──オスカー・ワイルドの短編を知っているかい?

人は生活する上で、どれぐらいの頻度で自動販売機を目にするだろうか?
数年前までは、日本は自動販売機の設置台数が人口あたり世界一だった。「日本は世界一の自販機大国」という煽りを見た人も少なくは無いだろう。
しかし、それも今や昔。令和の時代、自動販売機は減少の一途を辿っている。

コンビニの普及や人口減少、様々な理由はあるだろうが、もしかしたらこんな理由もあるのかもしれないな……と、読み終わった後に撤去された自動販売機に、ふと思いを馳せてしまう。

ほのぼのとしただけでは終わらない、読んだ人の心に懐かしさに似た切なさを感じさせる作品である。