第4話 まあ、どこにでもありそうな、昔話しの怪談話で御座います(4)

 子狐おさん、は、威勢良く言葉を放つ。と、いうよりも?


 少女は大変に楽しそうな声色──。無邪気に踊り。舞うように。その場───。


 そう、子狐おさんの、頭上を凛々、爛々と燃えながら浮遊する青白い玉へとモフモフ、フワフワと、己の毛を靡かせながら飛び、ジャンプ! ジャンプ! を繰り返し。モヤモヤと青白く燃え、フワフワと浮遊している青い玉を、己の肉球がある腕で『チョン、チョン』と突く。突いてみるのだ。


「あれ? 熱くはない。熱くはないね~。おさんの、頭上に浮く青い炎の玉は……」と。


 子狐おさん、は、青白く燃える玉に触れてみたのだが。青白く燃える玉が熱くない。熱さがない。感じないから。少女は困惑をするのだ。


「何故?」、


「何故だろう?」、


「……何で、だろうかぁ~?」と。


 子狐おさん、は、困惑しながら。己の頭上を浮遊する青白く燃える玉を見詰める。見続けるのだよ。


 でもね、その時に丁度、子狐おさんの、頭上ではなく。目の前を青白く燃える玉がフワフワと浮遊しながら通るのだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る