっぷり。何故こんなものが容認されているのかは分からないが、中学生は高校生とは違って、意見を言える機会が圧倒的に少ない。それが災いしてなのか、今だ改善の余地はない。まぁ、意見が言えた所で上の権力によって押しつぶされるのがオチだが、言ってみるだけでも何か少しでも変化があるのかもしれない、と見えなくなったはずの凜の背中に語りかけるように言った。幸いにも凜は生徒会に所属しているため改革を起こそうと思えば起こせる人物の一人なのであるが、本人にはそのような意思は感じられないしこのシステムは現状維持のままだろう。


そんなこんな玄関で考えていると、ポケットに入れていたスマホが音を立てながら震えていた。


   「やっべ、本当に悠長にしていられなくなってしまった」


ポケットから取り出したそのスマホには家を出るまであと二分、と言ったアラームの表示がでかでかと書いてあった。流石にいつまでも玄関にいる場合じゃないと思い、急いで俺も学校に行く準備に取り掛かろうとした....



   「っ.......」


その時右腕が壊れる音がした。背中に悪寒が走り、リビングへと向かおうとしたその足はピクリとも動いておらず、もはや彫刻の如く静止していた。にも関わらず、体中からはだらだらと汗が噴水のように流れ出ている。


   「またか....」


右腕全体に何かとてつもなく重い物を乗せられている感覚。その痛みに体は我慢することが出来ず、俺の意思とは関係なく、歯を食いしばり、壁にもたれかかっていた。生憎この痛みは今日が初めてではない。この傷を負ってた火事からは3年程になるが、傷を負った日からの1ヶ月は、これよりも激しい痛みに昼夜問わず襲われていた。あの時がなければ、こうして対処することはできずに、この場で一人悶絶し、崩壊していただろう。



   「昔よりもひどいな、病院に行ったほうがいいのか?」



しかし最近になって頻繁に右腕の火傷痕が疼くようになってきているのは事実。見た目の変化は手術した時から何ら変化はないが、痛みに関しては、昔より遥かにレベルアップしてると言える。また、”手術しなければならないのか”なんてネガティブな思考がよぎった。




   「落ち着け、担当医の人も言ってたじゃないか、慢性的な痛みでも激しい時はあるって」



自分に言い聞かせるようにして、今はその慢性が激しい時と思いながら深呼吸を繰り返し行っていた。

  


   「はぁ.......落ち着いたかな....」



しばらくの間、深呼吸を繰り返す事によって右腕全体にのしかかっていた重圧が、スゥ―――と、最初からなかったかのように痛みが引いていく。自分が編み出した、その場しのぎの技とはいえ、効果は覿面だ。



   「痛みも引いたし、支度を再開しないと....」



ドア越しから、リビングの時計を確認する。俺がこうしている内にも、無情に時間だけは過ぎていっている。だれていた体に喝を入れ、学校の支度をするべく、リビングのドアへと手を掛ける。






   「よし、これでいいかな」


目覚めから40分が経ち、ようやく学校へ向かう準備が終了した。IHはついていないか、冷蔵庫はちゃんと閉まっているか、水は出しっぱなしになっていないか、と入念な戸締りの末、いよいよ玄関へと足を運ぶ。

 


   「何か忘れているような........」



ふと、玄関に向かう際に、ご飯の時間に凛から何か頼まれ事をされたような気がしたのを思い出した。頼まれたことは覚えているのに、その時の凜の言葉がツギハギになって上手く接合しない。



「まっ、いっか。午前だけだし部活もないし、申し訳ないけどまた凛に聞こう」



思い出せないものは仕方がない。きっと、さっきの痛みで記憶が飛んでしまったのだろうと、そう思った時には、ツギハギになっていた内容が頭の中から出ていったと同時に、俺は玄関へと歩を進めていた。




   「行ってきます」


ガチャリ――と、朝日が入らない薄暗い玄関にその音は良く響き、誰もいないくせに一人呟きながら玄関を後にした。




   「って....俺の自転車がねぇじゃねぇぇか!!」



玄関を出てすぐの所に止めているはずの俺の自転車があるスペースに俺の自転車はなく、代わりに俺の自転車よりも全体的に少しだけ小さい凜の自転車が、一人寂しく太陽の陽ざしを浴びながらポツンと置かれていた。



   「凜の奴、勘違いしたのか....」



いやいや、流石にそれはないだろうと、自分に対し心の中で叱責する。



   「ん?って....おい」



唖然としつつも、俺はちゃんと凜の自転車に俺は乗れるのかと自己分析し、自転車をまじまじと見ていたら、思いっきりチェーンが外れていることに気づいた。そのチェーンは本来の役割を放棄し、だらーんと重力に逆らえずに地面の方向を向いていた。



   「まさか、凜の奴これを分かって」



凜が理由もなしに人の物を借りる性格ではないと一番分かっているはずなのに俺は兄としてそれを見抜けなかったのが少し悔しい。まぁ、理由は最悪なんだけども。

  


   「どうにかしてチェーン直せないか」



自転車に駆け寄り、外れたチェーンを覗き込むようにして見る。



   「こりゃ重症だ」



凜が何をしてこうなったかは知らないけど、外れているだけではなく、チェーンにまでもが損傷が及んでいるではないか。



   「これは自転車通学は諦めるしかないな」



しかも鍵が凜が持っているというダブルパンチ。チェーンが直ったとしてもの問題があった。



   「今から歩いてっても間に合うか....」


右腕の事もあるので、走るなどといった過度な運動は出来ないが、時間ギリギリの今、それをしないと間に合わないというジレンマに襲われている。


   「あぁ、もう!仕方ない」


その声は若干凜に対しての怒りのようなものが入っていたが、そのおかげで迷いを振り払うことに成功することが出来た。


   「自転車で15分かかるなら、徒歩で25分程度か」


自分の健康状態に合わせてなるべく近い学校を選んだんだ、徒歩でも自分の家から学校までの道のりはいうほど遠くはない。


   「よし、そう決まれば」


こうしている間にも、刻一刻と時間だけは過ぎていく。あの生徒会長の元遅刻をしたとバレれば、茨木刹の今後の人生に傷が入ることになりえない。それだけあの生徒会長の権力は夥しいものだ。


   「おのれ、生徒会長許すまじ」


などと呟き通学路を歩いて行った。


   











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