第6話 たかし



「アンジェはなんというか、本当に不思議な子だね」



 妖精がしみじみと呟きました。



「私はたかしの方がよっぽど不思議な生物だと思うけど」



 アンジェリークは読んでいた本から顔も上げずに言いました。たかしというのは妖精の名前です。彼、雄雌はないらしいですが、個人を呼ぶ名前はないとのことなのでアンジェリークが適当に付けました。もしこの場に前世の妹が居たら鋭い突っ込みを入れていたことでしょう。適当にも程があると。



「生き物としての話じゃなくて人格の話をしてるんだけど」


「あら、完璧な令嬢と呼ばれる私がどう不思議なの?」


「普通の御令嬢は賊をあんなふうにぶっ殺したりはしないよ」



 たかしが指した先では賊のリーダーが己の剣ごと唐竹割りにされていました。場所は例の如く黒の森の砦です。



「なんで黒の森って無闇矢鱈に砦が転がってるの?」


「知らないよそんなことは。あと、都合が悪いからって急に話題を変えないの」



 仁王立ちで前を飛ぶたかしにアンジェリークは頬を膨らませます。確かに御令嬢は賊を唐竹割りにはしないだろうなと思ったからです。鍛えている姉でも無理でしょう。



「この太刀が切れすぎるのが悪いの。人を二つに裂いて大した手応えがないんだもの」


「どこでそんな魔法剣手に入れたんだよ」


「この森だけど、魔法剣?」


「魔素が凝縮されてるし、アダマンタイトにしても巡りが統制されすぎてる。古代文明の遺産って奴だ」



 古代文明と言われてアンジェリークは自宅にある怪しげな古書を思い出しました。あまりにも胡散臭すぎて興味を引き、公爵も同じような理由で所有している本です。内容は理路整然としてはいるけど憶測ばかりで一切証拠がないあたりよくできたものだとアンジェリークはとても気に入っていました。



「妖精って都市伝説とか好きなの?」


「アトラスは実在したからね? 刀剣が時代遅れで金属片飛ばしたり核反応を利用した兵器を使って戦ってたような文明だよ」



 たかしのセリフで一気に真実味が増しました。地球が辿った歴史をこの世界も辿って、滅亡しているあたりむしろこの世界の歴史を地球が辿っていると言うべきでしょうか。



 絶対に裏切らない味方とは言え、転生について知られた場合の反応が不明なため、アンジェリークは表情におくびにも出さず会話を続けます。



「……この太刀が古代文明の遺産だとして、なんのための物なの?」


「多分だけど、剣術の練習用じゃないかな。斬れるように斬らないと斬れない刀。文化として剣術が残っていたからね。たしかそんなのがあったはず」


「ふぅん」



 アンジェリークはおもむろに立ち上がり、真っ二つになったリーダーの革鎧に太刀を適当に叩き付けました。真っ二つにされた革鎧は斬れることなく太刀を弾き返しました。そして次に二つに分かれた首に太刀を当て、ゆっくり引いて胴体から切り離しました。



「……だからあの賊は宝物庫に放置してたんだねコレ」


「良く斬れるのなら自分で使うだろうしね」



 太刀は美術品というのは今世でも前世でも変わらないようです。



 アンジェリークは読んでいた本を背嚢に入れ、続いて頭を革袋にしまうと同じように背嚢に入れました。



「生首以外を持って帰るなんて珍しいね」


「魔法書は興味があるもの。他は別に興味ないし」


「そりゃ、公爵家のお嬢さんならお金に困ってないだろうけどさ……あと、生首を冒険者ギルドに持って行くのは止めてあげなよ」


「他に何で賞金首を殺したって証明するの?」


「手配書に書いてある特徴的な物とか持って行けば良いでしょ。受付のお姉さん毎回涙目になってるし」


「それじゃ、倒したかどうかわからないでしょ。盗んだって言われれば証明できないし」



 生首を屋敷に持ち込むことは禁止されました。代わりに冒険者ギルドに証明書を発行してもらうように言われました。アンジェリークが賞金首を倒したということを報告したいのだという点は公爵に理解されたのです。最上級貴族の令嬢でありながら家長へ相談せずにギルド証を取得するというお転婆とかやんちゃとかを通り越した暴挙は生首を持ち帰るよりはインパクトが弱かったせいで見逃されました。



 生首を冒険者ギルドに押しつけた公爵ですが、相変わらず修羅場でした。実害が生首ぐらいしかない冒険者ギルドと違い、家族が悪夢と化している公爵家ではその深刻度は当然違うのです。目下の悩みを他者に押しつけても根本的な原因が解決されることはありません。



