第18話 初心者冒険者の集い

鈴木はネオ人材派遣会社田中マックスで先日行われたひな祭りイベントの賞金をもって、新しい装備品を買いに来ていた。


今どきはインターネットを使った通販も使えるのだが、やはり、冒険者たちは自分で見て触って買うのが好きなようだ。


大型のショッピングセンターの中に道具屋だろうが、装備だろうが、魔法屋だろうが教会だろうが、食材だろうが大概のものはそろっている。


鈴木は異世界部の活動で調べた買う物リストのメモを持ってこの大型ショッピングセンターの魔法屋にやって来た。



ネオ人材派遣会社田中マックスや、鈴木は行ったことはないが他の冒険者ギルドなんかでも魔法は売っている。しかし調べてみればそれは割高だとわかった。


鈴木の予算は330万円。ひな祭りイベントで1位になった賞金と、昔から貯めたお小遣いと最近ゴブリンを倒し続けて稼いだお金だ。


「冒険用の商品は高いから、余計なものは買えないな。やっぱりネットで見てるのと違って面白いものがいっぱいあるんだけどなぁ」

鈴木は目的の店を目指してキョロキョロしながら歩いた。


「まずは魔法屋からだ」

鈴木は目的の魔法屋にたどり着いた。



「どういうことですの?」

店の中から女性の大きな声が聞こえてきた。


鈴木は店の中を覗いてみた。


店の中で騒いでいる女性はドミールだった。この時の鈴木はまだドミールを知らない。

ドミールは魔法の習得用スクロールをもって大きな身振りで話していた。


鈴木は騒いでいるドミールをよそに店内に入店した。


店内は明るくきれいに清掃されていて、カウンターテーブルの奥の棚にスクロールが沢山積まれていた。


「落ち着いてください。習得用のスクロールを読んで魔法が使えないというのは、スクロールに不備があったのかもしれません。すぐに別のスクロールにお取替えいたしますのでお待ちください」


魔法屋の若い女性の店員は、あわてて代わりのスクロールを取りに行った。


店員は申し訳なさそうに戻ってくると代わりのスクロールをドミールに渡した。


ドミールはスクロールを読んで魔法を出そうとした。


「ファイアーですわ」


………


しかし何も起こらない。


「ファイアーですわ…ファイアーですわ、ファイアーですわ」


やっぱり何も起きない。


「なぜですの?」

ドミールは混乱といら立ちの両方混じった表情をしていた。


「これは、まさかっ」

店員は何かに気づいたようだ。


「何ですの? 何かありまして」


「少々お待ちを…」


店員は店の奥から古めかしい紙を持ってきた。紙には魔法陣や文字が書いてあった。一体どこの文字だろう、ドミールにはそれはわからなかった。


「お客様この紙の手形の部分に手を置いてみてください」


「これは何ですの?」

ドミールは言われた通りに紙に手を置いた。


「これは手を置いた人の魔法力を測るスクロールです。魔力量に応じて数字が記されるものですが…」


ドミールが手を置いたスクロールは全く反応しない。


「何ですのこれ? 壊れていますの」

ドミールは紙に書かれた手形の部分を手でぺたぺたと触ってみた。


「やっぱり」

店員は驚愕した。


「何がやっぱりですの? 詳しく説明してくださいまし」

ドミールはわけがわからないという顔をしていた。


「お客様大変申し上げにくいのですが…お客様の魔力は0です」


「魔力量が0だと何ですの?」

ドミールはそれがどうしたという顔をしていた。


「魔法が使えません」

店員は勇気を出して言った。


「ええ、ですから習得用のスクロールを読んでいるのですわよ」


「稀にいる、魔法力がまったくない人は魔法が使えないのです」

店員は恐る恐る説明をした。


「そうでしたの、それでは先にレベルを上げねばなりませんね」


レベルを上げれば魔力量も上がるのが一般的な冒険者の認識だ。


あくまでも一般的な。


「魔法力の無い方はレベルを上げても0のままです。魔法をずっと使えないんです」


それを聞いてドミールは目を見開き固まった。


「うそ…なんですわよね?」


「本当です」


ドミールは驚愕した。


しかし、ドミールはまだくじけない。


「値段の高い消耗品のスクロールを使うしか無いのですね」


「いえ、それも無理です。一般的に言って人間は誰でも魔力を持っているいことになっています。お客様のような特例を除いてはですが。消耗品のスクロールも、人間の魔力が火種になって発動されているのです。魔力量が0だと最低限の火種が起きませんので、消耗品のスクロールも、魔法アイテムも使えないんです」


