EP9sa 高橋!絶対絶命

大学は相変わらずリモートや課題提出の毎日だGWが終わっても…

オレはまだ大学へ行けていない。


今頃サークルやらアルバイトやらで

東京ライフを忙しく過ごして居たはずが…


「この迷惑ウィルスめ!」

「お前のせいだぞ!」


もちろん友達も出来ない。

イチャコラする彼女も出来る訳ない。

オレは今、街のお掃除マイスターだからな。


今日も日課となった街のパトロール(ランニング)を終えて夜は部屋でくつろいでいた。


「あーー何も起きないってある意味で幸せだな」


オレの東京は幸せか?


「うーーーん、そうかそうか良かった」


いきなりスマホが鳴った。

(チャチャチャ!タッタラタッタララッタ…)


「うわぁ!」

ビビった音が大きかった様だ。

まるで緊急地震速報並みの驚きようだ。


「なんだ高橋かよ〜」

高橋は幼稚園から高校までの幼馴染みで腐れ縁だ。


「こんな時間になんか様か?」

まあ用事か何かある時や頼み事の時しか最近は電話して来ないか。


いつもはLI◯Eでやり取りしているし男と長電話してもキモいよな。


『あーもしもし、ヤマト!』

『ごめん今すぐ助けてくれ!』


かなり慌てた様子で高橋は言った。

電話の向こうはなんやらガヤガヤしている。


「なに?」

高橋の声から異変を察知した。

「直ぐに助けに行くから、まあ先ずは落ち着いて事情を話せ」


どうやら会社の同僚と歌舞伎町で呑んで30万請求されているらしい。


「あーーーー」

キャッチに捕まってぼったくりキャバクラにノコノコついて行ったらしい。


東京の怖い怖い一面だ。


だからオレは歌舞伎町やら歓楽街には近づかない。

交差点で声をかけられてもついて行かない。

絵も買わない!

ダイヤモンドもいらない!

宗教は無宗教で都合の良い時だけ神頼みすることに決めている。


「今向かうから待ってろ。近くまで行ったら連絡するから」


『ありがとう、助かる…』


オレは部屋にあったお金と途中で足りない分を下ろして高橋を迎えに行った。


歌舞伎町はアジアでも有数の歓楽街だ

まさに眠らない街?待てよ街って眠るのか?


東洋一の歓楽街とも言われ居酒屋、カラオケ店、ホストクラブ、ギャバクラ、パチンコ店、映画館、ボーリング場、ラブホテル、バッティングセンターまである。


街には怪しキャッチやスカウトが通りにウロウロして品定めをしている。


非合法の活動も多いのだろう、ヤクザやチャイナマフィア、半グレなど悪の巣窟のイメージがある。


歌舞伎町は良いも悪いも混沌としたところに言い表せない魅力があるのだろう。

特に夜は全てを知った大人が遊ぶ場所だ。


歌舞伎町に着き路地裏で念のため装備を身につける。


【装備】

サンダーダガー/攻撃力+15

闇夜のマント/守備力+10

闇夜のマスク/守備力+3

無音のブーツ/守備力+4

漆黒の小手/攻撃力+4/守備力+7


スキル隠密を発動する。


高橋から聞いた店は、たしかこの辺りか歌舞伎町でも端のほうだな。


「こんな奥までノコノコついて行きやがってアイツには警戒心というものが無いのだろうか?」


なるべく穏便に金を払って直ぐに連れ出したいところだ。


タクシーを一台用意して行う。

「タクシー!」

(キーーィ、ガチャ、カチ、カチ、カチ)


