雪景色

「雪だよ」

 君の声が跳ね上がって、僕は窓の外を見た。ちらちらと輝く白い粒が、無数の星のように舞っていた。

「外、行こうよ」

 君はカウンターから身を乗り出して、キッチンで料理をしていた僕にそう言った。

「寒いからなぁ」

「料理はいつだってできるけど、雪は今じゃないと溶けちゃうよ」

「分かったよ。行こう」

「やった」

 彼女の少し怒りを込めた声に、僕は折れた。

「わぁ」「おぉ」

 玄関を出ると、僕らの声が重なる。

「綺麗だね」

「うん」

 思わず見とれてしまう美しさだ。なんでこんなに幻想的なんだろうか。

 僕らはそっと手を絡めながら、輝く雪を見つめていた。

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