現実にモンスター?ダンジョン?じゃあとりあえず狩りますね。固有スキルと称号で成長チート~サクサクレベルが上がってレベル上げが楽しいです~

からから米

プロローグ

(あ~あ…なんでこんなことになったんだろうな…)


俺、神山空は入学式が終わってから片付けをしてたからちょっと帰りが遅くなっただけのただの高校二年生だったんだ。

友人も多くはないが少なくもなかった。

…いや、ごめん盛った。

少なかったけどそれでも全然よかったと思う。

そんな俺は………





病院のベッドで体には包帯を巻かれ足は吊られて腕は固定されていた。




なぜこうなったかというと、俺の動かせるかすれた視界の中で見えるのは電柱にぶつかって止まっている乗用車、何があったのかを見に来ている野次馬、尻餅をついてる中学生位の少女二人、そして…俺の頭から流れているだろう赤い液体。


正直頭を打ったせいで意識が朦朧としているがまあ、皆さんお分かりの通り、俺はトラック転生よろしく引かれそうになっていた少女二人を押し出して代わりに信号無視してきた乗用車に跳ね飛ばされてしまった。

しかも中々スピードを出していたのかかなり跳ね飛ばされてしまったし。


そしてそのまま意識を失って気付いたらさっきの状況だよ。


(ああー……痛てぇ……まじいてぇよぉ……)


なんて心の中では思っているが実際この状況になってみると体中痛くて痛くてたまらない。

実際意識が戻ってから3日経っているが良くなっている気がしない。

これでも死にかけてた所からここまでの回復がありえない位早いって言われてるんだけど実感がない。

親父とお袋は俺が小学校三年生の時に事故で死んじゃったから今は爺ちゃんが色々と事故に関しては対応してくれているからありがたいんだけど、親父とお袋も事故で死んじゃったからめちゃくちゃ心配かけてしまって本当に申し訳ない。


コンッコンッ


そんな事を考えていたら病室の扉がノックされた。

病室には俺だけなので他の患者さんのお見舞いとかじゃなくて用があるのは俺のはず。

まあ、看護師さんかなと当たりをつける。


「はい゛…どう゛ぞ」


声を出そうとしたらあまり出なかった。

まあ、そりゃあれだけの大怪我してたらしゃべるだけでも結構辛いわな。


「失礼します……」

「…」


入ってきたのは看護師さんではなくて黒髪ロングストレートの眼鏡をかけた女の子と白髪ミディアムショートの女の子だった。

え?誰この子達?見覚え無いんだけど。


俺が困惑しているとその二人は俺の顔を見て驚いていた。


「……お姉ちゃん?」


「嘘!?︎生きてるのあの人!」


「うん…生きてる。」


「よかったぁ!」


なんか二人が喜んでいるような感じだけどどういうことなんだろ? それにしても可愛い子だなぁ〜。

…でもまずは。


「ね゛ぇぎみだぢ…」


「はいなんですか?」


さっきまで喜んでいた先輩と呼ばれていた眼鏡をかけた女の子が反応してくれる。


「お゛れがいぎでい゛でるの゛によろこごんでぐれるのはうれ゛じい゛んだげど、こごはびょうい゛んだがらぢょっど声は小さぐじようね」


「「あ…」」


二人はその後声は小さくしてくれたのだがその行動はちょっと遅く廊下にいた看護師さんに怒られるのだった。


「私は宮田雪奈って言います。今はそれでこっちが」


「…妹の宮田玲奈…です」


「お゛ればがみやま゛ぞらごんなだいぜい゛でごめんね゛」


どうやらしっかりしてそうな眼鏡の女の子が雪奈ちゃん、白髪のマイペースそうな女の子が玲奈ちゃんというらしい。


「い、いえ!謝らないでください!そんな事になってしまったのは私達のせいなんですから気にしないでください!」


そう言ってくれるのは今の俺の体の状態の関係上とてもありがたいんだけど………その言い方だとこの二人のせいで俺がこんな大怪我負ってしまったように聞こえちゃうんだけど?