「あ!運転者さん今連れて来るから待っててもうメーター回していいから」 


連れ出したら直ぐにタクシーでこの場から離れた方がいいからだ。


この雑居ビルの5階か見た感じ入口も出口も同じで一つだろう。

周囲は他のビルに囲まれて仮にトイレに窓があっても逃げれるほど隙間は無く窓も開かないはず。


まあそういう物件だから奴らには都合のいい場所って事だ。

取り締まりが入ればまた違うヤツが店を出してイタチごっこだろう。


エレベーターを6階で降り階段で一つ下の階に下りる事にした。

いきなり5階に降りて店のヤツらが待ち伏せしていて、オレも捕まる可能性があるるからだ。


わざわざカモをカモ助けにくるんだから金を持ってくる奴も金のカモにしか見えないだろう。


6階に降りると下から声がした。


『遅せーよ!』

『まだ来ないのかよ、マジだり〜』

『まあイラつくんじゃね〜よ』

『今日はコイツで店じまいらしいからその後ゆっくり飲もうぜ』


案の定待ち伏せしてやがる。


オレはマントのフードを被りゆっくり階段を降りて行った。


顔は闇夜のマスクで相手からはボヤけて見える為、人相は分からないだろう。


「オイ!」

「待たせたな!」


いきなりでかい声で奴らの前に出る。


『うおっ?』

マントに目深にフードを被った怪しヤツに声をかけられてキャッチもびっくりしていた。


キャッチ横をすり抜けをそのまま店に入って行った。

店の奥に高橋と同僚2人が縮こまっている。

オレは店長を呼んでお会計をお願いした。


会計は50万だった。

やっぱりな増えてる。


「お前ら結構呑んだな〜と軽くジョークを言いながら50万を支払った」


文句も言わず払うオレに店長も驚いた様子だ。


「行くぞ高橋!」

「店を出たところにタクシーを待たせているからそれに乗って今日は直ぐ帰れと肩を叩いた」


オレは店長に


「中々良さそうな店じゃないかまた来るから次回は少しおまけしてくれよな」


『お客様のお帰りで〜す』

『ありがとうございますまたお待ちしています』


オレは直ぐに店を後にした。

こういう時は此方のペースで事を進めるのが一番いい、相手に主導権は渡さない。


オレはそのまま新大久保のコリアンタウン方面へ足を進めた。


新宿駅までは遠く後をつけられて捕まったら折角厄介事を終わらせた意味がない。


「お腹空いたな」

適当に韓国料理店に入り

「サムギョプサルでも食べて帰るか」


オレは料理が来るまでの間にステータス、アイテムリストを確認する。


尚ステータスは他人からは見えない。


アイテムリストは頭の中にぼんやり浮かぶからこちらを見られても心配はない。


他人からはスマホを手に持ち見ているようしか見えない。


【名前:大和タケル】

レベル: 0

種族: 人間

職業: 大学生、忍者下忍、お掃除マイスター

HP/ 17(+30)

MP/ 13(+30)

STN: 12(+30)

VIT: 5

DEF:11 (+30)

DEX: 9 (+30)

AGI: 11(+30)

INT: 8

MGC: 3

CHA: 10

LUK: 55


【スキル: 】

収納BOX Lv5

言語解析Lv2

身体強化 Lv3

鑑定 Lv3

刀技Lv1

剣技Lv1

体術 Lv1

瞬歩無音 Lv MAX

気配感知 Lv3

危険感知 Lv3

隠密 Lv3

匂い耐性Lv4

スティール Lv1(装備着用時のみ発動)


【アイテムリスト】

スィッチさん

ポーション下位10個

解毒ポーション下位5個

スライムの液100

ワイルドウルフ毛皮2

オークの睾丸50

ワッフルベアの爪2

ワイバーンの爪2

ワイバーンの皮1

サンダーダガー1

ファイヤーダガー1

ウォーターダガー1

ポイズンダガー1

闇夜のマント

闇夜のマスク

無音のブーツ

赤い魔石(中)

青い魔石(中)

漆黒の小手

石の宝箱


🗑

🗑異


「おーーっと?」

「なんだなんだ?」

「ゴミ箱が一つ増えているぞ!」


お掃除マイスターになったからか?

それとも収納BOXのレベルが上がったからか分からない。


ゴミ箱マークの横に''異"の文字がある。

鑑定!


【名前:異世界転籍デリート】

備考:世の中の不要な悪者達を異世界ギルドへ転籍削除出来る。悪者達は現在の状態のままで異世界へ送られる。勿論チートスキルなんかあげません。若返りません。言語スキルのみです。最近異世界ギルドでは成り手不足で魔物の討伐が追いつかない状態。元々ギルドは荒くれ者の集まりだから多少はヤンチャなほうが生き残る確率が高いってさ!オレの東京をクリーンにしろってさ!ただし送る時は気絶か失神させてね。ハートマーク!


「コメントが〜コメントが〜」

「完全にオレよりになっているのはなんでだ」


「しかも最後の気絶させろとか、失神させろとか物騒な言葉にしかもハートマーク?ドSか?」


『お待たせです。サムギョプサルです』

お目当てサムギョプサルが運ばれて来た。


「おー!来た来た」


厚みのある豚バラ肉をお好みでカリッと焼いてもいい、ソフトな焼き目で食べるのもありだ。

先ずは焼き上がりから岩塩か胡麻油をちょっとつけて食べる。


「うーまーいー!」


豚肉の脂の甘み旨みが噛めば噛むほど口の中一杯に!

がっついて舌や唇を噛まないよう注意しなければならない。


美味しい時あるあるだ。


次はキムチ、ニンニク、韓国海苔、エゴマ、青唐辛子、白髪ネギなど好みでサンチュに巻いて食べ進めるべし。


「おっと辛味噌をつけるのを忘れるところだった」


組み合わせは無限大だ。


「これで980円安い!」


月1ありだな他の店も気になるし今度高橋に奢らせよう。

お腹も一杯だ、忘れ物を取りに行くか!


