第15話

 7月に入って月に一度の部会が開かれた。


顧問の山本先生から

「みんな、知ってると思うけど今年もNHL杯全国高校放送コンテストが秋に行われるのでそれに向かって何をするか考えて欲しい」


すると大野部長が

「僕達は昨年同様『創作ラジオドラマ部門』に参加しようと今、3年生と2年生で話し合ってどんな企画にするか考えてほぼ方向性が決まった所です。」と答えた。


「そうか、これは僕個人の思いなんだが今年は『アナウンス部門』『朗読部門』にも挑戦してみてはどうかと思っている。みんなはどう思うか?」と山本先生。


「新しい事にチャレンジする事には僕は賛成ですが、他のみんなはどう思いますか?」と大野部長がみんなに振ってきた。


「僕は、『創作ラジオドラマ』に昨年、挑戦した経験を活かしてもう一度今年も挑戦したいです」と3年生の瑛太が言うと


「もうある程度企画を練っているんです、だから『創作ラジオドラマ』がやりたいです」と2年生の亮が言うと「私もです」「俺もです」と3年生、2年生が全員口を揃えて言ってきた。


すると山本先生は

「なるほど、よし、分かった。3年生、2年生のみんなの気持ちはよく分かったので昨年の経験を活かして独自で面白い『創作ラジオドラマ』を作ってみてくれ。そこでだ、1年生の中村と松本、君たちは『アナウンス部門』『朗読部門』のいずれかに挑戦してみないか?」と美玖と彩に振ってきた。


美玖は目をキラキラ輝かせて

「アナウンスをやりたいです」と即答した。


今度は山本先生が彩の方を向いてきたので

「私は……どちらとも言えません」と答えた。


「そうだな、それじゃあ、一旦これで部会は終わりにしよう。あと、中村と松本は少しだけ残ってくれるか」と言って部会はお開きになった。


彩と美玖を前にして

「まぁ、急に言っても困るよな、じゃあ、今、ここにアナウンスと朗読の原稿を用意しているので二人ともこれを読んでくれないか?」

と山本先生。


2人は山本先生に言われるままにアナウンスと朗読の原稿をそれぞれ読んでいった。

それをじっくり聞いていた山本先生は

「今読んでくれたのを聞いていて僕は中村は『朗読』が向いているように思う。そして松本は『アナウンス』が向いていると思うがどうかな?」


美玖は「アナウンスじゃだめですか?でも今読んでみて『朗読』も悪くないと思いました」と答えたので

「強制はしないけど僕はそう思ったので挑戦してみないか?やってみて分かることもあるからね」と山本先生が言うので美玖は『朗読』彩は『アナウンス』をやってみることにした。




















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