店員はドミールの不幸な体質を丁寧に説明した。


今度こそドミールは絶望した。


「それなら…そう、回復魔法なら使えるかもしれませんわ」


店員は目を伏せて首を横に振った。


「…だめですの?」


「…はい」


「今後の方針を考え直さなければなりませんわね」

ドミールはガックリした様子だ。



「へー、魔法使えないことってあるんだな」

鈴木は思ったままの感想がつい口から出てしまった。



「なんですの? わたくしを笑いに来ましたの?」


ドミールは鈴木の方を向いた。


「いえ」

鈴木はバツが悪そうに眼をそらした。


「あらあなた、こないだのひな祭りイベントで優勝していた人ね。確か名前は…」


「鈴木です」


「ああ、そうそう、そうでしたわね」


「それで、何の用ですの?」


「このお店に魔法を買いに来たんです」


「ああ、そうでしたのね」

ドミールは鈴木が自分を笑いにきたのではないとわかって声をいつもの調子に戻した。


「いらっしゃいませ」

店員は今気づいたという風に鈴木に挨拶をした。


ドミールは鈴木のことをイベントで優勝するほどなら、大層強いんだろうと思った。


鈴木がどんな魔法を買うのか興味がわいた。


「鈴木さんと言いまして? どんな魔法を買うのか見させていただいてもよろしいかしら?」

ドミールは興味津々だった。


「いいですよ。特に面白いものもないと思いますけど」


「お客様どのようなものをお探しでしょうか?」


「えっと…」


鈴木が品物を注文しようとした時、新たな客が店に入って来た。


「あった、ここだ、ここだ」

「意外と早く見つかったね」

「うん」


Rin・Feeりんふぃーの三人が店の中に入って来た。鈴木は、あ、Rin・Feeだ。本物かなと思った。


「いらっしゃいませー」


店員はすかさず営業スマイルで挨拶をした。


「あー、こないだのイベントで優勝した人だー」

と町田美樹。


「ほんとだ」

と関口かおり。


「こんなところで何やってるんですかー?」

と幡ゆり子が聞いた。


Rin・Feeのフレンドリーさに鈴木は少々戸惑った。


「買い物を…」


「へー、そうなんですねー」

と町田美樹。


「魔法を買うんですか」

と関口かおり


「何買うんですかー?」

と幡ゆり子。


Rin・Feeの三人はハイテンションで質問してきた。この物怖ものおじしなさはアイドル所以ゆえんなのだろうか。



「肉体強化の魔法と、武器硬化の魔法です」


店員は奥の棚からスクロールを出してきた。


「こちらが、肉体強化と武器硬化になります。これだけでよろしいですか?」


店員はもっとたくさん買ってほしそうだった。


「肉体強化と武器硬化を選んだのは何故ですの?」

ドミールは質問した。


「あ、そっちの人も知り合い知り合いだったんだ、こんにちはー」

と町田美樹はドミールに挨拶をした。


こんにちはと関口かおりと幡ゆり子も挨拶をした。


「こんにちはですわ」


ドミールも挨拶を返した。


「知り合いというか…今会ったところです」

鈴木は返答に困ってしまった。


「多分あなた達と同じですわ。先日のイベントで優勝した彼の顔を、私が一方的に知っていただけですわ。わたくしの名前はご存知ないでしょう?」


「…はい」

鈴木は申し訳なさそうに答えた。


「なるほどー」と町田美樹


「そう言えば名前知らないねー」

と幡ゆり子


「確か鈴木君だったはずです」

関口かおりがそう言った


「はい鈴木です」

鈴木は肯定した。


「私は町田美樹。Rin・Feeっていうアイドルグループのリーダーをやってます」

町田美樹はすかさず自己紹介をした。


「同じくRin・Feeの関口かおりです」


「Rin・Feeの幡ゆり子です」


アイドル達はRin・Feeを名乗った。やっぱり本物だったと鈴木は内心驚いていた。


「わたくしはドミール・ベタムですわ」



「それで肉体強化と武器硬化を選んだわけを教えていただけまして?」


「…えっと、はい。肉体強化は今や冒険者に必須と言ってもいい魔法で、前衛職だけでなく魔法使いも使うのが普通になってます。理由はどこでも売ってるしそこまで高くもないので入手難易度が低いこと、魔力消費がとても少ないこと、適性レベルの敵と戦う場合には、強化された肉体での回避行動がとても有効になること、本来致命傷になる傷を受けても一発くらいなら何とか耐えられることもあったり、あとは逃げる時に役に立つからですね。高レベルになっても腐らないですしね」


