花の香りのする、切ない青春の1ページ

桜景色から始まって、花に例えられる先生の過去と第一印象に入る流れが素敵! 先生は遠くのバラで、近くのタンポポで、遠い桜景色なんですね。丁寧に先生の印象が綴られていると感じる作品で、綺麗な花の比喩も相まって自分もいつの間にか先生が好きになっていました。6話後半の文章演出は読みながらとてもドキドキした。

演劇がテーマなのもあってか、映像的に感じる作品で、過去と現在の切り替えが映画みたいに鮮やかです。切なさもありますが、最終話のちょっとした意外性、美しい演出と心に残るお話です。こんな甘酸っぱいウブな少年が後の恋愛は……っていうちょっとしたサブエピソードもなんだかギャップ萌えでした。