第27話

 今日の予定はポーション類の作成をしてから魔法具の製作に関してかな?それとセーフティーエリアでのポーション販売に関しての相談もギルドでしたいな。朝一から少し時間をずらした時間帯に冒険者ギルドに向かうとみんなが既に出払った後のようで少し閑散とした雰囲気が出ているカウンターに向かいミィスさんを見つけるとあちらも気づいたようで出て来てくれた。


 「おはようございます。今日はポーション類を作成しようと思いまして部屋を貸していただけますか?」


 「はい、もちろんでございます。使用料はギルドに預けられている資金から差し引いておきますね。それと昨日お伝えした素材受け取りの者を待機させておりますのでできれば錬金術部屋に行く前にギルド倉庫の方へと寄っていただけませんか?」


 「勿論です。部屋と倉庫はどちらにあるのでしょうか?」


 「ありがとうございます!今は手が空いているので私が案内させていただきますね?」


 ニッコリとした笑顔でカウンターから出て来てこちらですと案内をしてくれる。だが、チラリとカウンターの中を見るとマジかコイツ…って感じで書類仕事をしていた他の受付の方々が目を見開いて見ていた。なんか、近づいたらダメな感じがしたからサッと目を逸らしミィスさんについて行く。いつも入ってくる玄関口の方ではなくギルドの裏側に繋がる裏口から出て街の外に近い方へと進んでいくと大きな倉庫という雰囲気が漂う場所にたどり着いた。


 「こちらがギルド倉庫になります。基本的には冒険者の方々はこちらに来られませんので安心してご利用ください。カズマ様に関しては話を通しておりますのでギルドカードを見せれば通れると思います。


 また、錬金術を行う際は臭いの問題があったりするのでこの倉庫の隣にある離れの作業棟の一室で作業して下さい。ここ数年は利用する冒険者の方はいらっしゃらないので、ここにいるギルド職員の許可を貰えれば個人の荷物も置いて置けると思います。カズマ様の場合はアイテムボックスがある為気にすることではないと思いますがね。」


 「丁寧にありがとうございます。ちなみにポーションの品質や価格についての相談もしたいのですがそれはまたミィスさんの方に話をしに行けばよろしいでしょうか?」


 「ポーションの値段ですか…?ちなみに何のためかお聞きしてもよろしいですか?」


 「ええ、昨日セーフティーエリアに行きまして、そこで薬草や魔力草を受け取り、その御代にポーションを渡そうかと思っていまして、できればレートや相場などを教えて頂ければと思っています。」


 「なるほど、少しこちらでも検討したい事案ですのでまた明日来ていただいても大丈夫でしょうか?」


 「はい、よろしくお願いします。」


 では、と言ってミィスさんは少し急ぐようにギルドの方へと戻っていった。先日言っていたギルドのトップに話を通しにいくのかな?いくら錬金術師が珍しいからと言って優遇されてばかりで申し訳ないな。等と考えながら倉庫の中に入っていくと大柄で無骨なタイプのおやっさんがいた。


 「こんにちは、冒険者のカズマです。」


 「おう、お前さんがアイテムボックス持ちの冒険者か、俺はイッテツって名前だ。ここの親方みたいなことをしている。よろしくな!」


 「ええ、よろしくお願いします。こちらにある台に素材を出せばいいんでしょうか?」


 「ああ、頼むわ。」


 俺は採取した薬草類はポーションに加工する予定なので出さずにオークを丸々一体置く。ドンッと大きな音がした後倒してすぐの状態のままオークが出てきた。


 「こりゃ凄いな!新鮮な状態のままじゃねえか!これなら、いい肉が取れるぞ!冒険者の野郎どもが持ってくる肉は血抜きもしておらず臭かったり肉の状態が良くないのも多いからな。助かるわ、買い取りの査定にも色つけておくわ。あ、解体分の金額はさっ引いておくぞ。」


 「ええ、よろしくお願いします。僕は作業棟にいるので終わったらまた来ますね。」


 おう!っという声を聞きながらこちらは作業棟に向かい足を進める。

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