「理解しない」を理解する

千早丸

(01)義家族の病気


 旦那様のお姉さんの娘、つまり義理の姪が20代前半で「統合失調症」と診断された。


 統合失調症とは、大雑把に言えば「思考がコントロールできなくなる」症状のこと。似た症状で「うつ病」があり、こちらは「感情」のコントロールが難しくなる病気。

 脳の情報伝達物質ドーパミンの異常だ、と言われているが、実は原因も治療方法もはっきりとは確立されていない。発症は100人に1人と珍しい病気ではないが、原因が「脳」というブラックボックス器官なため、研究が進みにくい分野である。

 現状は対処療法がメインで、それでも発症から対処が早ければ、そして家族など周囲のサポートがあれば、社会復帰できうる病気だ。


 姪っ子は、しかし治療抵抗性統合失調症(薬が効きにくく治療が難しい)であり、家族からの理解も難しい環境だった。

「理解が難しい」というか、皆無だった。

「精神病なんて恥だ」

「一生籠って、表に出るな」

「女のくせに嫁にもいけず、みっともない」

 一定以上古い方々のもつ価値観で、不幸にも姪の祖父がコレだった。

 まぁ、コノ手の思考者へ対処はヤリようもある。

 最大難関は、姪の母親、法律的に保護者の義姉が「理解しない」人だった。

 理解できないから、すべてが「わかんない」「知らない」で終わる人。


 この「理解しない」相手に、十数年も無駄な努力を続けている、愚痴話です。



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