今オレはさっきのキャバクラの前だ。

入口にはcloseの看板が出ているが中から声が聞こえる。


気配感知を使い中に男が3人いる事が分かった。

キャッチのが2人と店長だろう。


漆黒の小手を使い内側から鍵を開けて中に入る。

店長に向かって忘れ物を取りに来たと伝えてた。


3人ともポカーンとしている。


「また金を持って来たから少し飲ませてくれ」


3人は獲物を見る目に変わりニコニコしながら奥のソファを案内してくれた。


『いらっしゃいませ〜こちらへどう』


オレは酒が飲めないらか

「コーラをくれ」

「店にはオレしかいないから一緒に飲もう好きな物を呑んでいいぞ」


『こりゃお客様ありがたい…お言葉に甘えていただきます』

『乾杯〜!』

(カチャーン)


店長やキャッチ達に歌舞伎町という街について聞いたり、店を経営することはむずかしいものなのかと話しを振ったり、皆んなの武勇伝なんかも聞いた。


かなり酔いが回ったようでオレは3人とすっかり仲良くなっていた。


3人の話しを聞いた。

『おれは自分の店を持ちていな』

『やっぱり漢ならデカい事をやりたいぜ』

『この歌舞伎町から成り上がりたいな』


これなら異世界転籍してもやって行けるだろうし記憶はそのままなら店を出せるしきっと人気店になるだろう…


モンスターを倒して成り上がってもらい。

ドラゴンを討伐してデカい事をやってもらおう。

そして異世界で成り上がってもらおう。


それでは、サンダーダガーの先をチクっと!

(ビリビリーー!)(ドサッ、ドサッ、バタン)


「これスタンガンより強くないか?」

「魔物用だからかな?」


(うっぅぅ……うっ…)

息はしてるし脈はあるから大丈夫だろう。

3人とも酔いもまわり呆気なく捕縛された。


これから異世界転籍するから何かの役に立つかもと自分たちのカバンは首から掛けてあげた。

「これでよし!」


「それから…そうだ!」

あとは店の中にある高そうな酒、店のロゴ入りマッチ、お腹も空くだろうからキャッチにおつまみが入ったコンビニ袋を二袋持たせた。


おっと店長から金庫の鍵を貰わないと。

「ごめんなさいね、返してもらいます」

「それでは向こうでも元気に頑張って下さい」


3人に手を合わせた。

いやまだ死んでないから。


「これも東京の為だからゴメンネ!ソーリー!デリート!」


(フヮ〜〜キラキラ〜)

3人に触れると淡く光に包まれ消えて旅立って行った。


がんばれよーーーと心の中でエールを送った。


「さてオレの50万はどこかな?」

レジの中にあった。

レジには100万以上あったが他には手を付けなかった。


食後の腹ごなしにランニングで帰ろう。


彼ら3人はその後、、、

目を覚ますと森の中にいた。

たしかさっきまで店で呑んでいたんだよな?


『オイ!お前ら起きろ!』


キャッチ達も目を覚ますと今いる場所を認識出来ずにいた。


(ガサッ?ゴソッ?)

すると茂みがガサガサと音を立てて灰色のオオカミグレーウルフが飛び出して来た。

(グルルーーー!グワーー!)


『やべー、早く早く登れ登れ!』

3人は全力で木に登りなんとか襲われずに済んだ。


(グルルーーー!グワーー!)

しばらくして諦めたのかどこかに行ってしまった。


その後、木の根元に落としてしまったピーナッツのおつまみにゼリー状のまん丸な赤や青や緑に黄色のスライムがおつまみの取り合いを始め食べ出した。


店長はさらに木の高いところまで登り周りを見回してみると遠くに街道のようなものが見えその先に城壁が見えた。


取り敢えずそこまで行く事にした。


異世界でのサバイバルか始まる3人であった。


(チャリ〜ン‼︎)


【大和タケルにギルドポイント12付与されました】


ランニングしながらアナウンスが流れた。


「ポイントってなんだ?」

「貯めるといい事あるのかな?」

「まあ本屋の◯-pointと同じか?」

「それともたぬきポイント?」

「でぃーポイントか?」


あまり気にせず部屋まで走って帰った。


高橋からLI◯Eが入っていた。


しきりに謝りその後のオレを心配している内容だ。

オレは大丈夫だもう部屋へ戻ったからしばらく大人しくしていろと送った。


安心し借りた金は絶対返すからと謝っていた。


オレは金は返さなくいいアイツらに返してもらったからと送り。


「あーー!黙って置いといてたら50万ゲット出来たか〜」


奴らにしこたま酒を呑ませて取り返した話しを伝えた。


高橋からお前無茶すんなあと返って来た。


今度新大久保で韓国料理を奢れと送り高橋はまだコリアンタウンに行った事ないらしいく食い付き気味にOKスタンプが返って来た。

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