第15話 メンヘラ

「ぶ、ぷぷぷ」

大河は昨日の出来事を聞くと

笑いが抑えようにも抑えられない

笑笑

「だから合コンなんかヤメとけ

って言ったろう。

悪い事は出来ないんだよ!」


「・・・」


「で、ハチ合わせた茉穂ちゃん

にはなんて弁解した?」

大河は俺にグイグイと聞いて来るが

本当の事しか言えない。


渋々小さな声で

「ハチ合わせって・・・

いや、逃げられて

何も言えなかった…」

泰真は少し気まずそうに答える。


すかさず大河はつつこんで

「いや待て、その前にお前さぁ

飲みに連れ出した子とホテルでも

行こうって考えてた?」


「いや連れ出したんじゃない

連れだされたんだ!!」



「一緒だ、ホテル行こうとか

考えてたよな?」



「・・・分からん、デモ

成り行きで、飲んでたから

そうなったかも

ワンナイトラブって奴?」



「はぁー・・・女の恐ろしさを

知らんのか?

大手企業の専務、時期社長、

悔しいがオレと並ぶイケメン

そんな美味しい餌に食いついたら

婚活中の女の子が放って置くわけない、お前甘い!

妊娠したって言われて週刊誌に

話すとか脅されてみろ

会社のイメージが・・・」




「考え過ぎだろ笑」

今度は泰真が苦笑い



「相手は26だろ

遊びな訳無いだろ!

考えろ、もう彼女の方は

結婚一択!」

目を釣り上げて大河は怒る

もう遊ぶ歳は過ぎたと口煩く言うからつい言い返したくもなる。


「お前も同級生だし!!独身やん」

不貞腐れて泰真が言うと


大河はちょっと照れ臭そうに言う。

「俺、目つけてる子いるし

キメようと思ってる。」


「(⊙⊙)!!は?」

泰真はビックリ大河にそんな女性が

いたとは、毎日一緒にいるのに

気付かなかった。


「誰だよ!」

呆けた顔をして泰真は聞く。


スーッと鼻で息をして

「だれだろうなぁ

当てるまでのお楽しみ」

そう言って大河は話をにごす。



.。oOハハーンまだ告ってないんだー

大河は自信のない時は何時も

  当ててみろが口癖



「そうか!頑張れヨ」

俺は深く聞かず仕事を始めた。



携帯が又鳴る。

出ないとLIN〇の通知が

ひっきりなしに来るようになった。


何回かめの電話に出ると

合コンの、あの彼女から食事

の誘いだ。

大河の言う通り真面目に婚活だったのだろう。


「ああ、ゴメン仕事が

山積みで無理だなぁ」


「じゃあ、次の週は?」


「いやぁ約束できないかなあ

まだ仕事の様子が分からないから」


のらりくらりと誘いを断る。


イライラ💢しているのか急に喚きだした。

「あのぉ💢、泰真さん私の彼

でしょう!もう会ってあげないから

いいの?」

何だか呆れたように聞いてくる。


「はぁ!俺が君の彼?

なんの話?」

寝耳に水な発言に泰真はビックリ‼️


彼女は一瞬静かになって

「えっ、そう言う約束

しましたよね。

私を気に入って別飲みに

連れ出したのでしょう?

気にいったって・・」




「・・・・・?」


どこをどうしたらそう言う転回に

なるのサ、俺は???

出来るだけ丁寧に誤解を解く

言い回しをした。


「あ、違うよ君のカン違い

酒入ってたし、気を持たせたなら

悪かった俺、君の名前すら

知らないし、飲んだのも

あの日だけだし、そうだろ!

LIN〇登録も友達が勝手にしたし

ホント、酒の上の話だから

本気にしないでくれないか?」



「酷い、私をもてあそんだの?」

彼女は静かに言った。


「いや、そんなつもりは・・

デートもしてないし、好きとも

思ってないよ、正直顔も覚えて

いない。」



「嘘でしょ

私怒ってないし大丈夫よ。

強く言い過ぎました、ごめんなさい

だから嘘は良くないわ。」



「いや、だから・・違うって」



「分かった、分かりました。

今日仲直りしましょう

だから私の会社迄、迎えに来てくれたら貴方の嘘も許してあげる。」



「フー

違う、本気で君を知らない

だから、迎えにも行かないし

仲直りの意味が分からない!」


「・・・」


「私・・あなたが欲しいの

大好きなの、父にも相談して

あなたとの交際を許して

もらったのに・・だから

私にして!!」


はあぃぃぃぃ

「なんでそんな急な事に

会ったのあの日だけで、

まだデートすらしてないよな!」


俺の荒らげた声にさっきから聞いていた大河は携帯に手を伸ばしてきた。


「かせ、泰真、挑発するな!」

大河は電話をぶんどり

「いや、あんまり変な事

言うからさ」

泰真は訳分からない彼女に降参


そんな俺の気持ちをわかってか

大河は彼女に向かって冷静沈着に

言った。

「失礼ですが

こちらにはそんな話はありませんよ

話を勝手に進められては

こまります。


拗れるなら

第三者を入れてお話しましょう

あなたのお時間に合わせます

いつがよろしいでしょうか?」


「第三者って・・」

彼女はポッリと言った。


「もちろん弁護士です。

あなたの言い分も聞きますよ

お互い納得行かないのなら

裁判しましょう。

もちろんそちらも弁護士をたてて

もらって結構です。

しかし

そうなった場合、あなたの勤め先と

あなたの御両親にも、あなたのカンちがいなお話は行くと思いますがご了承ください。ご両親にも納得頂けるようにご説明いたします。

弁護士は私、羽鳥大河がうかがいます。これから先は、彼にではなく

私に連絡下さい、電話番号は・・」

と大河が言うと


「プープープー」

と彼女は電話を切った。



大河は泰真に向かい

「ヤレヤレこれに懲りて

アチコチ手を出すな!」


泰真は初めての事にハアーと胸を

撫で下ろした。

メンヘラ的な女の異常な造愛に

ビビった。

あんなんならキーキー

煩い茉穂の方が何倍も愛らしい。



そう愛らしい!!