鈴木は異世界部の活動で調べた情報を話した。


「もちろん筋肉を使う職であれば、直接攻撃力も上がります」


これには前衛だけでなく弓師や投擲手なんかも含まれる。


町田美樹はうんうんとうなずいていた。



「武器硬化の魔法は、同じく入手難易度の低さと、魔力消費がとても少なくて、攻撃力も上がるし、武器破壊を狙われても簡単には壊れなくなるメリットもあります」


「あとはどちらも、魔法適性が低くても熟練によって役には立つからかな」


鈴木は説明を終えた。店員は私が説明する出番がないなという顔をしていた。


「おーすごい、すごい」

町田美樹は手を大きくたたいて拍手した。


「冒険初心者のためのホームページに書いてあったのと同じ答えだ」

と関口かおりは言った。


「それです、ネットで調べたんで、それで合ってます」

鈴木は関口かおりの言ったホームページに書いてあったことをあかした。


「鈴木君も初心者用のホームページとかって見るんだね」

と幡ゆり子は言った。


「まだ初心者ですので」

鈴木は素直に答えた。


「へーそうなんだ。意外っ」

と町田美樹は少し驚いたようだ。


「だよね」


「うん」


幡ゆり子と関口かおりも意外だと思った。


「こないだのイベントで優勝するほどの実力者ですから、てっきり上級冒険者かと思いましたわよ」

ドミールはそう言った。



「いえ、まだ冒険者になってそんなに経ってないです」



「へー、そうなんだ」

町田美樹だ。


「鈴木君ってレベルいくつ?」

幡ゆり子は好奇心で聞いた。


「16です」


「たしかに初心者ですね」

関口かおりが言った。


「30レベルまでは初心者ってネットに書いてあったもんね」

町田美樹は思い出すように言った。


店員は話に入れずに、スクロールを持って待っていた。鈴木はそれに気がつくと声をかけた。


「えっと、すみまんせん。スクロールください」


「合計で13万円です」


鈴木は1万円札を13枚出した。鈴木はそんな高い買い物をしたことがなかったのでちょっと緊張した。


渡されたスクロールを読んで鈴木は魔法が使えるようになったか確かめた。


「肉体強化」


魔法の光が鈴木を包んだ。どうやら成功のようだ。


鈴木は自分のナイフを取り出して武器硬化の魔法をかけてみた。なお冒険者登録をすると、武器の所持、持ち歩きが許可されるので、鈴木は銃刀法違反にはならないので安心です。


「武器硬化」


今度は魔法の光で武器が光った。こちらも成功のようだ。


「うまくいったみたいです」

鈴木は店員にそう言った。


「やったね」

と町田美樹。なんかこの子は距離感が近いな。まだ初対面なのに、自分のことのように喜んでいる。


鈴木は町田美樹のことをどことなく異世界部の佐藤に似ているなと思った。

でもよく考えると似てないかも、顔とか。


「皆さんは何を買いに来たんですか?」

今度は鈴木が皆に質問した。


「わたくしは初級の火の魔法でしてよ…ダメでしたけど」

ドミールは残念そうに言った。


「私達が買いに来たのは、パーティーメンバーの居場所がわかる魔法と、お話ができる魔法です」

と関口かおりは説明した。こういった魔法のスクロールは初心者用より少しグレードが高いのでネオ人材派遣会社田中マックスには置いていなかった。


「他は毒消しとかアクセサリーとか」

と幡ゆり子がいった。


「あとはウインドウショッピング!」

町田美樹は元気よく言った。


「ということでそういう魔法はありますか?」

町田美樹は急に店員の方を向いて品物を求めた。


「ございます」

店員はすかさずそのような魔法のスクロールをカウンターテーブルの上に置いた。店員はノリがよかった。


「こちらにありますのが、パーティーメンバーの居場所がわかる魔法書、居場所確認のスクロールです。そしてこちらのがパーティーメンバーとお話ができる魔法書、お話しのスクロールです」


「両方とも3個ずつくださいな」

と町田美樹はウキウキして言った。


「居場所確認のスクロールの方はお一つ25万円です。お話しのスクロールはおひとつ13万円です。合計で114万円です」

店員は値段を掲示した。


「わっかりましたー」

町田美樹は元気よく現代型の携帯電話を取り出して、デジタルな支払いを済ませた。

「三人分まとめて支払いでお願いします」

と幡ゆり子が言った。


会社から渡されている現代型の携帯電話での支払いは、会社の経理の人が経費になるかならないかとか面倒なことは全部やってくれる便利な支払い装置なのだ。


「本日はポイント3倍です」

と店員が言った。


今どきの魔法ショップは電子マネーが使えるのか。進んでるな。とドミールは思った。そして、三人分とはいえ、結構な高額だなと思った。


冒険者として腕前を上げればこれくらい簡単に支払えるようになるのだろうか?


頑張らねば。


Rin・Feeの三人はそれぞれ魔法のスクロールを読んで魔法を習得した。


「居場所確認」

関口かおりがそう言うと、関口かおりの目の前30cmほどの場所に半透明の地図が浮かび上がり、そこには他の二人の場所が光って示されていた。


「できた。本当にわかるんだね」と関口かおりは言った。


「私もやってみよう、居場所確認」 「居場所確認」

町田美樹と幡ゆり子も魔法を発動させてお互いの場所を確認して遊んだ。


「次はお話しの魔法だね。私からやってみるね」と幡ゆり子は言った


「じゃあ、まず私に話かけてみて」と関口かおりが言った。


「お話しの魔法」

幡ゆり子はお話しの魔法を発動させた。


((もしもーし、聞こえますか))



「お話の魔法」

関口かおりもお話の魔法を発動させた。


((聞こえるよ、ゆりちゃん))

