ペルソナ アナグラム2

七海美桜

登場人物紹介

第1話 登場人物紹介 part5+前作「アナグラム」リンク

前作であるシリーズ第一部 「アナグラム」https://kakuyomu.jp/works/1177354054958667377


一条いちじょう櫻子さくらこ

六月十日生まれのA型。京都大学法学部卒業まで大阪で育つ。大阪府池田市生まれ。幼少期に両親は死亡。大学卒業後警視庁に入り、スピード出世して二十六歳で警視となる。その年に大阪曽根崎警察署に新設された、『特別心理犯罪課』の課長として異動となる。犯罪者心理を得意としており、主にプロファイリングで捜査一課に所属していた。鑑識の経験もあり。『我儘で横暴な女王。体を使い出世した』と噂れるが、本人は気にしていない。前下がりのボブカットで、青味が強い赤い口紅を好む。スタイルも良く気の強そうな美人。常にハイヒールとブランドのカバンを身に着けている。母の妹夫婦(一条百合)に育てられた。犯罪は許さないが不条理を仕返しした犯罪に関しては何処か共感する事が多い。犯人の知られたくない事情等を報告せず、独断で闇に葬っている。初めて恋をした相手・流星の人格を桐生に壊された事により、桐生に対して憎しみを増す。信頼していた部下だった笹部に裏切られ、桐生親子を殺害する決意をした。警察上層部に、不信感を抱き始める。両手利きで、特に左手での拳銃の取り扱いは、大会で優勝するほどの腕前。



桐生きりゅう蒼馬そうま

大阪府豊中生まれ。十年ほど兵庫県赤穂市の水耕農場の地下に作られた、公安が管理していた秘密裏な監獄に収監されていた。彼の犯罪経歴の多くは、現在は謎のまま。関西の未解決事件の大半が、彼の仕業と思われる。櫻子の両親と何らかの因縁があるらしい。端正で繊細そうな、緩いカーブの髪の色素が薄い瞳の、細いフレームの眼鏡をかけた三十代半ば過ぎぐらいの姿。IQは高く、櫻子曰く「IQの高いサイコパス」櫻子と彼女の母親である『佐久間菫さくますみれ』に執着しているらしい。父親は、現在参議院議員。母と妹の4人家族だった。櫻子の扱う事件を彼女より先に解決しているように見せかけていたが、実は彼が事件の首謀者だった。クラシックが好きで、ヴァイオリンとチェロを弾ける。櫻子に余計な虫が付くのを嫌い、また櫻子の精神がもっと強くなるように彼女に悲惨な事件を体験させている。現在は、櫻子を自分のもののように接する桜海會の香田に対して、苛立っている。赤穂市の牢獄で櫻子と面会していたが、脱獄して息子の静馬と共に逃亡。



桐生きりゅう静馬しずま

神奈川県出身の笹部ささべ亮樹りゅうきになりすまし、櫻子の部下として一緒に行動していた。本来の年齢は二十三歳。蒼馬と彼の母の朱音との間に産まれた子供。産まれた時は施設に預けられていたが、桐生に攫われて幼少期から殺人教育を受けていた。本人はサイコパスではなく、ナイフを使って人を殺すのを好む快楽殺人者。IT関係は強い。細身だが筋肉は鍛えており、運動能力は高い。長い前髪だが、左側は梳き撫で上げている。左の目の下には、櫻子が撃った銃の玉がかすった痕が残っている。桐生のコピーであると自覚していて、彼の思考を模倣している。また、幼い頃から桐生が起こした事件を『真似て体験』して、より「桐生になろう」としているらしい。現在は蒼馬と共に逃亡中。



篠原しのはら大雅たいが

八月五日生まれの O型。兵庫県宝塚市出身。二十八歳。大阪の南署管轄の道頓堀交番勤務だったが、櫻子に選ばれて巡査部長に昇進して『特別心理犯罪課』に配属。所謂お巡りさんから刑事へと変わった。身長は186㎝。櫻子曰く「篠原は『善人』で『正しい事』に導いてくれる人物」高校を卒業して警察学校に入り、警察庁に入った。学生の頃から剣道をやっていて、体格はがっしりしている。兄夫婦は通り魔に殺され、姪の『唯菜ゆいな』と実家で暮らしていた。が、静馬により両親が殺され、香田の母の頼子の家で居候させてもらう事になる。日常的に身体を鍛えている。

