第4話・第三の生徒相談『オ●ンチンが欲しいのです』

 また、竜崎にそそのかされた悩みを抱えた生徒が一人……勇奈がいる保健室に送られて来た。

 上品なお嬢さま風の生徒が、保健室に入るなり開口一番に言った。

「あたくし、オ●ンチンが、お股に欲しいのです……オ●ンチンのコトを考えると夜も眠れなくなるのです」

 思わず椅子から滑り落ちた勇奈。

(これはまた、直球ストレートな悩み!?)


 お嬢さまは、しゃべり続ける。

「体液が詰まった汚いタマはいりません……殿方がお股にオ●ンチンを生やしている感覚が知りたいのです」

 頭を抱える勇奈。

(どうする……どうする保健室の先生は、形成外科医じゃないんだから。そんなコトできるワケないし……そもそも、なんでも解決できるってワケでは……落ち着け、素数を数えるんだ)

 勇奈の意識は女勇者の前世記憶へと飛んだ。


 金細工が得意な回復系魔法の僧侶が、ボロボロになった魔法書の表紙の修理をしていた。

 作業の様子を、興味深そうに眺める勇奈が言った。

「器用だね……よく、そんな高価な、金細工の金具が手に入ったね」

 革本の装丁をしながら僧侶が言った。 

「見た目は純金っぽい輝きをしているが、別物の安価な金属金具だ……本物じゃないが、なかなかの見た目だろう」

「なるほど、【本物じゃない偽物でも】……本物みたいに見せるコトができるのか」


 前世の記憶からもどってきた勇奈は、思考する。

(偽物のオ●ンチン……まさか、学生にアダルトグッズのリアルなディ●ドーを買ってきて、渡すワケにはいかないから……何か他のモノを……アレか?)

 勇奈がオ●ンチンを欲しがっている、お嬢さま生徒に言った。

「明日また、保健室に来て……悩みを解決してあげるから」


 次の日──お嬢さま生徒が保健室を訪れると、勇奈は買ってきた『すりこぎ棒』を渡す。

 お嬢さまは初めて見る棒に、不思議そうな表情をする。


 勇奈が、お嬢さまに言った。 

「その棒を股に挟んで……パンツは穿いたままでいいから」

「こんな風に、挟めばいいのですの?」


 お嬢の股間から突き出した『すりこぎ棒』を指差して勇奈が言った。

「それが、あなたのオ●ンチンよ!」

「わたくしにも念願の、オ●ンチンが生えましたの? これが、わたくしのオ●ンチンなのですわね」

 お嬢さまは、満足そうに股間で挟んだ『すりこぎ棒』を、擦ったり、先端をつかんだりする。

「すっごいですわ、太くて固いオ●ンチンですわ……家に帰ってお父さまやお母さまにも、お見せしますわ……わたくしのオ●ンチン……あぁぁぁっ、なぜか興奮しますわ」


 すりこぎ棒に興味を持って触っている、女子生徒を見て勇奈は。

(いいんだろうか……世間知らずの、お嬢さまに。こんな方向性のアドバイスをしてしまって、本当にいいんだろうか?)

 と内心、悩んだ。


 お嬢さまは、自分専用のオ●ンチンに興奮してしゃべり続ける。

「この方法だと、春夏秋冬のオ●ンチンが楽しめそうですわね……春はタケノコ、秋はマツタケを挟んで。夏の水着の股間には何が似合いますでしょうかしら?」

 勇奈が、もうでもいいという顔で、股間にすりこぎ棒を挟んで腰を突き出している、お嬢さまを眺めながら呟いた。

「夏の海なら、ナマコで決まりでしょうが」

 と……。


第三の生徒相談~おわり~


※『すりこぎ棒』がどんなモノなのか、知らない人は検索して見てください。

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