こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie

すずめのおやど

Immaculata Conceptio Beatae Virginis Mariae --救世主を産んだ女--

「幸せな子」を育てるのではなく、どんな境遇に置かれても「幸せになれる子」を育てたい。

Her Majesty the Empress Emerita Michiko.


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みなさま。

いきなりお聞きしますが、幸せですか。


あたしや娘どもの話をまとめてくれる天の声という存在いわく「今ご覧のこの文章をお読み頂いている時点で、このお話を読み始めようとする時間をお作り頂けたわけである。更には読み進む時間を融通頂く用意があるのだろう」と言っとりますが、大阪育ちの日本国籍ロシア人のあたしからするとですね。


「わざわざお時間をお作り頂きありがとうございます」

まずあたしにこれを言わせんかいと。


さらにわたくしジーナ・ワーズワース・タカギという汎銀河人類族連邦U G H政府職員、具体的には宙兵隊という軍隊の人間なのですが、特例で実家の運送屋の役員させてもらってます。つまり商いあきないという行為に携わらせて頂いております。

そういう「時は金なり」という考えを重視する世界の人種ですので、まずは時間という不可逆の資源をあたしの戯言や娘たち、そして私たちに関わる人々のお話を読み始めようかという投資の意志をお示し頂いた件についてお礼を言うべきでしょうが、と説教しておきましょう。


とりあえず、まずはありがとうございます。


そして、少しだけご注意をさせて頂きます。


幸せを受け止めるだけの度量…人としての許容能力がないと、大変ですよ…って。


とりあえずあたしは、この話が初めて公開された2021年からすると200年近く後の日本の大阪で育ちました。

みなさまのお住まいの…ま、この話を読まれている方、日本人もしくは日本人と同等の水準で日本語を理解しておられる方だって前提で、あたしもお話させて頂きましょう。


しかし、あたしが今いる地球の日本、みなさまのお住まいの地球が単に時間を進めて未来になった場所の日本なのかどうかは断言できないことをあらかじめご承知、お願いいたします。


そしてもっと厄介なことに、あたしは少しだけややこしい事に巻き込まれています。


具体的に申し上げますとですね。


まず、あたしの夫。

ハズです。旦那です。

これとの地球時間年齢差、15年はあります。そして今現在、あたしは地球時間年齢で3*歳相当です。

恒星間航行可能な航宙駆逐艦勤務に左遷されていた時期とか、航宙貨物船の雇われせんちょしていた際の年齢誤差とか色々ありましたが、一応は日本政府管理下の戸籍上の年齢は3*歳とされています。


…伏字の部分は秘匿させてください。どうせバレますけど隠させてくださいっ。


ですが、普通の方ならば、結婚当時の夫の年齢でまず、ちょっと待てと思われるでしょう。

実際に結婚式当日、しゅうとの悪ふざけで未成年略取誘拐容疑の逮捕状を用意されてパトカーの群れに追いかけられました。ええかげんにしてくれと叫びながら、夫の車をあたしが運転して、二人で必死に逃げましたよ。

だって捕まえたら本当に二人で何日か留置所に入ってもらうとか言われて地元の警察署長から逮捕状示されたりしたら、そりゃ逃げもしますわよ。

そして、その時のあたしのウェディングドレス…ちょっと特別仕様でして、スカート部を簡単な操作で着脱できる特注品でした。つまり…その…走って逃げる時はミニスカート姿になれるからと、着付けの際にその舅の同居女性のアグネス・オコーネルさん…後にアグネス・ワーズワースを名乗る方に説明されました。


つまり、夫の実父…悪ふざけとは言え、そういう事をしたり、あるいは人にやらせるだけの権力を持つ人物です。


ヘンリー・ワーズワースと言いまして、もと連邦政府直轄植民地だった惑星の独立運動を興した方の息子さんです。そして現在はそこの首相やってます。

ええ、あたしの亭主のクリス・ワーズワースはこのクソジジ…英国貴族の血筋が容貌体格言動行動全てによく出ている人物の実子、長男です。

なお、クリスの母親たるローズマリーさんは現在、この世におりません。この理由はおいおい本編でお話しさせて頂くか、別の登場人物の誰かが「必ず」話します。


そしてネオブリティッシュ略してNBを名乗っているこの惑星国家、地球からだいたい百光年離れてます。


で、先ほど申し上げました結婚式はNB本星でとりおこなっております。

そして我々夫婦のおうち、地球の日本国大阪市天王寺特別区の放射能除染再開発地に建つ在大阪英国領事館ビルの中にあります。


もう、これだけで色々ややこしい夫婦だな、と思われる事でしょう。

そして、あたしたちの時代の地球、皆様の時代から進む間に「なんかあったな」くらいはご想像頂けますよね?


