第20話

「なるほどです。ちなみにこの国はどんな感じなのですか?」


ミィスさんは少し悲しそうにしながら答える。


「はい、ここシダリア山脈付近はあちら側からも人気がないのかダンジョンが生まれません。なのでこの国、ライリア王国は貧しい国です。貧しいといっても、人は温かいですし農業が盛んで飲み食いには困らないので、田舎生活をしたい人が来たりもするんですよ?」


「なるほど、、だからここのギルドの人たちは荒くれ者って感じが少ないのですね。」


率直に思った感想が口から出てしまった。それに反応したミィスさんが


「はい、そうなんですよ!帝国だとやはり強さが指標になるので向こうの冒険者はケンカ早いのが多かったりいきなりFランクからダンジョンに潜れたりと国によって特性がありますね。


 ちなみに、ライリア王国にも高ランク冒険者は勿論いますよ。彼らはシダリア山脈までの魔の森 深部やシダリア山脈の山頂付近でドラゴンなどの高ランクモンスターと戦う英雄達です。


 なので、ガズィさんも是非この国、できればこの街エルドレアで頑張ってくださいね。」


と留まってほしいみたいたことを伝えてきた。まあ、ダンジョンの関係上そんなことはあまり関係ないのだが。


「よくわかりました。ちなみにお金がないのでとりあえず手持ちの作ったポーションを売ってお金にしたいんですけどこれは買取場で渡せばいいのですか?それとも売店ですか?


それとおすすめの泊まる場所とかはありますか?」


「はい、ポーションの買い取りはカウンターの方に来て頂ければ大丈夫です。また、宿の方ですが木漏れ日亭というところがおすすめになっていますよ。」


「では、カウンターに戻りましょうか、アイテムボックスから出してるのがバレると良くないのでこの皮袋から出してる風に見せかけますね。」


そう言って適当に持ってきた袋を準備する。

そのままカウンターに戻って一応周りを確認してみるが特に変化はなく数人いなくなったくらいだ。


俺はカウンターの上に

ポーション 20本

劣化ポーション15本

魔力ポーション10本

劣化魔力ポーション5本を置いた。


ミィスさんはそれを丁寧に1本ずつ手に取るとまたアーティファクトの一つなのだろうか、何か台のようなものに置きまたすぐに戻ってきた。


「こちらF級ポーション15 魔力ポーション5

D級ポーション20 魔力ポーション10の納品になります。大丈夫でしょうか?この質と量なら金貨10枚となります。使いやすいように金貨6枚と銀貨3枚大銅貨10枚にしておきますね。」


ミィスは手慣れたようにお金を目の前で分けて数えて渡してくれる。


「ありがとうございます。とりあえずお勧めされたところに行ってきてみますね。また来ます。」


「お待ちしております。」

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