第3話 秋良side雪という男

俺の前の席に座っている縁なしメガネの男は黒崎雪弥。眼鏡掛けてるからって委員長タイプって訳じゃないけど、実際に風紀委員で、高2の中じゃ権力有るし、頭も飛び抜けて良い。でも1番は雪の持ってるオーラだよな。普通発情期来てない奴なんて、誰からも相手にされないはずなのに、雪の周りにはいつも誰かしらちょっかい掛けてて酷いあり様なんだ。



雪本人は誰にも同じような対応だし、昔から友達の俺たちにはちょっとは気を許してるけど。俺たちに発情期が来てからは、何となく距離取ろうとしてるっていうか、単独行動が多いから俺は心配してる。だって、雪は凄い綺麗な奴なんだ。


本人は言わないけど、多分希少種の黒豹の家系なんだ。実際しなやかな身体はため息もんだし、なに考えてるか分からないグレーの瞳は見つめられると吸い込まれそうだし。髪色は染めてるのか真っ黒な中にハイライトで銀色が入っててサラサラ、艶々で。


今でも雪の近くに居ると良い匂いで勃ちそうになるのは内緒だ。発情期来てない奴の匂いで興奮するなんておかしな話だけど、実際そうだから、雪は特別なのかもしれないな。



だから俺に限らず、俺たち仲間を始めとして、雪より力のある奴らは雪の事、手に入れたいって思ってるはずだ。


普段の雪には全然隙が無いせいで、発情期が来る時がチャンスなんだけど。雪は特異体質なのか、高2でも発情期が始まらない。普通は中坊の時に発情期が来て手当たり次第やりまくって、発散して終えるんだけど。妊娠したい時はそれ用の薬飲まないと妊娠しないから、余計フリーセックスみたいな感じで。



雪は多分そうゆうの気嫌いしてるから、童貞で処女だろうし、それもまた魅力って言うか。雪だって発情期の時は本能にはあがなえないだろうって思う俺たちは、その時を待ち望んでる。


想像するだけでオカズになるんだから発情期の雪はどうなんだろう?いつも冷たい雪が俺にデレるとか、堪らない。とことん甘やかしてやりたいくらいには俺は雪が好きなんだけど。こう思ってるのが俺だけじゃないってのが問題だよ。


高2でも同じクラスになれて、他のやつより雪のそばに居られるから、隠れてガッツポーズする位には嬉しかった。鰐の先祖の家系を活かしてデカい身体で雪を狙ってる雑魚達を寄せ付けないのが俺の使命っていうか。



そっか、聖がそろそろ雪に発情期来るって言ってたのか。今日眠れなくなりそう。はぁ。俺はそんな事を考えながら、雪の背中を見ていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る