第6話 目標の社会性

 目標はおおむね社会性を伴っている。有名になりたいとか、金持ちになりたいとか、特定の職業になりたい、賞をとりたい。こういったものをここで社会性目標と呼ぶことにしよう。それに対して、自分個人に課す目標、例えば、腕立てをするとか、素振りをするとか、そういった類のものを個人的目標と呼ぶことにする。

 ダイエットなどでもそうだが、個人的目標は達成することが極めて難しい。具体的ではあるものの長い期間持続することは極めて難しい。毎日ラジオ体操をするというだけでも簡単ではない。

 一方、社会性目標の方はどうかというと、それは口に出して言えばいいだけで結果がどうかというところには関係がない。そのため、社会性目標を標榜することはその人にとってそれだけで得がある。しかし、これは結果の前借りをしているに過ぎないため、結果が明らかになり、それが実現できなかったとなるとたちどころに人間関係に影を及ぼす。

 つまり、これらのことから言えることは、こういった目標によって結果をコントロールしようとすることには根本的な欠陥があるということだ。

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