 当然、公爵の仕事の効率も大分落ち込んでいるのですが、元々公爵がおらずとも大体は回るような体制を作り上げていたため今のところ問題は出ていません。万が一を考えた組織改編でしたが、まさかこんなことで役立つとはと公爵は思わずため息をつきました。



「天才だとは思っていたがまさかここまでとは思わなかった」



 深いため息をつく公爵にそう言ったのはアンジェリークの剣術指南役のゲルトです。実際には元指南役と言うべきでしょうか。任を解かれたわけではないですが、アンジェリークの剣術は異質すぎるため指南するにも研究が必要だと言って自身の鍛錬に明け暮れているからです。アンジェリークに触発されて剣術への熱意を取り戻したのでしょう。どう考えても職務放棄ですが、もやは公爵にとって些事なため特に何も言われませんでした。



 そのゲルトの手にはギルドから発行された討伐証明書があります。生首を持ち帰って以降、アンジェリークは毎日のように賞金首を狩りに出かけていき、そして生首をギルドに提出していました。最近では近場の賞金首が減ったらしく、日を跨いで帰ってくることもしばしばあります。



「黒の森の賞金首を鹿の如く狩るとは、冒険者は今まで何をやっていたのやら」



 ゲルトはくつくつと笑います。黒の森の賞金首というのは冒険者ギルドでも難易度の高い賞金首で、殆どが塩漬け状態なのです。無頼者の集まりとはいえ砦を拠点化しているため攻め入るのに同数以上の戦力が必要なので、クランと呼ばれる傭兵団規模の冒険者集団でもなければ攻略が難しいのです。単独で狩りでもするように攻略するアンジェリークが異常なのです。



「初見殺しだろう。私も見たが、あの速さに即対応できるのは近衛騎士クラスでもないと無理だ」


「初見殺しは個人戦闘の基本だろう? なんの問題がある」


「初見を破られたらどうするというんだ。同等以上の相手にすぐに対応できるほどあの子に経験はないんだぞ」


「そのくらいのことが分からないほど馬鹿じゃないだろ。対策ぐらい考えてるさ」



 心配する公爵に呆れたようにゲルトは言いました。初見殺しだけじゃつまらないという理由で普通の剣術の足捌きのみで賊のリーダーと戦ったりしている事実を二人は当然知りません。



 二人のいる執務室のドアがノックされ、メイド長が入ってきました。メイド長は一瞬ゲルトを咎めるように視線を向け、すぐに公爵へと戻しました。



「旦那様、教会より祓魔師がお見えです」


「おお来たか!」



 公爵は希望を見たとばかりに立ち上がると急いで客室へと向かいます。客室には壮年の男性祓魔師と、先日来ていたローザが居ました。



「ローザです。お久しぶりです」


「ダニエルです」



 立ち上がって自己紹介をした二人に公爵は笑顔で二人に握手を求めます。



「よく来てくれた! 君も娘の相手をしてくれてありがとう」


「い、いえ、お役に立てず申し訳ございません」



 アンジェリークの現状を手紙にて大まかに知っていたローザは、公爵に叱責されるかと思っていました。しかし予想外の歓迎に戸惑いました。



「君との手紙のやりとりは娘がとても楽しんでいる。他の令嬢ともやりとりはしているが、心待ちにしているのは君ぐらいのものだ。良ければ今後とも仲良くしてやってくれないか?」


「こちらこそアンジェリーク様とのお手紙は感謝しております。宜しければ今後とも喜んで続けさせて頂きます」



 良識派として名高いザクセン公爵家との強い繋がりを得られたことを喜ぶべきか、やべー奴にガッツリ目を付けられたことを嘆くべきかローザは判断に迷いました。



「今日呼んだのは娘の事だ。彼女から話は聞いているか?」


「はい、聞いております。しかし、ローザが破魔を違えるとは思えません」



 ダニエルは不服そうに言いました。公爵相手にその態度はマズいだろうとローザは隣で冷や汗を流します。教会は俗世の権力に阿らないとはいえど、限度というのがこの世にはあるのです。祓魔師という存在は稀少ゆえその辺りの分別のないものが結構いたりします。



「私も彼女が優秀である事に疑念は持っていない。でなければその若さで祓魔師には選ばれないだろう。しかしだ、特に剣術もなにも学んでいない娘が木刀を持ったその日に黒の森へ行き、賊共の潜む砦を単独で攻略してくるなど何かに憑かれているとしか思えんのだ」


「それは……確かに典型例ではありますが」



 性格が大きく変化し、本人がやったことのない事を当然のように行えるというのが取り憑かれた者の典型的な例です。アンジェリークはそれに該当するため祓魔師にエクソシスムを依頼したのです。



