EP20 天照三國side

今日は東京事変の容疑者の尻尾を捕まえてやると意気込んで朝ごはんをおかわりして来た。


【分析結果】

犯人像:年齢は16歳〜30歳

男性、複数犯

ひとり暮らし

自宅周辺での犯罪率の低下

街の美化が進んでいる所に住む

23区内山手線の外側

正義感が強く人助けが好きだ

アニメーション、異世界ラノベが大好きだ

コスプレにも興味ある


犯罪撲滅の種類が偏ってない事やある程度の格闘もあったであろう事から容疑者から女性を排除した。


昨日までの三週間、足立区、葛飾区、江戸川区、江東区、北区、板橋区、豊島区、太田区、杉並区を探索。


何も引っ掛からなかった。

今日はいよいよ練馬区だ。

自作ドローンを使い熱源感知で通常の人間35.0°〜37.0°までの範囲外、それよりも下のぼんやりした熱源が無いか探していた。


そろそろ終わりして帰ろうかと練馬駅に向かい歩いていると、ドローンからの警報音が届いた。


(ポロリン、ポロ、ポロリン、リン!)


『いたぞ!いた!いた!』


上空の超小型ドローンからスマホのマップにぼんやりした点が映っている。

悟られない様に急足でポイントに駆けつける。

(トテトテ…トテトテ…)

200メートル手前まで来た所で急に反応が消えた。


『あ!消えた?』

『バレたか?おのれ〜ふんふん…』


夜なので200メートル先はさすがに見えない。

向こうが先に此方に気が付いたか?

警棒を用意して振り回しながら近づく。

(ブワン、ブン〜ブン)


『もしかしなくても私今、側から見たらやばいヤツだ』


マークしたポイントに誰も居なかった。


『逃げられた』

『ん?』


すると2メートル先の街灯の灯の下に一羽のカラスが現れた。それは美しい小さなカラスでよく見ると足が3本ある!


『八咫烏だ!』


私は直ぐにドローンで撮影した。

神話の中の鳥が目の前にいる興奮を抑えられない。こんな時にいきなりスマホが鳴った。


(チャララーン、チャチャチャ、チャララーン、ドンドコドンドコドンドコ〜チャラララララ〜)

必殺仕置人のテーマが鳴り響く

これは恥ずい…


『先輩からだもうこんな時に…』


すると小さなカラスは(アポーー)一言だけ鳴いて飛び立って行ってしまった。


『あ!八咫烏さん』


カラスは闇に姿見を消した。


『はい!此方三國』

『何処にいるかって練馬区です』

『今いい所だったのにも〜〜』


『何がいい所んだ?』

『遊んでないでさっさと帰って来い』

『こっちに新しい情報が入って来た』

『それからデスク上を片付けろ』

『晩飯まだか?』


『ええ、、、』


『満菜館の出前だけど何がいい?』


『中華丼と冷やし中華で!』


『オイ!そんなに食えるのか?』


『大丈夫です。お腹ペコパです』

(時を戻そう!)


『気をつけて帰って来い』


『了解で〜〜す』

不思議な体験した場所からまだ離れ難いが渋々ベースへと戻る事にした。


999のベースは池袋駅西口の繁華街の7階建雑居ビルの1番上のワンフロア。

かなり古い感じの建物で下の階には飲食店、雀荘、マッサージ店が入るぱっと見怪し感じを漂わせている。


30分くらいで戻った。

まだ出前は来てない。


『お腹空きました〜出前まだですか〜』


デスクの上を片付けて皆んなにお茶を入れる。先輩から飯と言ったら三國は直ぐ帰って来るなと言われた。


私は何を当たり前事を言うのかと思ったがスルーした。先輩は色気より食い気と言いたいんだろう。それが悪いか!


(毎度〜お待たせしました〜どちらに?)


『こっちの奥のテーブルへ』

出前が届いた。もちろん経費で落ちる。

みんなにそれぞれ配膳して自分のデスクに着く。


満菜館と言えば王道街中華で私はここの中華丼が大好きだ。たくさんの具材にラーメンスープをベースした旨み溢れるトロトロの餡がかかっている。この時期は冷やし中華も外せない。


チャーシューの細切りにきゅうり、もやし、わかめ、なると、錦糸卵、てっぺんには紅しょうが。サイドにはからしが撫で付けてある。くろずとラーメンのかえしを使ったさっぱり美味いタレがかかっている。


