第32話 気持ちの籠った贈り物
俺は魔力の尽きるまで、ゴブリン達の為、防具や武器をある素材で手当たり次第作成し、泥の様に寝た。
起きると俺は、ゴブニンを呼んで立たせた。
まずはコイツ、イメージが暗殺者なので、作り易かった。
狼の皮で作ったブーツを履かす。サイズを調整して、皮紐で縛る。靴底は肉を加工して、肉球の様な弾力!魔法でコーティングしてかなりの丈夫なブーツが出来た。会心の作だ。
胸の前面だけに骨のプレート、皮紐を通して鳩尾辺りで縛る。動き易さ重視で考えた。色は濃い灰色、目立たないのも重要。
狼の皮で作ったローブ。
最後に口元が隠れるマスクを縛る。
マスクがとても苦労した。カッコ良さに拘ったからだ。色も濃い灰色。
当然、全て俺の魔力が籠った丈夫な仕様。
髪形もセットし、色々な角度で確認した。
ヨシ!いいだろうと頷く、
周りのゴブリン達も興味津々だ。
そして、俺と同じ、形の霞んだ黒剣を二本を鞘に入れて渡す。期待しているぞ!
ゴブニンには、狼を一匹狩って来る様に命ずると、風の様に去っていった。
帰って来いよ!
周りのゴブリン達の目が尋常じゃないくらい俺に刺さる。俺にもくれ!!と言わないでもわかった。
ゴブサンにも同様に渡す。違いはマスクがないのと武器だ。
ゴブサンの顔は和むので、マスクは必要無い。ゴブサンも欲しがったが、何とか納めた。
ゴブサンの武器は俺の短剣の形をした黒剣にした。二刀流は外せない!
これはかなり喜んでもらえた。良かった。
ゴブサンにも狼を一匹狩って来る様に命ずると頷き駆け出した。
ゴブシロウを呼んで立たせた。コイツは前衛、体格もいいし、攻撃力があるから、大剣を持たせたい。防御力も上げたいから、厚い胸当にしたい。ガントレットもあった方がいい。何か素材が足りなくなりそうだから、前の二人にお願いして良かった。
ゴブシロウとゴブゴロウはどこまで大きくなるのかな?今悩んでも仕方ないので、キツくなったら考えよう。
ブーツは同じで、胸当は背中まで包み皮紐を通して横で縛る形をした。
ローブは無し、マスクも無しだ。
きちんと調整して仕上げる。
最後に、丸々一匹分の狼の骨を使用して作成した大剣を渡す。
ゴブシロウの目がキラ〜ンと輝いた。
ゴブシロウには大剣に慣れて貰う為、素振りを命ずる。
ゴブゴロウにもゴブシロウと同じ装備を与える。
武器は盾を持たすか迷ったが、槍にした。ゴブリンは守って戦うのは苦手だと思うからだ。追々でいいと思う。
穂先には
ゴブゴロウにも稽古をする様命ずる。
ゴブリン四匹には穂先の硬い槍をプレゼントして、盾を二枚づつ背負わせる。防御力アップと俺達の使う予備の盾だ。たいそう喜んで、稽古をはじめた。
長かったが、最後にゴブイチの装備だ。基本ゴブサンと同じだが、背中もキチンと守れる胸当で色は白にする。前に出して戦わすつもりは無いので、目立った方が都合が良いのだ。頭を守る兜も白で、鼻筋を守るラインがオシャレで気に入っている。
武器は槍では携帯に不便である為、長剣にする。思い入れがあるのか、多少の抵抗を受けたが、長剣を手にすると納得してくれた様だ。
長剣は俺の兜を元に作った鉄製の刃で、色々混ぜて試行錯誤しながら作った業物で、俺もよくわからなくなって二度と作れない自信がある。
魔力の通りが良く、俺が長剣で衝撃波を飛ばしたらゴブイチの様子が変わる。物凄く近寄ってきて、やり方を教えてくれとしつこい!
一回だけだと念押しして、ゴブイチの魔力の波長と長剣の魔力の波長を合わせる。
全く、意識を剣に入れて魔力を込め振ればいいだけなのに面倒くさい。
『スラッシュ』と言って振れと指示して魔力でサポートすると、
バシュ!!と衝撃波が出た。
一同驚きの表情をするが衝撃波が出せる俺からしたら当たり前の事。長剣を気に入ってくれた方が嬉しかった。
それから毎朝ゴブイチは、衝撃波を撃つ練習を欠かさなかった。長剣を鞘から抜き、振って、鞘に戻す。時間があれば延々と繰り返した。
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