櫻子の脆い部分を見る機会が多く、彼女の力になりたいと恋心に似た思いを抱き始めている。しかし自分の不甲斐なさと彼女を取り巻く人物達に圧倒されて、恋心を隠しながら櫻子を支える。最近、犯罪心理について勉強し始めた。ひらめきに強く、桐生が櫻子に当てて出していた『アナグラム事件』の『アナグラム』を解く事が出来た。櫻子に「拳銃の扱いに慣れて欲しい」と言われ、現在訓練中。一緒に頼子の家で暮らす桜海會の池田、また曽根崎警察の竜崎と最近仲が良い。



朽木くちき紫苑しおん

櫻子とは古くからの知り合いらしい。二十歳くらいの見た目だが、どこか大人びた雰囲気。暴力団関係をひどく嫌っているが、桜海會は役に立つことと櫻子が信頼しているためある程度の距離を保ち協力する。昔は世界的なブラックハッカーだったらしい。その為、静馬以上のITスキルを持つ。見た目はダークシルバーの髪にピンクやパープルのメッシュが入っており、後頭部で無造作に一つに括られている。長めの前髪は、ピンで留められている。ブルーのカラーコンタクトをしている。声は、低めのハスキーボイス。身長は低めで、それを補うようにソールの高いブーツを履いている。夏でも赤い長袖のシャツに黒いジャケット、ダメージジーンズ姿。自分の話をあまり話したがらない。チュッパチャップスをいつも口にしている。好きな味は「コーラ」



真田さなだ伊織いおり

関西の指定暴力団『桜海會おうみかい』の専属弁護士兼会計士。髪はきっちり撫でつけて整え、ネクタイもきっちり締めた神経質そうな男。しかし、繊細そうな端正な顔立ちをしている。年齢は二十九歳。組が経営しているキャバクラやバーの女の子に人気があるが、派手な女性は苦手。しかし、櫻子は知的なので嫌いではない。父の源治が二十二年前に冤罪を隠ぺいした事件を自分の手で再審出来て、櫻子に感謝している。池田と行動する事が多い。



香田こうだ雪之丞ゆきのじょう

関西の指定暴力団『桜海會おうみかい』の若頭。組がいくつか経営するキャバクラやホストクラブ、バーのオーナーとして収入シノギをまとめている。女好きのする渋みのある男。三十八歳。逞しい体つきで、背中の彫り物は東洋龍と虎の絵柄。組の方針で、薬は組に入れない。薬に手を出す若いものは処分している。穏やかそうにも見える表の顔とは違い、冷酷な一面もある。また、腹違いで跡取りだった義兄の雪近を殺したのが桐生だと分かり、彼を「殺しても構わない」という約束で警察と取引をする。その内容は、「恒成勲、一条櫻子、篠原大雅、朽木紫苑、佐久間馨、篠原唯菜の護衛」美人刑事の櫻子に興味がある様子。その為櫻子が事件を解決すると、酒に誘っていた。だが、桐生と対面して彼の異常さと凶暴さを肌で感じて、本気で櫻子の事が心配で愛しく思うようになった。桐生の催眠暗示に抵抗できる意志の強さがある。反社会勢力であるにもかかわらず皮肉な事に、現在櫻子にとって一番信頼できる相手。



