第4話 とても寒い日



寒い日は部屋から出ることもなく

ストーブの炎の前で赤く照らされ

冷めかけた珈琲を飲む


独りでもの想いに耽り

独りで昔話に花を咲かせ

独りで未来を夢見たりする


ともすれば沈みそうになる想いに檄を飛ばしながら

静かに自分自身を納得させて


昔愛した人は

何故か別世界の出来事のように思え


今日が楽しめたなら

明日の苦難も容易く思え

待ち遠しい朝になるだろう


ストーブの上では水蒸気が登り

しゅんしゅんと音を立てている

器に水を注ごう


そして珈琲豆を挽いて

もう一杯暖かな珈琲を頂こうかしら

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