EP34 ギルドオープンと武器防具屋

いよいよ明後日

ギルドオープンの日が近づいて来ました。


久しぶりの秋葉原です!

東京をしばらく離れていたから懐かしく感じる。


駅からギルドへ向かった。

秋葉原ジャンク通りに入りしばらく行くとなんだか並んでる。


「ん?」

嫌な予感がします。


案の定ギルドに繋がっていた。


裏口から入って行くとスタッフさんが慌ただしく動いて挨拶された。


『おはようございます』


『オーナー!おはよう!』


2階に上がってギルマスの部屋の前、扉から重苦しい圧力を感じた。

(モワ〜ん、モワモワ〜ん)


まるでダンジョンのボス部屋の前と同じだ。


(コンコン!)

「オレです。」


あら?返事が無い。


(コンコン?)

「ギルマス?オーナーです」


(ガチャ!)

勢いよく飛び出して来た。

直ぐに胸ぐらを掴まれ連れ込まれる。


「うわー」

「?」


ソファで高橋が死んでいる(寝ている)

そんなに色々準備しなくてもオープン出来るはずなのに何でかな?


『ちょっとオーナー!』

『やばいです、やばいです』


泣きながらしがみつく。

(うう〜え〜んん)


話しを聞くとギルドの会員の事前登録が一万人を突破して、問い合わせが鳴り止まず。


外には初日来店に向けて早くも徹夜組が出ている始末。


『明後日が恐ろし過ぎる、ギルドが満員電車と化す姿しか見えないです。やばいです』


「そっか、取り敢えずさこれ、お土産」

「はいどうぞ、おたりまんじゅう。まあお茶でも飲んで落ち着いてくれ」


ダンジョン産、は〜い!お茶、を渡した。


ギルマスはお茶を一口飲んで、目を見開いた。


『美味しいです!』

『このお茶!』

『疲れが飛んでいく感じがします』


「えらい褒めようだな」


『おまんじゅうとバッチリですね』


おや?生き生きして来たぞ。

なんだか怪しそうなので鑑定!


【名前:は〜い!お茶】

備考:ダンジョン産、特別なリラックス効果があり、状態異常弱があり、頭痛、眼精疲労、精神不安、胃もたれ、むかつきなどを改善してくれる。


やっぱりな、これは他アイテムも色々効果ありだな。


ギルドは事前の告知などソーシャルメディアを使った事で多く人に興味をと持ってもらっていた。


しかしその反面、異常なほどの盛り上がりを見せ早くもスタッフのファンが団体を作りちょっとしたアイドル並みに人気が出ている。


スタッフもギルドのYou◯ubeと個人のYou◯ubeとTikT○k時間を使い色々と動画アップしているので登録者数50万を超えている。


そりゃやばいというかみんなの期待値が半端ないプレッシャーになっていたようだ。


取り敢えず店自体は何度もリハーサルを行い、シフト、配置を決めたので問題は無いとの事。


さすがに満員電車は避けなければここまでのみんなのがんばりが無になるしお客様を失望させてしまう。


ひめ先輩に連絡した。


近くにいるから顔出してくれると言ってくれた。頼りになる。


ちなみにお土産は大亀楼のお土産セットだうなぎ蒲焼き3串と会津産コシヒカリ1キロのセットだ。


お米のセットというのが面白い。

本場の味を完全再現出来るセットで素晴らしい。ちなみにお土産を買っただけで食べていない。

黒の保冷バッグがまたオシャレだ。


『久しぶり!』


「お久しぶりですひめ先輩、早速何ですけどこれお土産です」


『キャーマジでいいのいいの』


おおお、なんかグイグイ来るな。


「どうぞ!どうぞ!」


「何かな?え!保冷バッグの店の名前を見て抱きついて来た」


『あーー!嬉しい、ありがとう」


(ぎゅーぎゅー)

ハグされる。

中々STR持ちかな?