篠原しのはら唯菜ゆいな:篠原の兄の子供。篠原と篠原の両親で育てられている。小学校五年生。2016年に起こった『宝塚連続通り魔事件』で、当時六歳の唯菜の目の前で両親が殺された。犯人である森田もりたゆずるは、心神喪失と診断されて無期懲役となり医療刑務所で服役している。目の前で惨殺された親の事は記憶操作によって、事故死だったようにすり替えられている。そのお陰でようやく笑顔を見せる様になり、何故か櫻子に懐いている。大人しく、あまり我儘を言わない。記憶操作の影響か、幼い印象。ツインテールが好き。池田と竜崎の事が最近お気に入りで、彼らに懐いている。一人で曽根崎警察署に行く事が出来るようになったので、たまに遊びに来て篠原を困らせる。しかし、笹部と名乗っていた静馬に対して、一番最初に恐怖に似た感覚を抱いていた。祖父と祖母が殺された事を教えられていないが、知って受け入れているような素振りを見せる。香田頼子の家に下宿するが、祖母のように彼女を慕う。



池田いけだ哲平てっぺい:桜海會の若手。二十四歳。ピアスや指輪を沢山身に着け、ブレスレットなど派手なものが好き。明るく意外に世話好きで、香田の護衛の一人で彼の世話係として大抵一緒に行動している。正反対の性格の真田を「真田せんせ」と呼んで、親しくしている。金髪にカラーヘアピンで前髪を留めている。左の口元に黒子がある。十二年前に誰かに包丁で刺されて生死の境をさ迷ったらしい。本人はそれがトラウマになっているようで、PTSDを起こす程。詳しい事は香田と真田にしか話していない。子供好きで、唯菜を可愛がる。香田に命じられて、櫻子の護衛もする時がある。頼子の家で護衛という名の下宿をしている。



宮城みやぎ:曽根崎警察署の捜査一課課長。警部。四十三歳。高校から警察学校を卒業。昔ながらの捜査方法を続けていて櫻子着任時は良い顔をしなかったが、彼女が『形だけのエリート思考ではなく、弱者に寄り添い正しい事をしなければならない』という信念を持っている事を知り協力的になる。独身で、あまり身の回りの事に気を遣わない。実は、甘いお菓子が好き。櫻子に教えられた『桐生蒼馬』の恐ろしさを、『妊婦連続殺人事件』を起こした犯人を通してようやく理解した。奈良県宇陀うだ市出身で、兄夫婦には三人の甥がいる。本人は独身。

家族を惨殺された竜崎を心配して、自分の住む警察官舎の隣の部屋に彼を住まわせて気にかけている。



竜崎りゅうざき海斗かいと:兵庫県伊丹市出身。曽根崎警察署の捜査一課所属。警部補。二十九歳。甘い顔立ちの爽やか好青年で、キタ管轄の婦警人気毎年TOP3(らしい)離婚した母がいる実家で一緒に暮らす姉と弟がいたが、静馬により全員殺害された。その第一発見者であるため、時折精神的不安定になる。元々は世話好きで、バディである無頓着な宮城の世話を好んでしている。細く見えるが、空手は全国大会出場経験のある猛者。宮城が甘いものをこっそり食べるので、彼の血糖値が心配なこの頃。桐生の起こした事件が繰り返し行われている事を、一番に見つけた。篠原の優しさと父の様な宮城に精神的に助けられている。櫻子を見ていて、自分も心理分析について学ぶ決意をする。蒼馬以上に静馬を激しく憎んでいて、静馬の話はあまりしたがらない。



一条いちじょう百合ゆり:菫の妹で、櫻子を引き取り育てた。洋食が得意。櫻子によくケーキを作っていた。誕生日には必ず、フルーツのタルトを作っている。菫に対して劣等感を抱いていた時期があった。

一条いちじょう真咲まさき:百合の夫であり村崎刑事局長の従弟で、櫻子の養父。村崎に指示されて、櫻子を厳しく育てた。

かつら澄清すみきよ:櫻子が住むタワマンのコンシェルジュ「須藤」と名乗っていたが、公安に所属していて秘かに彼女の護衛をしていた。桐生親子が逃亡してしまったため、桜海會に櫻子達「対桐生親子班」関係者の護衛を桜海會に頼む。

青山あおやま仁志ひとし:第二公安捜査、第三係所属管理官。兵庫県赤穂市に作られた水耕栽培で働く工場長の振りをして、地下に収監している蒼馬を監視していた。蒼馬により精神破壊を受け、廃人にされる。