「ただ、娘の場合は性格の変化が一切ない。剣に関わる行動がなければ以前と変わらない。だから娘の剣術指南を頼んだ男は天才だと言っている」


「どれだけ天才でも努力無しに実力を発揮することなど不可能です」


「ああ、私もそう思う。だからこそ、もう一度娘を見て欲しいんだ」


「性格が変わらないのに行動が……変わったというか追加された?……」



 ダニエルはボソボソと呟きながら考え込んだ後、頷きました。



「分かりました。見ましょう」


「そうか、頼む。ただ、娘は今その、森に行っていてね……」



 公爵は遠い目をしながら言いました。哀愁漂うその姿にローザは惻隠の情を覚えます。



「いつ帰ってくるかは分かりませんか。ではその間に聞き取りをしましょう。」



 ダニエルは公爵の悲哀を一切解することなく言い放ちました。無頓着すぎて流石にアカンとローザがダニエルを止めようとしたところでメイドが入ってきました。



「お嬢様が戻られました」


「ずいぶんと早いな……ここに呼べ」


「今、部屋でお召し物を着替えておられます。随分と汚れておられましたから……」



 メイドは遠い目をして言いました。その表情から血で汚れてたんだろうなというのがローザにも読み取れました。屍臭のする服を片付けるのはなかなか慣れないでしょう。


 そんなメイドにダニエルが立ち上がり話し掛けます。



「ところで、アンジェリークお嬢様の性格になにか違和感を覚えませんでしたか?」


「ダニエル師」



 聞き取りを行おうとしたダニエルの肩をローザは掴みました。



「もうすぐアンジェリーク様がいらっしゃいますから、本人に話を聞きましょう」


「ローザ、第三者の意見が」


「いいですね?」


「……あ~、まあそうですね」



 ギリギリと悲鳴を上げる肩に危機感を覚えたらしく、ダニエルは大人しくソファーへと戻りました。



「申し訳ありません公爵閣下。ダニエル師は少々、熱心な方でして」



 頭を下げるローザに公爵は苦笑いを浮かべます。



「それは頼りがいがあっていいことだ」



 それを聞いてダニエルが希望に顔を輝かせて上げますが、ローザに肩に手を置かれるとすぐに顔を伏せました。公爵は教会がローザにどれほど期待を寄せているのか理解しました。祓魔師は悪魔を見つめる必要があるため優秀な者ほど人格に難があるものですが、ローザはかなり常識的です。そして怒らせると怖いというのはダニエルの態度でよく分かりました。



 そうこうしていると、アンジェリークが部屋にやってきました。



「お嬢さん! ちょっとお手を宜しいですか!?」


「え? 嫌です」



 立ち上がりアンジェリークに接近しながら抱え上げるように両手を突き出すダニエルに、アンジェリークは一歩引くようにして言いました。ダニエルは衝撃を受けたように目を見開きます。



「何故?」


「見知らぬ中年男性が鼻息を荒くして手を触らせてと言ってきたら断るのは当然です」



 アンジェリークは正論を述べました。アンジェリークの後ろに付いていたクララが咄嗟に前に出て守ろうとするぐらいにダニエルは変態じみていました。神父服を着ていても信用できないほどです。



「ダニエル師」


「ローザ、頼みます。どうやら私はアプローチを間違えてしまったようです」



 底冷えするようなローザの声を聞いたダニエルは早口で言いながらソファーの後ろに下がりました。



 ローザに気付いたアンジェリークが嬉しそうに笑いました。



「アンジェ様、失礼致しました」


「いえ、気にしていません。驚いただけですから。それよりローザはどうしてここに? あの人は教会の人ですか?」



 アンジェリークはニコニコとローザの前に座ります。何故こんなに好かれているのだろうと疑問に思うと同時に、彼女を騙していたという事実に良心が咎めました。



 ローザは少し言い淀むように口を開いた後、頭を下げました。



「私はアンジェ様に一つ謝ることがあります」


「……なにをですか?」


「以前お会いした際、アンジェ様に癒やしの魔法を使ったと申しましたが、あれは破邪の術なのです」


「え? あれが破邪なのですか? イメージと違って随分と優しい魔法なのですね。ハァ! って弾き飛ばすイメージだったのですが」



 アンジェリークはパチクリと驚いた後、興味深げに頷いていました。



「……悪魔憑きだと思われていた事を怒らないのですか?」


「むしろ今までなんで悪魔憑きだって言われなかったのか不思議に思っていましたから、納得したぐらいですよ」



 格闘技も何もやってこなかった娘が突然剣を振り回し賊の占拠する砦を攻略する、悪魔憑きなんて言われそうだなぁとアンジェリークは一応は思っていました。思っていただけですが。