「すごい聞こえた」



私も私もと町田美樹もお話しの魔法を使って。三人は会話を始めた。


((聞こえますか? あーあー))と町田美樹


((聞こえるよ))と関口かおり


((私も聞こえるよ))と幡ゆり子


「ほんとに聞こえたね、これが念話ってやつなのかな?」と町田美樹は声に出して言った。


((ううん、テレパシーだよ))と関口かおり


((いやいや、サイ〇ミュだよ、新型だよ))と幡ゆり子


((マミチキください!!))と関口かおり


((こいつ脳内に直接話かけてくる!!))と町田美樹


アハハと三人が笑った。横で見ている鈴木とドミールとついでに店員は話が分からなかったが、なんか楽しそうだなということだけわかった。


「魔法屋での買い物は終わりだね」

と幡ゆり子


「よかったら今日は一緒にショッピングして回りませんか?」

と町田美樹は楽しそうに言った。人懐っこいタイプだ。


「いいよね、ゆりちゃん、かおりちゃん」


幡ゆり子と関口かおりは、いいよとうなずいた。



「よろしいですわよ」とドミールは言った。


「いいですけど、いいんですか?」と鈴木


「いいのいいのー」と町田美樹


こうして5人は一緒にショッピングをすることになった。


ドミールは後学のために冒険者たちがどんなものを買うのかを知っておきたいという気持ちがあった。


魔法屋を出る時ドミールは自分が使った魔法のスクロールの代金について、お店の人がいいですと言っているのに、頑なに払うといって聞かず、結局お店の人はとても申し訳なさそうにドミールからお金を受け取っていた。炎のスクロール2枚で6万円だ。


5人はアクセサリー屋さんにやって来た。


「あった、あった。ここだ」

と町田美樹は店の手前5歩のところから加速して店の中に1番乗りをした。


「アクセサリー屋さんだね。きれー」

と幡ゆり子が言った。


ここは冒険者用のアクセサリーを多数取り扱う店、商品もピンからキリまで様々。

周りに置てあるアクセサリーの他に、ショウケースに入ったいかにも高そうなアクセサリーが光っている。


「いらっしゃいませ」


ワイシャツに袖の無い黒いベストを着てネクタイをしたおしゃれな30歳の男の店員が丁寧にあいさつをした。


鈴木は店の高級な雰囲気に気後れした。


「こんにちは、私達冒険者なんです」と町田美樹。


「今日は毒耐性のアクセサリーと麻痺耐性のアクセサリーと臭い耐性のアクセサリー、血避けのアクセサリーを探しています」


町田美樹は一気に言った。


「血避けとは珍しい…他は…冒険初心者さんでしょうか?」

店員は少し考え込んだ後、初心者であることを見破った。なぜなら冒険中級者以上になれば毒耐性のアクセサリーも麻痺耐性のアクセサリーも持っていて当然なので普通はまず買いに来ないからだ。


「お探しのアクセサリーは人数分ですか?」

店員は聞いた。


「いえ、私達3人分です」

と幡ゆり子は言いながら他のRin・Feeのメンバーの手首をつかんで前に出た。


「毒耐性と麻痺耐性のは俺も」

と鈴木は後ろから声をかけた。


「かしこまりました。後ろのお客様は?」

店員は後ろにいたドミールについて聞いた。


「わたくしは毒耐性のアクセサリーを探していますの」


「かしこまりました。ではまず毒耐性のアクセサリーをいくつかご用意いたします。ちなみにご予算は?」


「できるだけお安いのをお願いしますわ」

ドミールがそう言うと店員はそのようにと言ってショーケースに入っていないアクセサリーをいくつか持ってきた。


「これがまず初心者におすすめの毒耐性アクセサリーでございます。指輪型、腕輪型、ネックレス型がございます。ほとんどの毒を無効化できますが例外もあります。お値段はどれも5千円です」


店員は地味なアクセサリーを持ってきた。


「ほとんどっていうのは?」

関口かおりは不安に思って聞いた。


「特殊な毒の場合には無効化できないこともあります。初心者の頃はまず関係ありませんが、中級から上級者になると、たまに特殊な毒を使ってくるモンスターと出会うことがあるかもしれません」


