「金で解決できるものは金で解決、それが俺の信条だ」……「ケーシー様の金づかいの素晴らしさを言い尽くせようはずもありません」

 金が欲しい。俺は、金が欲しい。すべてのお金は大事だ。どんな細やかなお金も大切に貯めておきたい。


「ケーシー!」


 俺はケーシーに食ってかかった。


「また! 金を無駄づかいしただろ!」


 ケーシーは涼しい顔で答える。


「無駄づかいなんてしてねーよ。ちゃんと解決しただろ」

「金を使わずに解決できただろ!」

「そりゃあダメだ。金で解決できるものは金で解決、それが俺の信条だからな。曲げらんねーよ。俺の金だし。節約はお前の金でやれよ」

「俺の金は大事にしてるよ! 白銅貨一枚一ドニカだって無駄にするもんか」

「ならいいじゃねーか」

「お茶が入りました~」


 俺とケーシーのやりとりなどどこ吹く風で、メイドのクロがテーブルに紅茶とクッキーを並べる。


「クロ! 澄ましてないでなんか言ってやってよ!」

「とおっしゃられましても。私ごときただのメイドが、ケーシー様の金づかいの素晴らしさを言い尽くせようはずもありません。芸術的、華麗、鮮やか、いえいえ、そんな言葉では言い表せないですね」

「どいつもこいつも〜〜〜〜〜」


 俺はギリギリと歯ぎしりする。なんで、こんな金づかいの荒い連中と旅をせにゃならんのだ! まあ、そりゃ……俺が選んだことだけど。

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