第23話 準備

「お主はまだまだ弱い。城の武器庫へ向い、装備を整えよ。

そして魔法の手解きをしてやるのじゃ!

それが終われば、辺の狩りをして戦闘に慣れて、魔石を集めてくるのじゃ、そして本番、この城の地下迷宮に案内してやるのじゃ」



※※※※※※※ ※※※※※※※ ※※


武器庫には、ホブゴブリン用の物とゴブリンマジシャン用の物、装備一式が整然と並んでいた。


受付に行くと採寸され、防具と備品がすぐに手渡させる。不足している物は無いか確認した後、試着する。


衣服、鎖帷子、ベルト、鉄の丸いヘルメット、順番に着るとサマにはなった、最後にブーツを履き、背負い袋を背負って完成だ。

ローブは仕舞っておいた。


武器は自分で選ぶ、とうとう魔法の杖を手に入れるのだ。


剣・槍や盾・弓が沢山並んでいた。


「すいません!武器を探しに来たのですが、杖はないですか?」


ホブゴブリンのオヤジに聞いてみた。


「杖はオーダーメイドじゃないと効果がかなり減少するからな、ここには無い、あるのはここにある物だけだ。」

「なんだ残念だなぁ、ここにあるのは鉄の物だけ?」

「いいや拾い物も有るからバラバラだよ。手に取って馴染むのを探しな、お宝があるかもしれないぜ」

「ありがとう」


杖を持つ事を考えるとやっぱり短剣だろう。短剣コーナーへ行き考える。


目の前には、十本のお勧めの短剣が綺麗に並ぶ棚が有り、下には四つの樽に短剣が乱雑に突っ込まれている。


錆びた短剣は持っている。手に馴染んだ相棒だ。左手でも振れるし、折角取り返したのに手放すつもりもない。しかし、いつまで使い続けるのも正直心許無い。二刀流もカッコいい!


やっぱり短剣一択だ。でも百本位有る中でどう選べばいいのやら、手に馴染む物なのだから、全部持ってみるか。


マジックバックから短剣を取り出し、左手に持って、順々に短剣を振って確認していく、


ブン!

ブン!!

ブン!


良さげな短剣を残しながら全ての選別が終わる頃。最後の樽の中に、斜めに傾いて柄の部分が見えなかった短剣を見つける。黒くくすんだ短剣は埃を被り見窄らしい、持ち上げてみると意外に重い、刃渡り40センチ、ナックルカードの付いた無骨な黒剣だった。


驚いたのは魔力の通りが良い事だ。何を混ぜたか?全然わからないが、すんなりと魔力が馴染み、重さも感じない。素晴らしい!!


柄頭に丸く『ゲイリー』と読める。俺と相性の良い鍛冶屋の様だ。覚えておこう。


ベルトに固定出来る鞘を用意してもらい、装備し、俺の錆びた短剣は打ち直して貰う事にする。



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