なるほどと皆は首を振った。


「そういう場合にはどうすればいいんですか?」

と町田美樹が聞いた。


「アイテムの毒消しを使えば毒は消せませす。アクセサリーで防ごうと思ったら、もっとグレードの高いアクセサリーをお使いいただければ防ぐことができます」


「見せてもらえますか?」

と幡ゆり子が言った。


「こちらでございます」

店員は別のアクセサリーを持ってきた。先ほどのアクセサリーよりは宝石のイミテーションがついている分だけ派手なものだ。


「これらも指輪型、腕輪型、ネックレス型でございます。お値段はどれも5万円でございます」


「毒を完全に防げるのに5万円? 安いですね」

と町田美樹は言った。


「毒耐性アクセサリーは生産が楽で沢山作られていますし、初心者の冒険者もほぼ買う物なので需要もあるんです」


「指輪と腕輪とネックレス型かぁ、どれにしよう」

と幡ゆり子が言った。


「他の形のってないですか?」

と町田美樹が聞いた。


「ございますよ。こちらです」


店員はショーケースを開けてアクセサリーを持ってきた。皆がいる前のショーケースの上に布を敷いてアクセサリーを置いた。


「イヤリング型、ピアス型、髪留め型、アンクレット型 付け爪型。メガネ型、ベルト型がございます」


店員は一つずつ丁寧に置いていった。


「お値段は?」

ドミールが聞いた。


「こちらの物は13~20万円です。お一つずつお値段をお教えしましょうか?」


「13~20なら買えるね、美樹ちゃんどうしよう値段も細かく聞いておく?」

と関口かおりは町田美樹に近づいてややヒソヒソ話風に聞いた。


「聞かなくっても大丈夫かな」

町田美樹は自信ありげに答えた。


売れっ子アイドルのRin・Feeにとってはその値段は誤差でしかない。


「他のもありますか?」


と幡ゆり子が聞いた。


「ございますよ」

店員はショーケースからさらにいくつかのアクセサリーを持ってきた。


それらはイミテーションではない本物の宝石がついていた。


「こちらの物ですと少々お値段がお高くなります」


店員が一つずつ丁寧に布の上に並べたアクセサリーはどれもきらびやかだ。


「いくらですか?」

と町田美樹が聞いた。



「こちらの物ですと45万円です。こちらの物ですと120万円です。この二つは毒耐性のみの物です。こちらの物は毒耐性の他に麻痺耐性と呪い耐性もついて135万円です。こちらの腕輪は9つの宝石をつけることができます。宝石を一つごとに耐性や加護を一つずつつけることができます。こちらは最初の腕輪だけで320万円と毒耐性の宝石もつけるならさらに40万円かかります」


複合アクセサリーは便利ではあるが、初心者が行ける狩場では呪い耐性は必要ない。

そして麻痺耐性のアクセサリーは結構安く売っている。


この辺のアクセサリーは、本当にアクセサリーとして宝石自体の価値があるものだった。



「他にもありますか?」

関口かおりが聞いた。


「ございます。他はお手頃価格の物です」


店員は店の端の方にあった籠からいくつかのアクセサリーを持ってきた。それはもう子供のおもちゃという感じのチャチなおもちゃだった。


「こちらの物ですと特殊ではない毒耐性が90%ですが、初心者の方なら問題ないと思います」


「いくらですの?」

ドミールが聞いた。


「こちらはお一つ500円です。冒険者ギルドなどで売っている者と同じですが、そちらで買うと15~1600円ほどしますね」


「なるほどー」

と町田美樹。


「どうする美樹ちゃん、ゆりちゃん」

と関口かおり。


「お金はどれでも足りるよ…」


三人は顔を付け合わせて相談をした。


鈴木はすでに買う品物を決めていた。


ドミールも買う物を決めたようだ。


そしてRin・Feeも買うべきアクセサリーを決めた。


「決まりました」

Rin・Feeの決断は?


「5万円のヤツにします」

と町田美樹。


「指輪の3つください」

と幡ゆり子」


「俺は5千円の指輪を」


「わたくしは500円の2つですわ」


「かしこまりました」


毒耐性のアクセサリーにそこまで大金は出せないというのが全員の一致した意見だった。


5人はそれぞれ毒耐性アクセサリーと同じグレードの麻痺耐性アクセサリーも追加した。

ドミールは当初麻痺耐性のアクセサリーを買う予定はなかったが安いので買うことにした。これも初心者の必需品なので悪くない買い物だ。


店員は高級なアクセサリーたちをショーケースの中へと戻した。


「あとは臭い耐性と血避けのアクセサリーだね」

と幡ゆり子が言った。


「アイドルだもんね」

と町田美樹。


「臭い耐性と血避けのアクセサリーは派遣会社には置いてなかったもんね」

と関口かおり


「こちらでございます」


店員はすかさず、それらのアクセサリーを持ってきた。


「臭い耐性のアクセサリーは冒険者の中でも特に女性の方に人気です」


臭い耐性のアクセサリーは、冒険者には必須の毒耐性や麻痺耐性のアクセサリーと違って使う人しか使わないので需要が少ないので供給も多くはない。なのでお値段は少し高め。


血避けのアクセサリーなどは需要がさらに少ないので当然供給量ももっと少ない。なのでお値段はさらに高い。


「臭い耐性のアクセサリーは、臭い90%減の1万2000円の物、指輪型、ネックレス型、腕輪型の三種と、臭い完全無効化の物17万円の物三種がございます。他にももっと高価な宝石をあしらったものがありますが、防臭効果は17万円の物と同じです」