ですが、もっとややこしい話がありますよ。

あたしたちには娘がいます。今、この話を開始させて頂く時点では1名です。

そして娘、確かに受胎はあたしの体内でしたが、最終的に出産したのは別の人物です。つまり母親は2名いることになります。


で、そのもう一人の母親が、ちょっと特殊能力持ちです。

そして、地球人に該当します。しますが…。


ええ、少なくとも純粋にあたしたちの地球の歴史上に存在した人間じゃないんです。

具体的には、聖院世界…そしてのちに痴女皇国世界という、合計三つの世界のうち二つに存在して、そこの地球全体の間接統治をやっていた女性が、あたしの不妊問題を解消した上で、娘を最終的に出産してくれました。


聖院金衣女聖クレーゼ・アクエリアスというのがその出産担当者です。


で、わたしたちの娘は金衣女聖の位と能力を引き継いだょぅι゛ょです。

名前は、その時にいる場所でマリアリーゼ・ワーズワースまたは高木まりあを使い分けさせています。あたしもクリスも周りのみんなもマリアまたはマリアちゃんって呼んでくれてますけどね。


ですが、このクレーゼさんという方の遺伝情報と能力も加算されて生まれた我が子は、その聖院世界に君臨する女官種という特殊能力持ちで性別が女性しかいない種族として生まれました。

そして、聖院の頂点に立つ運命を背負わされて世に出ました。

これは、出産担当のクレーゼさんからあらかじめお聞きしていましたので承知しています。そして舅も夫も承知の上での出産でした。


ただねぇ。

そのクレーゼさんって方のご職業に問題がありましてねぇ。


その聖院ってのがですねぇ。

本編に話を出しますけどね。

聖娼神殿なんですよ。


つまりおっきい建物いっこ、まるごと飛○新地。

そして娘のマリア、そこの頂点…一種の宗教施設のトップ確定。

これは逃げられないそうです。

というか娘の能力上、逃げられません。

地球で普通に育てられない事情があるのです。


具体的には体温が普通の人間よりちょっと高いです。

ですのでクレーゼさんからして全裸か、それに近い格好が標準です。

そして、クレーゼさんに何らかの能力があって、それはマリアが生まれた際に全て…能力どころか記憶や知識も含めて引き継がれてます。

つまり、うちの娘、出産直後からあたしたちと特殊な方法で会話が可能でした。

で、生まれたての0歳児が会話できるだけならまだしも、他に色々な事ができる子でした。


んで。


娘がそんなんですから、娘にその能力を受け継がせた母親のクレーゼさんも特殊能力持ちです。

ただねぇ…その能力を使えば使うほど身体の周りの空間に熱を放出されます。

そして、フルパワーで行使すると、周りに人は立てません。

立てないどころか可燃物は片端から発火します。

そう、身につけている衣類も燃えます。

ですから、普段から裸族に近いのです。


そして女官種って言いましたでしょう。

娘やその第二の母親の一族、ある種のランクはありますけど、基本的に体から発する熱が半端なく高い時がある特殊人種だって思ってください。それはもう、身にまとっている服の布面積とか素材で、そこの聖娼神殿に勤務している女官の階級が一発でわかるくらいの階級格差があります。


で、そんな人間がどうやって聖娼…言い方は悪いんですけど普通の男と売春なんて可能なのか、当然ながら疑問に思われますよね?


その問いにお答えする内容の一つとして、聖院というその神殿、あたしたち側の地球のインドネシア領ボルネオ島またはカリマンタン島とされる島の南側に建っています。

そしてその神殿の背後には石造りに見えるダムと、さらにビクトリア湖と大して変わらないおっきな湖が存在します。これはボルネオにはなくて聖院島と彼女たちが呼称する島に存在する湖ですよ。

そして、聖院湖という火口湖のような地形のおっきい湖の水源。


雨。


雨です。この島、ボルネオ同様かそれ以上に年間降水量が洒落にならない量です。

そう、聖院という聖娼神殿、そして痴女皇国世界というところではのちに痴女宮と言われる事になる建物は常時、水で冷却されています。


うん。

ツカミ、このくらいでとりあえずええんちゃうかな、天の声。


では本編に参りましょうか。

そそ、天の声は小説を世に発表する初作品がこれ…あたしたちのお話のようなのです。

ですから、この後に続く第一話以降の話全て、もしかすると内容をもう少し読みやすくするために書き換えるかも知れないと伝えて欲しいと言われました。

ですので、ある日内容が変わっていても怒らないで欲しいそうです。

すみませんがよろしくお願いします。


っていうかそういう話は自分が謝れよ。あたしにやらせんなよ…申し訳ありません。失礼をば。ほほほ。



…では、お楽しみくださいませ。

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