第21話 再会
「ブラボー!」
ミチエが
元オケ
ミチエは前に進んだ。
「え?サトミ
「あの、ミチエちゃん?ですか?」
声をかけられミチエは振りむいた。
後ろにおばちゃんが立っていた。
重い黒髪に、
両手には赤ちゃんを抱いていた。
「カンナちゃん?」
「ミチエちゃんだよね」
カンナは泣きそうな顔で笑った。
「お?
近くにいた元オケ
「
「みんな心配してたんだよ」
ミチエは
突然カンナの抱いている赤ちゃんが泣き出した。赤ちゃんは
「あらあら。お腹が空いたのかしら。それともおしめ?リョウくん。見てきてちょうだい」
「……うん」
ヨシナガはカンナから赤ちゃんを受け取り、
ミチエはあぜんとした。
「……ん?
ヨシナガは急にふりむいた。
しわは増えたが、
「え?あ、はい」
「……久しぶり。よかったな」
ヨシナガはそれだけ言うと、
ミチエはぽかんとした。
「もう。
サトミが白のペンシルスカートの腰に手を当てた。
「
「何よ。おかしいかしら」
「いえ。てっきりヨシナガ
カンナがクスクス笑った。
「サトミ
サトミは
カンナの話によれば、あの
当然アスムとヨシナガもそれぞれバイオリンとチェロでコンビを組むことになったのだが、2人の
「ええ?何でですか?2人ともめちゃめちゃうまかったじゃないですか」
「そう。2人ともうますぎたの。
「どういうこと?」
サトミが気取って、
「アスムの
「えっと、つまりどういうことですか?」
「合わなかったってことだよ」
「ああ、なるほど」
「音楽は、いいえ、人のあり方も
「アスムちゃんは内面とか、
「そう。それでサトミ
「それでヨシナガ
「まあね」
「
「ふふ。もっと言って」
「アスムちゃんもすごいんだよ。『はっきり目に見えることしか信じない』って、
「家とか建ててるの?」
「ううん。
「ええ?」
「見て。アスムちゃんのSNS」
カンナがスマホを見せた。
画面に写真がうつっていた。
アスムの後ろには、アスムと同じく
「すごい!
「ね。カッコいいよね」
「お前
そこへハゲた
「え?誰?」
「おいおい忘れんなよ。マサキだよマサキ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。