「17万円のをお願いします。指輪型のでお願いします」

と関口かおりが言った。


「私も同じので」と幡ゆり子


「私も」と町田美樹だ。


店員は17万円の臭い完全無効化の指輪を三個用意した。


「血避けのアクセサリーはこちらにあるものだけでございます」


店員が持ってきたのはネックレス型のアクセサリー3つだった。


値札には32万円と書いてあった。


「買います」

町田美樹は即決した。


「私も」 「私も」


関口かおりと幡ゆり子もそれに続いた。


「お買い上げありがとうございます」


鈴木とドミールは現金で、町田美樹は3人分の支払いを現代型の携帯電話を使ってデジタルで支払った。


5人は商品を受け取ると話をしながら店を出た。


Rin・Feeのメンバーが今日買う物はこれで全部だ。アクセサリーが壊れた時のために毒消しは持っておくべきだが、今持っている分で当分足りるねという話になって、毒消しは買わないことにした。


他にもアクセサリー屋にはステータスアップのアクセサリーや、特殊な加護のかかったアクセサリーなんかもたくさんあったが、どれも初心者に手の出る金額の物ではなかった。


アクセサリーは高級なものは天井が無い。いくらでも高級なアクセサリーは存在するのだ。家一軒買うより高いアクセサリーが世の中にはたくさん存在するのだ





「次はどこへ行くの?」

と町田美樹が聞いた。


「わたくしは、買い物は終わりましたので、あとは見て回るだけですわ」

とドミールが言った。


「私たちも見て回るだけ」

と幡ゆり子が言った。


「鈴木君は?」

関口かおりが聞いた。


「あとは武器屋と防具やに行きます」

鈴木は緊張して答えた。


「そう言えば鈴木君って何歳? 多分私たちと同じくらいだよね」

町田美樹は話題を変えた。


「16です」


「そうなんだー、私もじゅうろくー、同級生だね。ゆりちゃんも同じ学年だよ」

町田美樹はそう話した。


「そうなんですね」

鈴木はどのように答えていいかわからずに相槌を打った。


「かおりちゃんだけ一個上の学年だよ」

と町田美樹が言った。


「そうなんだよー、私も二人と同じクラスになりたい」

と関口かおりが言った。


「じゃあ、なっちゃおうよ。かおりちゃんも、鈴木君も同じクラスだね」

と町田美樹


「ドミールさんはどうするの?」

と幡ゆり子


「ドミールさんも同じクラス。ていうかむしろ先生? みたいな?」

町田美樹ははしゃいでいる。


「それは楽しそうでいいですわね」

とドミールも乗って来た。


「だよねー」


「だよね、だよねー」


町田美樹と幡ゆり子も楽しそうに話している。


「でも、そもそも鈴木君は学校が違うよ」

と関口かおりが言うと町田美樹と幡ゆり子はそうだねー、ハハハと笑った。


鈴木はいまいち話に乗れず、まぁまぁ気まずい思いをしていた。

そもそもRin・Feeと同じクラスなんて、クラス中の生徒がはしゃいで大騒ぎするのではないだろうかと、鈴木は思った。




「あった防具屋だよ」

関口かおりが言った。


「ここですのね」

ドミールは物珍しそうに店内に入って行った。


店の中には様々な鎧や服や靴、マントや盾なんかも置いてあった。


「いらっしゃい」

筋肉質でタンクトップのハゲた頭でいかつい顔の腕毛がもさもさの男性店員が奥から出てきた。


鈴木の予算は330万円から14万円使って残り316万円だ。


鈴木は当初、武器で200万前後、防具で100万円前後残りは消耗品でも買おうかと考えていた。


初心者用の武器屋防具はどうせすぐに買いかえるので、思い切って中級者用の装備を買ってしまおうと思っていたのだが


中古品 宵闇の衣 400万円 という文字に斜線が入れられ 宵闇の衣 セール300万円 現品限り と書かれていたのだ。


「これは…」

と鈴木は苦悩した。


宵闇の衣は中級者装備でありながら、使いようによっては上級者でも使える装備で、コストパフォーマンス重視の人間にとても人気のあるものだ。


今ここで宵闇の衣を買えば一気に上級者装備を手に入れれるようなものだ。強くなるのは間違いがない。しかしそうすると買う予定だった武器が買えなくなる。


代わりに買う武器のグレードは間違いなく中級者用ではなく初心者用になるだろう。


さらに鈴木を悩ませるのは、現品限りという文字だ。 冒険者は武器屋防具を買い替えることはまぁまぁあるのだが、上級者でも使える装備を売る人間はめったにいない。


おそらくこれを逃せばなかなか出回らないだろう。新品であれば1000万、いや1200万は超える。


今の鈴木は暇な日にゴブリンなどの弱いモンスターを倒して1日1万円行くか行かないかだ。簡単に稼げる金額ではない。


こないだのイベントで優勝できたのも運がよかったからだ。そう何度も大金を稼げるとは思わない。


「どうしましたの?」

鈴木の様子を見てドミールは質問した。


「この宵闇の衣が安売りされているんです」

鈴木は苦悶しながら答えた。


「鈴木君これを買うの?」と関口かおり


「正直迷ってます」


うーん、うん、うーん


ドミールにとっては一見ボロそうな服というか布? がそんなに高価なんて信じられない。


ドミールの金銭感覚はまだ冒険者の物とは違っていた。


「そんなにすごい物なんですか」

と幡ゆり子が聞いた。


「中級者装備の上の方か上級者装備の中では入門用かってところです。これがあれば初級はもちろん中級くらいまでならほとんど、上級になっても感知系スキルや魔法の無いモンスターには、ものすごく気付かれにくくなるんです」