顔がにやける。


「ほらこの前はお誘い出来なかったからさ、好きでしょ、鰻!」


『うん、だーい好き』


なんだこの振り向きざまの感じに少し甘え声を出すテクニック。


『話しは変わるけどどうしたの外の列えらい事になってるけど』


えーかくかく、しかじかでそういう事なんです。


『そりゃ破滅が見えるわね』

『今からでも飲食スペースは予約の時間制にするしか無いわね例えば1人週に2回までで一回60分とか、飲食スペースはどれくらい入るの?カウンターが7、テーブル28で35名かな』

『じゃテーブル増やして50人にしよう』

『元々少し余裕あるスペースでしょ』


『しばらくは営業時間も1時間早くして11時から21時まででどう?あれでしょ、トークの接客しないでしょ』

『基本オーダーはカウンターでセルフでしょ』

『スタッフさんにはしばらくこれで頑張ってもらうしか無いわね』


「そうだね、色々様子を見ながら運営して行こう」

「いいかなギルマス!」


『はひぃ!』(グスン…)

『だいりょうぶえす』


『予約システムは今会社からアプリをギルマスのPCに送ってくるからアプリをダウンロードしてHPに張り付けて運用開始ね』


『ありがとうごじゃります』


「流石!ひめ先輩仕事が早い」


『まあこんないいお土産もらったからには手は抜けないよ』

『鰻!うなぎ!ウナギ!UNAGI』


やったな、お土産作戦大成功。

ちなみにこの作戦はハチさんの発案です。


最初はおまんじゅうを購入したがハチさんはひめ殿にはお世話になっているのに同じお土産は如何な物かと言われスマホで調べてわざわざ買いに行って来た。


ハチさまには後でチョコパイを買ってあげよう。


「後は外に並んでる人をどうする?どうやって予約シクテムへ誘導する?」

「ギルマスから没が出たTシャツあるけど200枚くらい」


『じゃそれとドリンクバーのチケットね』

『今回はスタッフが手渡しして写真くらい撮らせてあげなさい』

『まあスタッフもこれから写真撮ってと言われるからちょうど練習がてら今並んでる人でお試しね』


『先にそこの死体、もとい副ギルマスを起こして列の最後尾で並ばないで下さいと看板持たせてHPに今晩アップされる予約システムを確認してもらう様に伝える事』


並んでる人は全員で153人だった。


スタッフが1人1人に事情を説明しいきなりスタッフが出て来て軽くパニックになるファン達。

(きゃーきゃー!わー!まじやばい!)

あっという間に周辺パニックに!


ちゃっちゃっと流しながら説明、ギルド内で撮影1人ワンショットで手土産持たせてお帰り頂いた。


ギルド前に立て看板を立て混雑が予想されますので暫くはネットの予約制と貼り出した。


いきなりスタッフと写真が撮れてみんなとても喜んでる。


なかなかの手応えあり。


その後スタッフのゴメンね動画がバズった。

みんな真似してゴメンね動画がランキングに上がっていた。


オレはギルドから少し離れた路地裏の物件を借りた。


今回は古い2階立て住宅、小さな裏庭付き物件で建物が古いから好きにリフォームして良いと言われた。


外側はハリボテでギルドと同じ雰囲気にして1階は裏庭まで抜けた作りにした入口側に店舗、裏庭側に土間の鍛冶場を作った。


2階は6畳2間と4畳半1間、小さなキッチン、風呂トイレ、寝泊まりできる様にした。


6畳2間は仕切りを取って続き間とした。


店内に並べる武器、防具は模造刀や強化プラスティック、ラバー製など危険で無い物で作られている。


オーダーも受ける、もちろんコスプレアイテムである。


毎日寝る前にコツコツ作って置いたアイテムだ。


それと同時にダンジョンアタック用として作成した装備品を収納BOXにしまい準備する。


店内の半分くらいはコスプレ用コスチュームだギルド衣装レプリカや獣人コス、街人、村人、貴族、シスター、戦士、魔法使い、斥候、弓職、魔人、エルフなど。


10.000円〜20.000円の価格帯とした。

多くの新規顧客を取り込みたいから安くした。


お裁縫のスキルでちゃちやっとやっている。


ちなみにサキュパスやウォーリア、魔女っ子など面積の小さなコスチュームもある価格3.000〜5.000円にした。


男の子なので多少の狙いあり。

夏場は暑いから流行るかな?


一応ウォーリアータイプの男物も用意した。

下衆の勘繰りをされない様に保険をかけた。


しばらくは1人で店を開けるか今週末はギルドオープンだしまだ夏休みだから来週から毎日開けよう。


アルバイト募集中の張り紙を出した。


それからしばらくは1人でてんやわんやすることになる。

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