第34話


  「なら、少し聞いてみたいんだけどスキルと職業、魔法の違いって何かわかる?」


 これはこちらに来て少し気になっていた事なのだ。職業はどうやって決められているのか、そもそもスキルと魔法は何が違うのか、スキルが発動するのに魔力を使わないのはなんなのか。謎しかない。


 「我々は魔力を使い望む現象を引き起こすものを魔法といいます。大全として魔法はスキルの一種なのです。なので魔法 鍛治系 商売系 交渉系 などなど魔力を使わないものも同列なのです。大体は皆さん魔法使いというだけで特別視をされていますが。」


 「じゃあ、職業はどうやって決められているのかな?生まれながらにしてやる事が決まっているわけじゃ無いよね?それに途中でやりたい事が変わったらどうなるんだろう?」


 「そうですね、その人が神様に行いを認められ特定の条件が整った時にその職業に着けると言われております。そして、職業はステータスカードに並列できます。つまり、幾つもの職業に就けるのです。


 例えば魔法などのスキルもそうですがレベルを上げる事で神にその努力が認められて使える魔法や能力が増えます。職業も同じように熟練度というものがありまして、その職に真剣に取り組み経験を積む事で特別な力を授けられます。」


 へえ、それはなかった。某RPGのように職業スキルみたいなものもあるのかな?


 「そして、そのレベルが上がったかどうかなどは基本的に教会で祈りを捧げることによって神からのお告げという形で自身に返ってきます。冒険者の場合はステータスカードを通じて教えてもらっている形ですね。他にも魔法やスキルによってその情報を可視化する事も可能らしいです。」


 「なるほどね。教会は人々の生活と切っても切り離せないんだね。」


 「はい…人々の憩いの場と言うだけでなく生活の必需という形です。しかもお金を取るわけでも無いですからね。」


 「ありがとう。そろそろ時間もいい感じになってきたし僕は帰りますね。」


 「…はい。お疲れ様でした。」


 図書室を後にして受付に挨拶をして帰る。部屋に入ってこれからの予定を考えていく。とりあえず、掃除の依頼を終わらせたから明日の朝報酬を受け取ってセーフティゾーンでの資金稼ぎかな。後はランクを少し上げて不審にならない所で自分のダンジョンを自分で報告、人を呼んで利用…かな。


 できればダンジョン前に街を作らせたい。その為にはダンジョンが国にとって大きな利益になることを示さなければならなくなる。鉱石でまずは資源用としての利益を示す事ができる。その上でこちらにも利益があるように鉱石と宝箱の出現頻度を調整、後はある程度広さと深さを用意してダンジョン内での過ごす時間を増やさせたいな。


 しかし、デトラトゥスが言っていた。闇側を守ることに繋がっているのかは皆目検討も付かない。だからこそ、何が起こってもいいように俺ができることをやっていかないとな。まずは自分のダンジョンを安定させるところからだ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る