桐生きりゅう斗真とうま:蒼馬の父。昔弁護士をしていて、現在は参議院議員。蒼馬に刺された過去があるらしい。

室生むろう:曽根崎警察署の署長。

市井いちい:曽根崎警察署の副署長。

桐生きりゅうまゆ:蒼馬の妹。精神病を患い、精神病院に入院中。実の兄に監禁・強姦され女の子を産んだ。その子は誘拐されて行方不明。蒼馬は「その子は死んだ」と発言している。

さかき慎太郎しんたろう:『桜海會』会長で、雪近と雪之丞の父。

香田こうだ頼子よりこ:慎太郎の妾で、雪之丞の母。京都出身。昔外科医をしていた。「女の子を育てたい」と、篠原を説得して自分の家に彼と唯菜を下宿させる。「組とは関係ない」と常々言っているが、慎太郎の事は愛しているらしい。

流星りゅうせい:本名は司悠聖つかさゆうせい。桜海會が経営するホストクラブ、『Majestyマジェスティ』の店長ホストだった。櫻子と淡い恋人関係だった。しかし桐生親子に作られた殺人鬼ホストに人肉を食べさせられたショックで、人格を破壊され五歳ほどの精神年齢にされた。実家の兵庫県で療養する。

恒成つねなり:警視庁の警視正。櫻子をフォローする。刑事局長が殺害されたため、何らかの異動があると思われる。

真田さなだ源治げんじ:伊織の父。今は引退しているが、昔は検事。しかし、彼が関わった事件は冤罪の可能性のものが多く『西の悪魔』と、警察や検事、弁護士の中では有名だった。

佐久間さくまかおる:櫻子の母方の祖父。菫と百合の父親。菫と幸也が死亡してから、まだ若いのに施設へ入居していた。櫻子が大阪に帰ってくる頃に紫苑はその施設に潜り込み、彼の護衛をしていた。現在は桜海會が護衛する事になり、組が運営する施設へ変わった。菫と櫻子が彼にとって自慢だが、菫が亡くなった時の話はほとんど口にしない。



故人

村崎むらさき:刑事局長。従弟夫婦の嫁が櫻子の母の妹の百合だった事により、桐生との取引の窓口を前の刑事局長から引き継ぎ担当していた。蒼馬により洗脳されて無自覚に警察内部の金を蒼馬に送金していた。邪魔になり、静馬に殺害された。

佐久間さくま幸也ゆきや:櫻子の父親。彼女が小学生の頃に『殺された』らしい。交番勤務の巡査だった。

佐久間さくますみれ:櫻子の母親。車に撥ねられたらしい。交番勤務の巡査だった。

桐生きりゅう朱音あかね:蒼馬の母。故人。息子に監禁・強姦されて男の子を生んだ。精神を病んで自殺。その子が静馬である。

篠原しのはら仁雅ひろまさ:篠原の父親。地元の農協に勤めている。静馬により殺される。

篠原しのはらやよい:篠原の母親。専業主婦。笹部を装っていた静馬を可愛がっていた。静馬により殺害された。

篠原しのはら雅史まさし:唯菜の父親で、大雅の兄。2016年に起こった『宝塚連続通り魔事件』にて刺殺された。

篠原しのはらゆい:唯菜の母。2016年に起こった『宝塚連続通り魔事件』にて刺殺された。

さかき雪近ゆきちか:慎太郎の息子で、雪之丞の腹違いの兄弟。故人。蒼馬に殺されたらしい…?

竜崎りゅうざき小百合さゆり:竜崎の母。夫とは離婚して、子供達と住んでいた。静馬に殺害されてしまう。

竜崎りゅうざき月子つきこ:竜崎の姉。離婚後家に帰ってきて、家族と生活していた。広告代理店で働いている。静馬に殺されてしまう。

竜崎りゅうざきりく:竜崎の弟。地方銀行の総務部で働いている。実家暮らし。静馬に殺されてしまう。

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