「ふう〜」





「たまには帰って来なさい

パパも外国へ行ったから

1ヶ月は帰らないわよ。」


久しぶりな母、結莉乃からの電話


「今日はすき焼きにするから」


「すっスキヤキーヤッター」

そんな電話を直ぐ切って残業にならないように昼休みも返上でテキパキ

テキパキ仕事をこなす。


のお陰か定時にあがれた。


「茉穂、」

その声にちょうど会社から出ようと

していた俺は振り返る。


「あー早かったね。」

黒塗りの高級車が茉穂の前で止まった。

茉穂は親しげに男へと駆け寄り

迷うことなく・・・

車に近寄った・・・


泰真は、かなりなショック!!

ガ━━(꒪д꒪II━━ン!!


「今日は泊まろうかなぁ」

茉穂は勿体つけたように男に

思わせぶりな態度をして見せる!


「勿論泊まれよ」


そんな会話を聞いて俺はブチギレ

金持ちそうな男は茉穂と楽しげに

話ている。



ツカツカツカツカ

「おい、待て!」

泰真を見て茉穂はビックリ‼️


「誰だお前」

男もムカついたのか睨みつけながら

車を降りた。


「ああ~💢

お前こそ誰だよ!」

泰真は茉穂の手を引っ張り背中に

茉穂を隠した。


「なんのつもりだ?」

コッチこい茉穂!」

そう言うと男は泰真の後ろにいる茉穂の手を掴み引っ張った。


「コッチ来い・・何がしたい?」

泰真が又茉穂の手を掴み背中に隠す今度は隙を作らないように

茉穂の手をガシツと掴んだまま

男に詰め寄ると男はあろう事か

「俺の家に連れて帰るつもりだ!」

悪びれもせずそう言った。


泰真は茉穂を見て

「行きたいのか?」

と茉穂に聞いてきた。


「スキヤキが・・・待ってるし」


「は?スキヤキ?

スキヤキなら俺が腹いっぱい

食わせてやるから行くな!」



「え、ホント?でも待って

くれてるし・・・」



「行くな」

泰真は茉穂の目を見て呟いた。


茉穂はまだ迷っていた。


「行くなら俺とは終わりだ!」


茉穂はキョトンとして

「ん?何も始まってなくない?」


泰真は茉穂を熱い目で見た。


「俺達はずーっと前から付き合っている。それは確かだ!」


泰真は茉穂の腕と自分の腕を合わせ

「ほら見ろ腕を合わせたらハートの

輪っかが出来るだろう。

俺らは運命の出会いなんだ コイツ

が入り込む隙なんか無い‼️」


泰真は男を指さし笑った。


「馬鹿メお前に勝ち目は無い!」

ドカーンと威張って泰真は胸張って言った。


茉穂は

「えっとー、泰真誤解して

「茉穂、この男はお前のなんだ?」」

背の高いイケメンは探る様に聞いてきた。


「彼氏だ💢💢」

泰真は一歩前に出て又グイグイと胸を突き出した。


「は?彼氏」

迎えに来た兄、宗次郎は呆れた声を

出した。


「俺は聞いてない!「お兄」シッ☝」

宗次郎は茉穂を黙らせた。


「ふーん

茉穂は可愛いよな、お前もそうおもってるのか?」

宗次郎は泰真に顔を近ずけて挑発!



茉穂の事を呼び捨てにした事に泰真は💢ムカッ


「当たり前だ!茉穂は譲らない

からな、どんな手を使っても

お前を潰す。」

刺すような目を宗次郎に向ける。





「ふーん、おもしれえな!!

茉穂はどうする❓」

泰真の怒りはピーク


「だから💢

呼び捨てするなってんだろうが💢」


愛おしそうな目を茉穂に向ける宗次郎に、泰真は益々不機嫌な様子で

怒りを爆発させたような

怒号を浴びせた。


まるで公園でナワバリ争いしている

野良猫のようにもみえる。

毛を逆立てながら今にも飛びかかり

そうなメンチ切ってる雰囲気の泰真!

と宗次郎


「そうまで言うなら茉穂

どうする?俺と行くか

コイツと残るか、茉穂が決めろ」


茉穂は戸惑って宗次郎(スキヤキ)を見る。

そして泰真を見る。


宗次郎は何をしたいのか?ハッキリ

兄だと名乗ればいいものを・・・


とりあえず

「今日はスキヤキ食べたいの

ゴメン泰真、お腹ペコペコ」


「だから俺が連れて行くって

言ってるだろうが💢💢」

かなり怒り気味に泰真が怒鳴る!


「えっ、でも高━━━━いお肉が

食べたいんだもん。

久しぶりなんだし何時も380円の

細切れ肉しか食べてないし

それも半分しか食えないし

スキヤキ専門店の上肉食べたいもん。

だから行くねゴメンね泰真」



はぁぁぁ ムッカー💢

「高高高高高━━━━い肉食わして

やるよ 」


「いいのかそんな事言って!笑笑」


「(。-`ω´-)ぉぅ茉穂が食い倒れ

るくらい食わしてやるよ!」


「じゃあキマリか?

楽しみだなぁ!あ、コイツの義姉

妊婦だしコッチも沢山食うから

夜露死苦!」





は? ポカ─ン

「義姉?妊婦?も来るのか?

エ、エ、ナンテ?? なんで?」

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