『いただきま〜す』

『たっきや〜す』


『みんな食べながらでいいから聞いてくれ』

『先日、都庁に入り込んだ捜査員と国が送り込んだSPからの情報を総合した所、都知事がシークレットである人物に接触してる様だと情報があった』

『その後人物はグレイまだ名前だけで何も分からない』

『先日、都知事が朝から高尾山に登り山頂からさらに先の茶屋でその人物と会っていたそうだ』

『あと朝の山の空気と茶屋のキノコ汁とおにぎりは相当美味いらしい』


『どんな情報か!警部!』


『え〜、モグモグモグ、んっほ…』


『三國!口に物入れて喋るな!』


『ん…みません』

(モグモグ…ゴクリ)

『その時捕まえられなかったんですか?』


キノコ汁とおにぎりの件、私はちょー気になるけど。


『40分ほど親しげに話した後その場から忽然と消えたらしい』

『逃げ足は天下一品だそうだ』

『そのグレイが今度は秋葉原に現れた』

『なんでも秋葉原ギルドって言うカフェをオープンするらしくネットで話題になっているからみんなも知っているだろう』


『同一人物らしい』

(ザワザワ〜、ザワザワ〜)


『マジか?』

私も早くお店がオープンしないかお店のHPチェックしているけど。この前内観してたのに仕事で行けなかったんだよなぁ。


『あーー!失敗した』


『何がだ?三國!』


『あっと…独り言です』


『もう少し小さい声でしろまる聞こえだぞ』

(クスクスクス〜クスクスクス〜)

『なので今後数名にグレイの線を当たってもらう』

『三國お前と俺だ』


やったー!チャンス到来仕事と称してコスプレ三昧だ何着て行こうかなあ。

ワクワクが止まらない♪腕をワキワキして戯けていると…


『三國!お前大丈夫か?』


『あ!はい!了解です』

『こうやるぞーみたいな感じを出して見ました大丈夫です』


『良し緊急報告終わり、飯を食え!』


食べ終えた私は食後のデザートタイムで冷凍庫にたくさんあるアイスに悩んでる。


『ん〜ん〜ん〜』


『三國!冷凍庫を開けながら考えるな電気代が勿体ない』

『閉めろ!何度も言わせるな!』


『先輩〜〜決められないんです〜』


『だから冷蔵庫にアイスのフタやパッケージが貼ってあるんだろう』


『うーむやっぱり現場が、、、』


『同じだ!』

『そこだけ警察っぽく言うな』


『おれはコーヒーフロート取ってくれ』


『こっちはガリゴリさんコーラ!』


『俺は梨!』


『雪見豆大福!』


『ピノン!』


『あ〜待って先輩、早い早い!』

どんどん在庫が無くなる。

『早くしないと!』

スーパーエッセンスバニラにした。

アイス専用マイスプーンで食べる。


ちなみにカップアイスはジップロングに入れてしまうとカチンコチンにならないのだ!

直ぐ食べられる。


みんなでアイスを食べながら…


『あ!先輩私ね今日カラスを見たんです』


『あーー、そうかカラスな何処でもいるけどなカラス』


『違うんですよ!』

『カラスはカラスでも八咫烏です!』


『八咫烏?あの日本代表のマークのやつか?』


『そうそれ!』


『三國、アイスもう一個食べていいぞ、頭を冷やせ』


『先輩、頭はさっきの冷やし中華でもう冷えてます』


『冷やし中華にそんな効果あったか?』


『だから映像ありますから』


『本当か?』


『今映しますよ』


『私先輩から連絡が来た時丁度前から言ってた靄の件を追って練馬区の練馬駅近くに反応が出て現場に向かったんです』


『あの、ゴーストバスターの件だな』


『そしたら200メートル手前で反応が消えたんです。完全に向こうに察知されたんです』

『ポイントの2メートル手前まで歩いていくとそこに、はい!これ』

と映像をモニターに映した。


『あーーカラスだな』

『小さな子カラスか?』

『ああ…足3本あるな〜』

『捕まえたらYahohoのトップニュースだったのになんで捕まえない!』


『だって神話の中の鳥さんですよ神聖なカラスですよ』

『運動音痴の私が捕まえられると思います?』


『無理だな…』


『これネットに上げたらバズるんじゃね』


『誰も信じてくれないですよ』

『加工映像だって叩かれるのが落ちです』


『だな。それでゴーストバスターはどうなった』


『何も掴めませんでした』

『ただ感触は掴めた感じです』


『よし、グレイと並行して調査してくれ」


『はい!もう一個食べいいですか?』


『駄目だ』


『あーーーー』

(バタバタバタバタ……)

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