第八話   【異世界デジャブ】

俺が異世界に引きずり込んだ泥棒トラック運転手が

スマホを使って呼んだ警察官・消防士・救急医と四人でギルドを結成したと話には聞いていた。

消防車などの車内に一人しか乗ってないものかはわからないが、四人は其々のスキルを使って大活躍しているようだ。


安定した立場をドライバーは得たわけだ、ドライバーから今ごろスマホを取り上げても咎める神は居ないだろう。


奴らのギルドは今、海を渡った隣町で祭りの警備を任されているらしい、しかし忘れかけていたがこの世界は、友人の作った動画の中の世界、隣町は船着き場から丸二日はかかるようだ。

そんなにスマホを弄れなかったら死んでしまう!

それにトラックも運びたい、船着き場に来るまでずっと使っていたから愛着があるし、宿に泊まろうにも、どうせあっちに着いたらアキの美食ツアーが始まるだろうから残ったお金も心もとない。


トラックはもちろん船で運べないどころか人前に晒すのも躊躇われる。


アキが驚かなかったからわからなかったが、ワープを使える奴は少ないらしい…実際そこら辺の奴のステータスを見ても覚えてる奴は誰一人として居なかった。

アキと俺以外は皆船を使っているのだ。


何か良いアイデアは無いものか…

その時、ふと身震いさせながらアキが言った隣町は美味しい料理店が沢山あるから早く向かいたい的な事を思い出した!!

そうか!隣町に行った記憶があるアキにワープで連れていって貰えばいいのか!

「アキ!ワープでトラックごと隣町に移動させてくれ!」

「任せろォ!」



そのトラックのハンドルはアキが握っていた…

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勢い良く空から飛び出したトラックは轟音を鳴らしながら民家に突っ込んだ

多くの人が集まる祭りの最中、現れた謎の兵器。

今すぐ逃げ出さないと勘違いで大事になる。

いや実際家は壊してるので勘違いではないけど!


そんなパニックになっている俺を横目に素人とは思えないハンドル捌きでアキが民衆を避け、あっという間に町を抜けた。


この女やべー俺はそう思った


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