町田美樹は首を傾げた。ドミールも首を傾げた。


「ステルス的な?」

関口かおりが言った。


「そんなようなもんです。防御力や魔法防御も、初心者用の装備よりもはるかに高いですしね。素早さにもかなりの補正がかかるんですよ」

鈴木は興奮気味に話した。


「でも300万かぁー、うーん。攻撃力も欲しいしなぁ」


「どうするんだい? 兄ちゃん」

防具屋の店員は渋い声で聞いてきた。


「おじさんこれしばらく売らないでもらえます?」

鈴木は一応聞いてみた。


「そりゃあ、客次第だな。買いたいって客が来れば当然売る。兄ちゃんだって必ず買うとは限らねえだろう?」

店員は目をピクリとさせながら落ち着いて言った。ごもっともな意見だった。


「じゃあこれ」


鈴木は300万円を取り出した。


「何だい買うのかい?」



「まだです。手付金ってことでしばらく売らないでください。やっぱり買わないとなったら返してください」

と鈴木は願い出た。


「まぁいいだろう。本当に金を持ってるってことならこちらが損するわけじゃねえしな。しばらく待ってやる。今日の閉店までだ」


「わかりました」


「どうするの鈴木君」

幡ゆり子は心配そうに聞いた。


他の面々もどうするのかが気になっていた。


「武器屋に行きます。いい装備があるかもしれない。一回現場を離れて冷静になることも必要だと思うんです」


「行きましょう」


一行は武器屋へと向かった。




「鈴木君はどんな武器を使うの?」と町田美樹


「短剣か長剣の二刀流にしようと思ってます」

鈴木は早歩きで答えた。


皆も早歩きで後を追った。


「へー鈴木君二刀流できるんだ? すごいね」

と幡ゆり子


「まだなんですけどね」

と鈴木は答えた。




武器屋にやってきた。


鈴木は店に入って驚愕した。


何と武器屋の方もセール品があった。


中古 七星黒剣 400万の文字に斜線が入って セール300万円と書かれていた。


「うぉっ、こっちもだ」


「どうしましたの?」

とドミールが聞いた。


Rin・Feeの三人は横から鈴木の顔を覗き込んだ。


「こっちもセール品がありまして、新品を買えば1200万くらいの剣が300万円で売ってるんです。中古ですけど。ステータス補正とかもかなりの物なんです」

これはもはや二刀流とか言ってる場合ではない。1本だけでも確保しなくては。



「お買い得だね、すぐに買わなきゃ」

と町田美樹はちょっとふざけて言った。


「お客さん、買い逃すと次は無いですよ」

と幡ゆり子は鈴木に迫った。


「そうですよ、お客さん」

と関口かおりも鈴木に迫った。


「そうなんですけど、そうなんですけどー」

鈴木は混乱した。混乱対策のアクセサリーも今度必要なようだ。


「あ~ら、いらっしゃい」


ガタイがいい、妙におかまっぽい黄色い髪でモジャモジャヘアーでキラキラの紫色のワンピースを着た42歳くらいに見える店員が鈴木に声をかけた。


「坊やその剣が欲し~の?」


「欲しいことは欲しいです」

鈴木は素直に答えた。


「お金さえあれば売ってあげるわよ~」

店員はカウンターテーブルに両肘をついてもたれかかった。


「お金は…」

鈴木は言葉に詰まった。


「あ~ら。坊やお金がないわけ~?」


「あるにはあります。どっちかなら」


「どっちかって~?」


「防具屋でもすっごいセール品があるんですよー」

と町田美樹が会話に割って入った。



「あ~らお嬢ちゃんたちRin・Feeじゃない。本物かしら~?」


「ふふ、なんと本物ですよおじさん」

と町田美樹。


「おじさんじゃないわよ、オネエさんって呼んでちょうだい」

と店員が言った。


「わかりました、おネエさん」

と町田美樹


「おネエさん」

と関口かおり


「おネエさん」

と幡ゆり子


「ほら鈴木君もお姉さんって呼ばないと」

と町田美樹は言った。


「お、オネエさん?」

と鈴木も一応言った。


「これがお姉さんですの?」

とドミール。


「あ~ら失礼しちゃうわね。オネエサンたらオネエサンよ」


「わかりましたわ」


「そんなことより、あんたたち、防具屋のセール品が気になるわけ?」


「はい気になってます」

と鈴木は答えた。


「あそこはうちの商売がたきよ、お客さんの予算には限りがあるでしょ~。いつもお客さんを取り合っているのよ」


「どっちで買ってもいいけど、こっちで買えば少しはおまけをつけてあげるわよ。それにこれほどのセール品はめったに出ないわよ。よく考えることね」

と店員は言った。


「それとRin・Feeちゃんたち写真撮っていいかしら~?」


「いいですけど、おまけって何ですか?」

と町田美樹が言った。この子は臆するということがないのだろうか?


