悪夢

@yukinokizuna

第1話 旅立ち

それは明け方でした。

シルヴァー様の部屋から、うなされる声が聞こえてきました。私はすぐにかけつけました。シルヴァー様は汗びっしょりで体を起こされていました。

「シルヴァー様。どんな夢を見てうなされていらっしゃたのですか。」

「詳しい内容はいえないが悪夢だ。しかし、こうも毎日続くのはおかしいな。」

「シルヴァー様の心あたりは何かございますか。」

「黒魔術かもしれん。リサ、そなたの白魔術で診てくれないか。」

「かしこまりました。」

私は魔法力を右手にこめシルヴァー様の体に触れました。ナイトの称号を得られたシルヴァー様の体の筋肉もおちてきているように見えました。

「あちっ。」

私の白魔術の魔法力ははじき返されました。

「リサ。大丈夫か。」

「シルヴァー様。やはり黒魔術のようです。私も白魔術師ですが今の力量では無理のようです。伝説の白魔術師ドールフ様のもとで修業することをお許しください。」

「ドールフ様か。オレも居場所を知らないし、そなたはカトゥラーンからでたことがないではないか。」

「危険な旅になることは承知の上です。」

シルヴァー様は困ったような顔をされていました。私は反対されてもシルヴァー様のために行くつもりでした。

「わかった。一人では無理だ。オーチェを連れていくがいい。」

「ありがとうございます。必ず成果をあげてみせます。」

こうしてシルヴァー様の従者で白魔術師の私。リサは見習い騎士オーチェとともに伝説の白魔術師ドールフ様を探す旅にでました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る