ゲームで始まる俺の青春ラブコメ。(仮)

まきしむ

プロローグ





【ゲーム】





 その世界の中では何にでもなれるし、どんな世界にだって行ける。


 誰にでもあるだろう、


『空を飛びたい』だとか

『ロボットに乗りたい』だとか

『世界を救いたい』といった夢が。


 

 



 

 そんないろんな夢を実現できるものが小さい頃から俺のお近くにはあった。


 

 最初は兄貴がやっているのを「楽しそうだなぁ」とただ横目で見ているだけだった。

 

 しかし、いつしか俺も一緒になって遊ぶようになり、その世界観に気づいたらどっぷりハマってしまっていた。

 

 高校生になった今もゲームは俺にとって欠かせないもので、生活の一部だ。学校から帰っては夜中までゲーム、そんな暮らしが毎日続いている。





「......んっ、もう朝かぁ」


 カーテンの隙間から差し込む朝日に照らされ、俺、月ノ瀬晴つきのせはるは重いまぶたを開けた。

 

 ゲーム中心の生活を送っている俺にとって朝の時間は天敵だ。できるなら好きな時間まで眠っていたい...。それでも、学校に行くために毎朝早く起きている俺を誰か褒めて欲しいものだ。




「おはよう」


「おはようー、お兄ちゃん。また遅くまでゲームしてたの〜」


 眠い目を擦りながらリビングに行くと、1歳ひとつ下の妹のなぎが朝食の準備をしていた。毎朝眠そうな顔をして起きてくる俺に今日も呆れているご様子。


 凪は俺と違ってしっかり者で面倒見の良い優等生だ。しかも、成績優秀、容姿端麗、噂によると学校ではかなりモテているとか。

 

 加えて、家では仕事で忙しい両親に代わって料理や洗濯といった家事までやってくれている。凪にはほんとに頭が上がらない。『完璧超人』というのは凪のことを言うのかもしれないな。


「「いただきまーす!」」


 凪の作ってくれた朝ご飯を口に運ぶ。俺好みの甘めの卵焼き、出汁の効いた味噌汁、凪の作る料理はどれも美味い。


「凪はほんとに料理上手いよなぁ」


「えへへ、そうかなぁ〜」


 俺が褒めると、凪は照れた表情を見せる。


 こんないつもと変わらない妹との会話に、俺はどこか心地良さを感じながら箸を進めた。



 いい忘れていたが、俺たちは3人兄妹の5人家族だ。しかし、大学生の兄貴は実家を離れて1人暮らし、両親も仕事で忙しくてほとんど家に帰ってこないため、ほぼ妹と2人暮らしというわけだ。


 

 

 

 


 朝食を食べ終え、日直を理由に早々に出掛けた妹を見送った後、俺はソファでゆったりしていた。


「あぁ〜、学校行くのめんどくさいなぁ」


 友達は少なく、彼女もいない俺にとって学校は面倒なだけだ。爆発して無くなってくれないかなぁ...と何度思ったことか。


「早く帰ってゲームがしたい...」


 そんなことをぼやきながら過ごす毎日。今日もそんな1日が始まろうとしていた。



 始まると思っていた。この時の俺は。





 




 



 俺の好きなゲームをきっかけに、日常が変わるとは知らずに。





_____________________


初めまして!まきしむと申します!

カクヨム初投稿です。拙い文章ですが、温かい目で読んでいただけると嬉しいです。


まずは作品や主人公の雰囲気を伝えたくて、

プロローグを書きました^_^


できる限り毎日投稿できればと思っています!

応援コメント等頂けたら励みになります。

よろしくお願いします!























 








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