第4話 座敷童子に認められる
ざしきわらし。
聞いたことがあるような、ないような気がします。
そう名乗った男の子は、相変わらず目以外は笑っていましたが。僕は抱っこしたままのなので、手を伸ばしてくるケサランパサランちゃんをあやしつつ……お話を聞くことにしました。
「……マジで言うとるんか??」
ようやく、
ちょっと、荒い口調ですが……ざしきわらしで、しかも妖怪だと言い切った男の子はゆっくりと首を縦に振りました。
「そう。僕は座敷童子で妖怪。その子はさっき見た通り、ケサランパサラン」
と言って、懐から質の良い扇子を取り出してご自分のあごに軽く添える。……よく見ると美少年なので、絵になりますね??
「…………証拠は?」
「その子はともかく、僕?? そうだね……ちょっと待ってね」
扇子をパッと、開いたと同時にざしきわらし君が消えた?…………と思ったら、同じ服装の小学生くらいの男の子が、立っていました。
「おお!」
手品のようにも見えましたが……たしかに、普通だと不可能でしょう。僕にはそう思えました。賢也君は……口をあんぐりと開けていましたが。
「これで証明出来たかな?」
また、扇子を開くと……ざしきわらし君は元の? 大きさに戻ってからカウンターにやってきました。
僕の前くらいに立つと、ケサランパサランちゃんをじーっと見つめてきましたが。
「ふんふん。僕の注意が間に合わなかったけど……お兄さんを主人に決めちゃった感じだね??」
「主人……ですか??」
「そう。お兄さんが……僕が追っかけてたケサランパサランの原型を捕まえちゃったから……返してもらおうと思ったけど、ここまで二次成長しちゃったんだもん。僕の手には負えない」
「えーっと??」
「さっき、すぐに育てるって言ってくれたでしょ?? いいと思うよ?? 君にそれだけの覚悟があるのなら」
「いいんですか?!」
ケサランパサランちゃんを育てられるだなんて、嬉しさがさらに込み上げてきます!!
落ちないように高い高いしてあげれば、彼女は喜んで笑顔になってくれましたよ?
「…………
賢也君も落ち着いたのか、気分を変える為に煙草を吸おうとしていました。なので、僕はすぐにやめさせましたとも。
「妖怪ちゃんでも、赤ちゃんは赤ちゃんですよ?? 副流煙は害毒です!!」
「…………そいつ人間やないんやで??」
「いくら僕が雇われ店長でも、言うとこは言っていいと言ってくれましたよね??」
「……わーった」
「うんうん。柊司君になら任せていいね? 君も多少は手伝いそうだけど」
「……賢也や。
「僕は、
「僕もいつまでも座敷童子じゃ呼びにくいね?……
「本名ちゃうん?」
「僕らの固有名詞って、結構適当だからね??」
「ですと……この子にも名前をつけなくてはいけませんね?」
コーヒー色の髪と瞳。
ダークブラウンよりもさらに暗い色ですが、とっても綺麗です。
将来、きっと美人さんになること間違いなし。
であれば、安直な名前は付けられません。
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