「そうね~かわいこちゃんたちに私がキスしてあげるわよ」

そのおまけは鈴木は全くうれしくなかった。


店員は現代型の携帯電話を取り出して、自撮りの位置にRin・Feeを招いた。


「いえ~い」と店員はポーズをとった。


パシャパシャパシャ

イエーイとRin・Feeもポーズをとった。


ドミールは壁に飾られていた様々な武器を眺めていた。自分に使えそうなものはないだろうかと考えていた。

武器の中には調理器具を模したものもあり、いっそ料理人にでもなろうかと考えた。


鈴木は迷いに迷った末についに心を決めた。


「決めました」


「どっちにしたの鈴木君?」


「どっち?」


「どっちなの?」


町田美樹幡ゆり子関口かおりが次々と圧をかけてきた。



「それは…」


「それは?」

Rin・Feeの三人の声はそろっていた。



「宵闇の衣です」

意を決して鈴木は声に出した。


「なんでそっちを選んだの鈴木君」


「すごく迷ったんだけど、冒険者は生存優先ですし、隠密があれば雑魚モンスターとは戦えるので、今すぐ攻撃力が必要というわけでもないので」


「あら~、イケてないわね~。さっさと向こうへ行っちゃいなさい」

武器屋の店員はもうこの子たちには興味がないという風に言った。


「まだこっちで買う物があります」

と鈴木は言った。


「なあ~に、どうせお金もないんでしょう?」


「少しだけあります」


「16万円で、短剣2本ください」


「その金額じゃ初心者用のしか買えないわね。そこにあるから好きなのを2本持って行きなさい。それで15万円よ」

店員は店のかどの短剣コーナーの端っこを指さした。


鈴木はそこで諸刃で三角刃の短剣2本を選んで購入した。


「まいどあり~」

店員はやる気のない挨拶をした。


鈴木たちは武器屋を去って防具屋へと戻って来た。


「戻りました」

と鈴木


「戻りましたー」

と町田美樹とRin・Feeの他の二人も続いた。


「それでどうするのかは決まったのかい?」

防具屋の店員は渋い声で聞いてきた。



「宵闇の衣を買います。ください」


「あいよ! それじゃあ預かってる金はもらっていいんだな?」

店員は木の人形にかけてあった宵闇の衣を手に取ると鈴木に渡した。


「はい」

鈴木は迷いなく答えて宵闇の衣を受け取った。


「早速着てみようよ」

と町田美樹


「サイズが合わないといけませんわね」

とドミール


鈴木は宵闇の衣を装備した。


「うん、おしゃれだよ」

と幡ゆり子は言った。


「かっこいいよ」

と関口かおりが言った。


「ありがとう」

鈴木ははにかんだ。そして何よりも嬉しそうだった。


「サイズも大丈夫なようだな」と店員が言った。


「まいどありー!!」


5人は店を出た。この後道具屋に行ってポーションを買ったり、ショッピングセンターを歩いて見て回ったり食材を眺めたり一緒にクレープを食べたりした。



「今日は楽しかったねー」

と幡ゆり子。


「そうだねー。またご一緒したいねー」

と関口かおり


「またご一緒できるよ」

と町田美樹


「そうですわね」

とドミールが言った。


「鈴木君も強くなってよかったね」と関口かおり


「はい、よかったです」

と鈴木は答えた。




「今度一緒にパーティーを組みましょう」

と町田美樹は皆を誘った。


「ええ。よろしいですわ」


「機会があればぜひ」

と鈴木は答えたが


「機会があれば、じゃないよ機会を作るんだよ」

町田美樹は鈴木の言葉を訂正した。


「そうですね。よろしくお願いします」


「それじゃまたねー」


皆はまたねといってこの日は解散した。



今日買った物


鈴木

宵闇の衣 短剣2本 毒耐性の指輪 麻痺耐性の指輪

肉体強化の魔法 武器硬化の魔法 ポーション3つ 毒消し1つ チョコバナナクレープ



Rin・Fee 

位置確認の魔法 お話の魔法 毒耐性の指輪 麻痺耐性の指輪 臭い耐性の指輪 血避けのネックレス 各1

いちごクレープ

町田美樹

ツナクレープ

関口かおり

みかんクレープ

幡ゆり子


ドミール

無駄になった魔法のスクロール二つ

毒耐性の指輪 2個 麻痺耐性の指輪 2個

ブドウアイスクレープ


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