「なんでおれ゛の怪我がふだりのぜいになっぢゃうの゛?」


「そ、それはですね……」

「……実は」


そこから二人の話を聞くにどうやら二人は二卵性の双子の姉妹らしく二人で一緒に今年高校一年生になったばかりの新入生らしい。

しかも俺と同じ楽泉高校に入学していて俺の後輩になるらしい。


そして入学式の後一緒に学校に行ったみたいだがその時、信号無視してきた車にはねられそうになったところを俺に助けられたらしい。


「い゛や、ぞれはふだりのぜいじゃない゛よね?」


「いいえ違いません。私達がしっかり周りを見てれば神山さんがこんなことにならなかったかもしれないのに……」

「…青信号でもしっかり周りを見てれば良かった」


二人はそういうと肩を落として後悔してますといった暗いオーラが見えるくらい落ち込んでしまった。

だけど正直俺は二人を助けられた事はまったく後悔はしてない。

だって……男の俺がこんな大怪我負ってるんだから見るからに俺よりも身長が低いし、体つきも男の俺と比べても俺よりも男らしいわけでもなくちゃんと女の子らしい体つきをしている。

そんな俺がこんな大怪我なんだから、二人があのまま引かれてたら無事でいられた保証なんてなかった。

もしかしたら命を落としてしまっていたのかもしれないんだから結果的には良かった。

そして何よりこうして無事な姿で俺の前に現れてくれたことが嬉しかった。

無事でいることがわかったんだそれだけでしっかり助けられたって実感がわいてくる。


「まぁ、あ゛んまりぎにじないで。たずげられだんならぞれで おれ゛は本望 だよ」


「……神山さん。じゃ、じゃあせめてもの罪滅ぼしとして何かさせてください!」


「…うん。なにか欲しいものがあったら買ってくる…よ?」


「…はっ!エッチな事は駄目ですよ!」


うーん……

確かに何でもしてくれると言ってくれるのは嬉しいけど別に何もいらないんだよなぁ。

それにお金に関しては一応両親の遺産があるし、入院費に関しても保険とかでなんとかなりそうだし特に困ったことはないのだ。

それにそもそも俺自身があまり物欲が無いためどうしてもほしいものが思い付かない。

本当に何もいらないんだよなー。


「ごめん゛ね…ほじいものはどぐにないんだ」


俺がそう言うと二人は持ち直してたオーラがまた暗いものになっていったように感じる。


「……そうなんですか」


「……残念」


「だからそのがわりといっではなんだげどざ」


俺がそう言った瞬間、二人の目が輝いた気がした。


「はい!なんでも言ってください!」


「…出来る限り頑張る……!」


……うわー凄く気合入ってるように見えるのは俺だけだろうか? 少し不安になりながらも俺は考えてたことを口に出す。


「ぞれじゃあ゛、お゛れどどもだぢになっでぐれないがな?」


俺の言葉を聞いた二人はキョトンとした顔をしていた。


「私達ですか!?」


「……友達になってくれ?」


「そ、それくらいで良いんですか?」


「……他には何もいらないの?」


俺の言葉はどうやら二人には意外だったようで戸惑っているみたいだった。


「恥ずがじいごどにお゛ればどもだぢがずぐないからざ、ふだりみだいにがわいい女の子とともだぢになれだらうれじいなって」


「なるほど……」


「……納得した」


二人は俺の答えを聞いて納得してくれたみたいでホッとする。

そして二人は顔が赤くなっている。

…今の俺の言葉何も知らない人が聞いたらめちゃくちゃ恥ずかしいなこれ。


「わかりました!じゃあ今から私達友達ですね!」


「……私も構わない。これから、よろしく」


「ありがどう。ごぢらごぞよろじぐね」


握手したかったけどこんな状態じゃ出きるわけないから諦める。

だけど二人共了承してくれて俺は心の中でガッツポーズする。


「じゃあ、これから私のことは雪奈って呼んでください!」


「……私は玲奈でいい」


「じゃあ、お゛れもぞらでい゛いよ」


「はい!改めてよろしくお願いします空さん!」


「……こちらこそよろしく空くん」


「よ ろじぐね ふだりども」


それから俺は二人のことを名前で呼ぶことになったし二人も俺の事を名前で呼んでくれるようになった。

その後は二人は面会時間ギリギリまで俺と話してくれて、そして病室を出ていった。

二人が帰った後、俺は疲れていたのかそのまま寝てしまったのだった。





~~~~~~~~~~

《4日前、???side》


『防衛システムダウン。次元ノ境界ガ一部崩壊。空間ノ穴がガ発生。ゴ¥リ%2体、レッ%ー¥$ス1体ガ侵入。防衛システム復旧。空間ノ穴修復完了。次元ノ境界修復完了』


『ゴ¥リ%2体ハ日本ニ侵入後行方不明。索敵開始』


『レッ%ー¥$ス1体ハ重傷ノ人間に憑依。観察開始』


《3日前???side》


『観察結果。レッ%ー¥$スノ消滅を確認。憑依体ノ魂ト統合ヲ確認』

『憑依体ノ人格正常。異常無シ』


『観察終了。防衛開始』


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