平和について①

まず、言葉の定義から。


へい‐わ【平和】

①やすらかにやわらぐこと。おだやかで変りのないこと。「―な心」「―な家庭」

②戦争がなくて世が安穏であること。「世界の―」


広辞苑より


はい。

そして、前提条件を書きます。


①この世界には色んな人が居ること。

②世界には誰も抗えないルールがあること。


説明します。


色んな人が居る。こんなの皆知っていますよね。誰でも知ってる。色んな考えの人が居ます。それ自体は否定できないでしょう。

「同じ人」は存在しません。同じ場所に存在できません。必ず、位置が違います。生まれが違います。環境が違います。暮らしが違います。言語が違います。


これは当たり前。

そして、『違うから』『争う』のですね。これも当たり前。国が違うから。利益が違うから。事情が違うから。武力が違うから。


そして、この世界のルール。物理法則などに代表される、どうしようもないルールがあります。『こうすればこうなる』という、客観的に納得のできるルールです。この認識を共通にしないと議論ができません。現実を捻じ曲げる人達も居ますからね。それも『色んな人』の範疇ですけれど。


――


さて。

長々と書くことでも無いかもしれませんが、この回では『どうすれば人類世界に平和が訪れるか』という具体的な手段のお話をしようと思います。私の考えですよ?


平和の形はいくつかあります。現実的に実現可能かどうかはこの際さておきます。


①人類の数を『1』以下に減らす。


②『考え』の違う者を全て排除し、同じ考えの者達のみで平和とする。


③全人類が同じ考えとなるように洗脳する。


④絶対に争いを許さず見逃さない、見付けたら即罰則の監視社会


⑤相互不可侵


これ以外にあれば教えてほしいです。『色んな人が居る』のが前提である以上、これ以外で争いが消えることは無いと思います。

まず、言葉での説得は不可能です。それは人類史が証明していますね。しかも、仮に説得が成功したとして、それは洗脳と同一です。人の考えを矯正した訳ですから。


①は必然的に、誰が誰とも争うことができなくなります。どっかの人気漫画でも言っていましたね。生物としての目的『生きる』に反しますので現実的レベルは下がりますね。絶滅しちゃったら元も子もないので。これは却下でしょうね。

③はまあ、いずれ科学でできそうな気もしますけど。怖くないですか? SFホラー映画でありそうですよね。


では。

②はどうでしょう。これが人類史で最も多く使われてきた平和手段だと思います。

攻めてくる(考えの違う)敵を打倒して平和を。

分かりますか?

悟空も仮面ライダーも、ルフィも炭治郎もプリキュアもセーラームーンも『これ』を使って平和にしています。敵(考えの違う者)は必ず存在するので、それを倒すことで平和にしています。それを『面白い』『正しい』と、読者視聴者に認められて人気になっている訳ですね。

だって、仲間を傷付ける奴なんて許せないでしょう? 人を食べる奴と仲良くなんてできないでしょう? それらを笑って受け入れる、なんて、頭がイかれてるとしか言えませんよね。


どこまでの範囲が『仲間』なのか。どこからが『敵』なのか。よく考える必要があります。しかし、人が『色んな考えでいる』ことは否定できないので、『敵対する人』も必ず居ることになります。


そして、平和に暮らすイメージができる人。その平和は、一歩外へ出れば誰かがそのツケを被っている上での平和だと理解しているかどうかですね。

ゴミで例えます。部屋が汚いから、掃除しました。ゴミ袋がゴミでパンパンになったとしましょう。

捨てますよね?

では次は、ゴミステーションがゴミで溢れます。

業者さんが回収しますよね?

では次は、回収業者さんのトラックがゴミで溢れます。

次は?

次は?


……自分の部屋が綺麗なったからといって、世界全てが綺麗になった訳じゃありません。どこかでそのゴミを被る人が居ます。

日本で戦争が無いからって、世界が平和じゃありません。

よしんば世界平和が実現されたとしましょう。しかしそれでも、地球の外で何が起きているか全てを把握できないでしょう?

①で、人類が1以下に減れば人同士の争いは無くなると言いました。しかしそのひとりが生きていくために動物や植物を殺すでしょう?


平和ってなんですか?

何事も程度問題。

まずは自分の平穏。次に家族。そして町。国。友好国。


せめてこのくらいまでの範囲に絞らないと現実的レベルは飛躍的に難易度を高めていきます。それに気付かず世界平和を謳うことのなんと愚かしいことか。

なぜなら、この世界には『色んな人が居る』から。善人が居れば殺人鬼も居ます。当然に居ます。捕まって刑罰を受ければ、その殺人鬼は主観的には平和とは言えないでしょう。


殺人鬼に平和を与えなくて良いとするなら、やはり私の②が妥協案なんじゃないでしょうか。


それとも、どんな犯罪者だろうと捕まえることも罰することもせずに愛しますか? その愛を全人類に強制しますか?


敵を排除することは平和にとって近道です。

戦争は、『自国の』平和の為に行う平和維持活動です。そう言われて、完全な反論はできないんじゃないかと思います。


違うというのなら、あなたは私と戦争状態ですが。それでも私を敵と言わずに認められますか?

と、意地悪なことを言う人もいるでしょう。色んな人が居ますから。

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