無限の可能性

早見泉

無限の可能性編

プロローグ

その日は、普段の日常と変わらない様に思えた。

 いつもの様に学校へ登校して、いつもの様に授業を受け、たまに池田達に絡まれる。

 そしていつもの通学路を歩き、家へと帰宅する。


 そんな風に過ぎ去る、いつも通りの日常。何も変わらない普段の日常。────の筈が、何故か今日は少し違った。


 それは、週に一、二回程ある池田達からの恐喝の時だった。

 いつもなら俺が現金を渡すことは無く、時間だけが過ぎて終わるのだが、今回はそれに変化があった。


 助けられたんだ。

 それも、不良カーストのトップなんて噂されるクラスメイトに。


 高校に居る間に一度も関わらないなんて事は無かったんだろうけど、深く関わる事も無かっただろう彼に俺は助けられ、そして何となく、仲良くなった気がした。


 それだけ。

 たったそれだけで、何の変化もない俺の日常が、その日は大きく変わった気がした。


 ────とは言えだ。


 何も........何も世界まで変わるなんて、思いもしないだろう?



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