第2話


 「では、ダンジョンにおける設定可能な事と君自身のスキルについてだ。」


 おお!ファンタジーっぽい。


「ファンタジーだからね。まず、ダンジョンと君自身どちらから決める?」


 そうだな、俺自身の方向性を決めてからダンジョンを決めた方が効率がいい。俺から行こう。


「よし、じゃあ、君の職業はダンジョンマスターになる訳だけど別枠に種族がある。さっき例に出した獣人系もいれば精霊系、魔物系、魔族系もいる。そして、自分も前線に出て戦う戦闘系や支配する国を全面に出して経済なども扱う内政系。大きくこの2つだね。ダンジョンマスターが表に出る前者は魔王と自称してたりするね。後者は魔王を生み出したりすることが多い。どうなるかは君のスキルの割り振りや身の振り方次第だ。」


ふと気になったんだが、やはり光側の姿でダンジョンマスターになるやつはいないのか?


「うーん、いないねえ、自然発生するダンジョンマスターは基本的に闇側の生き物がダンジョンコアを手に入れることで発生する。だから光側のダンジョンマスターはいない。いたとしても、変わり者の魔法使いが不老不死を目指してアンデッドになってダンジョンコアを手に入れる変なパターンだね。あとは魔族判定のダークエルフくらいかなあ。」


 あ、ダークエルフってこっち側なんだ。


「そうそう、こっち側。じゃあ、わかりやすいようにそちらの世界で言うVRMMOのステータス画面を表示するよ。この機能も君にあげよう。ユニークスキルってやつだね。」


なんだか好意的すぎて寒気がするわ。まあ、感謝はしておこう。


 なになに、まずは名前。伊織一馬じゃ光側の召喚者に気づかれる可能性が高いからな、一馬伊織、かずい、カジィ。うん、カズィにしよう。


 そして次は種族、なんかポイント割り振り制になっているな。なんだこれ。


「君の器を数値化したものだよ。この世界に来るにあたって失った肉体や、これまでの経験、あとは世界への貢献度などを合算してこっちの世界に持って来られる分をわかりやすくしたものさ。あ、私があげたスキルは無料の別枠だから安心して。」


 なるほどな。俺のポイントは5000と多いのかどうか分からん。


「基本的には無いけどもし向こうの平均ポイントを出すとしたら1000、凄いと言われてるルーキーで2500 ベテランで3000、それ以上はヤバいやつって感じ。」


ちなみに最古のダンジョンマスターさんは?


「さあ?すごすぎてわかんない。」


 なるほどね。ポテンシャル評価は高いんだな。


「まあ、君の世界の学問は水準が高い上に日本は曲がりなりにも先進国さ。その分だね。」


 ありがたやありがたやってな。さて、種族の種類によってポイントは様々で、各種族毎に特徴もある。例えば

竜人族 全魔法と肉体戦闘どちらも高水準で知能も高い。1500p


平均獣人族 魔法と知能系は苦手で肉体戦が得意、特に徒手格闘や体の一部を使った特技が有効。平均500p


魔人族 人族の闇版 肌が浅黒く目が赤いのが特徴。知能系や魔法が微妙に得意だが、肉体戦闘は個人の成長による。平均的。250p


他にもダークエルフやドワーフ エレメンタル系 リッチと様々で、能力が高いほどポイントが高い。

一応光側も見てみる。


天使族 精霊魔法や神聖魔法が得意。光側の種族から好意を得やすく神との交信も可能。????????p


人族 一般的な人族。可能性は無限大(笑)。基本的には魔法も戦闘も不得意な弱い種族。しかし、その数と知能は侮れない。鍛え方によっては戦闘も最強。(環境に大きく依存する。) 0p


エルフ 森の狩人。身体能力や魔法に優れ、手先も器用。だが、排他的で他者を見下す傾向が高い。身体自体は脆い。500p


ドワーフ 酒と鍛治の種族。背は低いが、力が強く、暑さにも強い。魔法は不得意。


などなど。



ちなみに人族が0pなのは?


「元々君は人族だったからね。簡単に魂が肉体に定着するんだ。だから0p。ちなみに得意不得意ってスキルの必要取得ポイントに関わるからね。」


 そういうのは先に言ってくれ。と、なると最高効率を目指すなら人族になるわけだ。初期投資はタダな上、可能性は無限大(笑)だから取れるポイントにデメリットもない。メリットもないが。ん?だが魔法や知能系にバフがある。何故だ。


「それは君が生前頑張ってきた事だろ。その分のバフはつくさ。」


 なるほどな、つくづくよくできてるよ。俺の大好きなゲームみたいだ。


「まあ、実際はさっきも言ったように魂に定着させやすいかどうかの話なんだけどね。」


 ならとりあえずは人族になるな。どうせやるなら最高効率で最強を目指すのが楽しいだろ。


「うーん、いいと思うけど多分排斥されたり仲間に入れてもらえる可能性低くなるよ?一応戦争相手の種族なわけだし。」


 人族がダンジョンマスターになることは無いんだろ?ならダンジョンマスターの時点で闇側の説明になる。それに、最悪お前が出張ってこい。私が認めましたってな。闇の神様よ。


「あらら、流石にバレてたか。なら改めて、闇の神 デトラトゥスである。」


いまさら威張ってもねえ。


「まあ、君はその態度でいいと思うよ。私も気軽に話せて楽しいしね。実際私が世界に声をかけることは難しいんだ。光側の神もそれは同じ。転移させた者たちに言葉を伝え間接的に声を届けたり神官から伝えたりしてるみたいだけど、こっち側そういうのはあんまりしてなくてね。そのかわりに私の加護をあげよう。それが証明になる。基本的に加護を持つ者は尊重されるから大丈夫なはず。」


 証明方法はどうする?相手からわからないと意味がないぞ。


「うーん。向こうのダンジョンマスターでもたまーに鑑定を持ってるからそいつに証明して貰うしかないかな。基礎鑑定ばっかだから偽装したらバレないけどね。」


なるほどな。よし、次はスキルだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る