02.過ぎる月日と停滞する心

3月11日。



 僕の元に、あの日から10度目の春。





 10年。




 変わったことが沢山ある。



 生まれ育ったこの町から、父さんと二人で引っ越し見慣れない景色が広がる街。



 新しい家は、必要最低限の家具しか無かった。



 質素だけど、料理だって作れるようになったし、新しい学校で友達もできそれなりに過ごす日々。



 聞き馴染みのない言葉にも慣れた。








 流れ行く時間の中で、それでも僕の心は変わらずに何時だってあの日で止まったまま動かない。

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