理屈じゃない。高潔さでもない。本能で生きる。その眩しさ、かっこよさ。

 美しいバイオレンスだった。
 かっこよく、切なく、おどろおどろしい。かっこいい小説というのは、こういうものをさすのだと思う。
 理屈じゃない。高潔さでもない。本能で生きる。その眩しさ、かっこよさ。
 設定の特殊さ、ビジュアルでイメージするとなんとも恐ろしいその病の設定が、ここまで美しい友情物語になるとは。
 爆ぜる銃声と、飛び散る脳みそと、美しいピアノの旋律と。それらが混ざり合う、極上のエンターテインメントのシンフォニーだった。