第15話 人生の、たられば。

 人生に、たらればは、つきもの。

 あのとき、○○だったら。

 ○○してれば。

 たしかに、また違った人生を歩んでいたことも事実です。


 23で単身、グアムに渡ったわけですが、この免税店は、海外に支店をたくさんもっていて。サイパン。NY。サンフランシスコ。ロスアンジェルス。ゴールドコースト。ハワイに支店を持っていた。


 当初はニューヨークに行きたくて、この会社に応募したわけですが、社長直々の面接を受け、まずは1番ランクの低いサイパンで修行して、それから経験を積んで、最終的にNYを目指しなさい。そう言われました。


 グアム~サイパンで約2年暮らしたわたしは、フィアンセのいる女性を好きになり

(出会った時、彼女は婚約者がいることを隠していました)やがて恋に落ちました。

彼女は旅行代理店に勤めていて、添乗員の仕事。休暇で月に1~2回、サイパンに旅行にきていました。


 結婚式の1週間前にわたしが住んでいるサイパンに、駆け落ち同然で家出した彼女は、短い書き置きを実家に残し、それから約2週間、わたしの家に滞在するのですが、その日から修羅場の連続でした。


 彼女と結婚するつもりで、数ヶ月後、日本に帰国することになるのですが…。

 結局、彼女は、元フィアンセのところに戻っていくのですが、あのとき2人でサイパンで暮らす道を選択していたら、また違った人生が開けていたのかなと今になって思います。


 人生は、そう。

 たらればの連続。


 そのとき、そのときの瞬時の判断。

 決断。迷い。


 すべてにおいて、

 あのとき、○○だったら。

 ○○してれば……。

 測がつかないのが、人生の醍醐味だと思う。


 サイパンのマニャガハ島。

 無人島。

 この駆け落ちした、自由奔放な女性が、アヤの、モデルとなっています。


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