 それを聞いた公爵は両手で顔を覆い、ゴツンと音を立てながらテーブルに額をのせました。背後では控えていたメイド長がふらりと壁にもたれ掛かりました。クララは遠い目をしてやっぱりと呟きました。



「……だったら自重をしなさい自重を」



 公爵は絞り出すように呟きました。



「してますよお父様。賞金首を一つ狩ったらちゃんと帰ってきてるじゃないですか」



 アンジェリークは心外だとプリプリしました。家に帰るのが自重のつもりだったのかとダニエルを除き皆が驚きましたが、突っ込む気力が湧きませんでした。


 アンジェリークに喋らせると話が逸れる上に疲れるという事に気付いたローザは強引に話を戻します。



「公爵様からもう一度破魔を試すように依頼を受けたので、使わせて頂いてもよろしいですか?」


「ええ、ローザなら気の済むまでいいですよ」



 アンジェリークはニコニコと両手を差し出します。羨ましそうなダニエルの視線を無視してローザは破魔を使用します。前回よりも深く調べるように丁寧に魔力を巡回させ、僅かな違和感に気付きました。



 悪魔とは違うその違和感を丁寧に探っていき、その正体に気付きました。



「……アンジェ様、契約を結んだ記憶はございますか?」


「へえ、若いのにやるじゃないか」



 聞き覚えのない声にその場に居た全員が聞こえた方向、アンジェリークの肩を見ます。今までいなかったはずの小さい人が乗っていました。



「妖精!?」



 ローザは悲鳴を上げました。文献でしか確認されたことのない伝説の種、それが一般に知られる妖精です。ローザ以外も驚きの表情を浮かべており、妖精、たかしはそれに満足したように頷いています。



「アンジェ、これが妖精をみた普通の反応なんだよ」


「脳味噌小さいわりによく喋りますから驚きますよね」


「君はいい加減に僕を犬猫と同じように扱うのを止めろよ!」



 たかしはアンジェリークの肩をバンバンと叩いて突っ込みました。



「アンジェリーク……」


「お父様、いままで黙ってて申し訳ございません。妖精のたかしです」



 アンジェリークの紹介に公爵は頭を抱えて深くため息をつきました。



「何故今まで黙っていた?」


「つい最近、黒の森の砦で手に入れたのですがっ!」



 たかしを凝視し手をワキワキとさせながら近付いてきていたダニエルをアンジェリークがぶん殴りました。顎を綺麗に打ち抜かれたダニエルは膝から崩れ落ちて顔面を床に叩き付けました。



「大きな騒ぎになったら面倒だなと思って黙ってました」


「人をぶん殴っておいて何事もなかったみたいに続けるなよ! 蚊に刺されたんじゃねえんだぞ!」


「だって気持ち悪かったし……」


「思春期の女の子かよ! 思春期の女の子だったよ! だったら思春期の女の子らしくしろよ!」



 傍若無人なアンジェリークに激しく突っ込むたかしを見た公爵は、たかしは神々が遣わした使者だと思いました。上位貴族であるアンジェリークにハッキリと強く言える存在はかなり稀少です。ローザもそうですが、たかしもアンジェリークにとって代えがたい存在となるでしょう。破滅的な非常識を行う前に、止まる一助となってくれるはずです。



 公爵は早速行動に出ます。



「ローザ、妖精に関してはこちらで全て預からせて貰う」


「あ、はい……全て、とは?」


「妖精と契約をしたアンジェリークは狙われる可能性がある。ゆえに情報まで全て我々で秘匿する。不服はないね?」


「……はい」



 公爵の本気の圧力を受け、ローザは脂汗をかきつつ頷きました。そして懸念材料を思い出しました。



「ダニエル師はどう致しましょうか」


「……妖精など居なかった。最初に近付いたときにぶん殴られて気絶して、それ以降は夢だったと言うことにする」



 それで納得するだろうかとローザは思いましたが、納得させなければ公爵が動く事に気づき胃が縮み上がりました。



「今のうちに頭を石で思い切り叩けば記憶を失わせられるでしょうか……」


「少々落ち着きなさい」



 アンジェリークのようなことを言い始めたローザの肩を公爵が掴みました。



「とりあえずテーブルでもぶつけてみますか?」


「止めろ! なんでそう余計なことをしたがるんだ君は!」



 閃いたとばかりにテーブルの足を掴んだアンジェリークにたかしが体当たりをして止めました。



 たかしの登場で有耶無耶になりましたがアンジェリークは特に何にも取り憑かれて居ないということになりました。

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