第22話 サクッと依頼は完了していきます!

ナディアはヘイル王子の案内で彼の部下であるメイドが寝かされている部下の部屋へと案内される。


「ここだ、彼女にかかっている呪いを解いて欲しい。どうだろう、出来るだろうか?」


ヘイル王子は心配そうにナディアに尋ねるがナディアからすれば特に問題なかった。それもそのはずだ、ナディアは以前に医療ギルドにて何人もの患者をその日のうちに何人も解呪しているのだ。


それに比べたらメイドの一人や二人、大した労力ではないのだ。


「問題ありませんよ。それではサクッと解呪してしまいますね。・・・・・・はい、終わりました。これでもう大丈夫なはずですよ。」


「えっ、もう終わりなのか?他の解呪師に見せたら今にも倒れそうになっていたのだが貴殿は平気なのか?」


「はい、別に何ともないですけど。それに、医療ギルドで何人も解呪しているので、その経験からすれば明日にでも目を覚ますのではないですか?」


ナディア自身ですら理解していないが彼女の力は他の解呪師など比べ物にならないくらい強力なのだ。そのため、一般の解呪師では満身創痍になってしまうような解呪でも、彼女からすれば大したこともなく解呪できてしまう。


寝込んでいるメイドの顔色を見てみると明らかに先ほどよりもよくなっており、王子もようやく解呪されたことを確信する。


「本当になんてお礼を言っていいか。私にできることなら何でも言ってくれ、貴殿の望むものを用意する。」


「ありがとうございます。ですが、先ほども話したようにミナミと接触してしまえば再び呪いにかかってしまいますよ?」


「その通りだ、貴殿とミナミの間に確執があるというのは知っているがそのものを解呪してもらうわけにはいかないのか?」


王子はそんな提案を行うがナディアは絶対に嫌だった。もっとも、仮にナディアが解呪を行おうとしてもミナミの呪いはあまりにも強力であるため、完全に解呪することはできないが。


「申し訳ありませんが、いくらヘイル王子のご命令であっても解呪はいたしません。今回の婚約破棄の件で自分が行ってきたことがどれだけバカなことだったかよく分かりましたので。


もっとも、彼女の呪いは強すぎて解呪をしたいと思っても完全には無理です。せいぜい、周囲の人間にうつらないようにするくらいですね。」


「そうか、分かった。変なことを聞いてすまなかったな。今回の件は父上と相談して、何とかするとしよう。もちろん、協力してくれた貴殿に不利になるようなことは行わないし、無理やり解呪させるようなことはさせないと私の名に懸けて約束しよう。


とりあえず、彼女は今後一切、ミナミと接触をさせないようにする。それと、もう一つだけ頼みがあるのだが、城には他にも呪いで寝込んでいるものがいるのだ。


彼らには何の罪もない、不幸だったのはミナミの世話係として関わってしまった事だろう。どうか、彼らにも君の力を使ってくれはしないか?」


「いいですよ、彼らもいわば被害者のようなものですからね。別に彼らにも恨みはないので解呪しますよ。私が解呪しないのは個人的な恨みがある人間だけですから。」


こうして、ナディアは城で寝込んでいる人間を次々と解呪していくのだった。

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