はじらい

友子、大丈夫かな。


うん、大丈夫。


本当?


大丈夫よ水菜。

ここで並んでいて


うん

でも、ドキドキしてきちゃった


幸樹君がきたら

わたしがわざとらしくぶつかるから。


キャとか言って。

その方が可愛いでしょ。


うんうん

そうね。


じゃあ、そういうことでね。


うん。




ほらほら

水菜、来たよ。


うん。



ここで待っていて。




あ、水菜ちゃんだ。

どうしよう。




後ろに並ぶかな。

そうだ。




あれ、急に胸が痛くなってどうしよう・・・


え、大丈夫ですか?


大丈夫だけど。




う~ん

ちょっとわざとらしいか。


別な方法はないかな?


そうだ。





僕の髪の毛を一本抜いて。


ほら、君、髪の毛が肩についているよ。


あ、ありがとうございます。


あ、痛い。


どうしました?


急にお腹が痛くなって。


保健室までいきましょうか?


わざとらしいか。


どうしようかな??





友子、そろそろ行くよ。




バタン




バラ バラ バラ




あれ、水菜ちゃんの財布からお金が落ちた。

今がチャンスだ。




あ、お金がおちたぞ。


本当だ。

おい、みんな拾わないと。


はいどうぞ。


こっちにもあったよ。


こっちにも。



僕も拾わなきゃ。

あ、みんな拾った。

僕は拾えなかったか・・・


そうだ!


僕の財布から小銭をだして

いいな。

あった5円が・・・

勇気をだして渡さないと。




友子、失敗した。


ごめんね。





ちゃりん


しまった、僕がおっことしたじゃないか。





水菜、ほら。

幸樹君が小銭を落としたよ。


うん。


はい。



ごめんね。


手が当たって。


いえ、こちらこそ。




・・・・やった・・・




・・・友子、どうしよう・・・





怪我はなかった。



いえ。



・・・怪我するわけないだろう・・・




あ、痛い。


大丈夫ですか?




・・・そうよ、水菜いい感じ・・・



うん。


ちょっと指を痛めたかな。



・・・そんな訳ないだろう・・・



あ、それより鼻血がでていますよ。




・・・恥ずかしいじゃないか・・・




本当だね・・・




よかったら、私のハンカチで拭いてください。




・・・そうよ、いい感じ水菜・・・



うん。




・・・かっこ悪いけどよかったのかな・・・




いや、大丈夫だよ。




いえ、床にポタポタ落ちていますよ。




・・・・本当にカッコ悪いじゃないか・・・




ほら、制服にもついてます。

拭いてあげますね。




・・・そうそう、水菜、ばっちりよ・・・




・・・水菜ちゃん、やさしいな・・・


・・・よかった・・・


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