第4話 夕雫との関係

はぁ?なんでお前がいるんだよ!?

そんな、怒りのような戸惑いのようなよく分からない気持ちが心の中で爆発していた。

それは彼女も同様だったようで

「ちょっと!なんであんたが三上君と一緒にいるのよ?」と碧唯が激怒

「うるさいなぁ!それはこっちのセリフだっての!なんでお前がここにいるんだよ?」

「えっと、二人は知り合いなの?」と汐音が驚いていた。

まぁ驚くか。僕はあまり人と関わろうとしてこなかった人物だ。

なのに知り合いがいる。しかも女の子。一大事だ。

「いやしくも、こいつとは知り合いだ。まぁ、昨日知ったばっかだがな。」

「そうなの?意外なとこで繋がってるんだね。世間は狭いなぁ」

何変なとこで感心してんだよ。そんなことを思っていると、

クラスメイトの女子がこっちへかけてきた。

「ねぇ、三上君。先生が呼んでた。職員室に来てって。」

「そっか、ありがと!」

そう、汐音が笑顔で言うと、その子は何故か碧唯をにらんでから満足したように走り去っていった。

「そういうわけで、俺いかなくちゃ。じゃーねー」と言って行ってしまった。

おいおい、汐音。僕を置いていくな。お互いが黙りこくっているこの状態はどうしたらいいんだ?


「お前、汐音に告白したのか?」と話すことが分からずなんとなく聞いた。

すると、彼女の顔が耳まで一瞬にして茹で上がったみたいに真っ赤になって

「な…なんで、あんたがそのこと知ってるのよ⁉」

「さっき汐音から聞いた。たぶん今のところ僕しか知らんと思う。」

「そう…」

そのまま顔を真っ赤にしたまま、しばらく下を向いていた。

「しゃべらなかったら、十分かわいいのにな」

思っていたことがつい口に出てしまったらしい。。。

「はぁ?何馬鹿なこと言ってるのよ。。。」

口ではそんなことを言っているが、また顔を真っ赤にしていた。うん、可愛い。

「そういや、お前ここの生徒だったのな。今知ったよ。もしかして夕雫もここの生徒だったりするの?」

「そうだけど...あんた、ほんとになんもあの子のこと知ってないのね。」とあきれられた。

「知らなくて悪いな。夕雫とは、まだ一か月くらいしか付き合いないからよ。」

「ふぅん、今のところあんたはあの子について何を知ってるの?」

「えっと…本好き、美人、優しい、人思い、幸せを与えてくれる、後は人の気持ちがわかる、そして今は入院中…以上」

「ふふっ、あんたって面白い。あの子のこと好きなの?」

「…どうなんだろう?分かんないけど。彼女いるのは楽しいと思うよ。」

「そう、それはいいけど。あの子にあの能力はあまり使わせないでね。」

「その能力のせいで、入院してるの?」

「さぁ?それは知らないけど、関係はあるんじゃない?」

なるほど…

キーコーンカーンコーン

午後の授業が始まる前の予鈴だった。

「じゃあね。私は幼馴染としてあの子のことは見守るけど。あなたは彼女との関係はまだ浅い。今のうちに関係を断ち切ってもいいのよ。もし役に立ちと思ってるのなら、関係を見つめなおしなさい。何かっこいいこと言ってるんだろwww。まぁ、それ以降は君が決めるの。それじゃあ」

そう言って、碧唯は帰っていった。

教室に戻る間僕はずっと考えた、僕と彼女の関係を…



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る