第6話:初めての魔法

 5歳になって数日のとある日。

 僕ことソラは家の広い庭――の倉庫のような場所――に来ていた。


「お母様? 今日の訓練は何をするのですか?」

「今日はソラに炎魔法を教えようと思います。ソラは3歳なのに既に言葉を覚えていたような天才でしょ? それに読み書きが出来る3歳はそういないだろうし。長女のリリーも4歳で魔法が使えるようになったくらい。……まぁリリーの場合才能が有り余りすぎて上級魔法まで使えかけたくらいですが……そこは気にしてはいけませんね。これから教える事をきっちり学んでくださいね?」

「はい! お母様!」


 ――――――――――――――――――――――――――


 この世界には魔法と魔術が存在する。

 その魔法の属性として、

 四元素と呼ばれる4つの属性――火、水、風、地――。

 そして属性魔法となると増えるのが光、そして闇だ。

 他の特殊属性として、

 空間属性、神聖属性

 があり、

 空間属性には空間魔法、重力魔法、そして空間魔法の上位互換の次元魔法がある。

 神聖属性には聖魔法とその上位互換の神聖魔法がある。

 特に神聖属性は回復やバフ特化の魔法だが、使える者はそう多くない。


 魔法にも種類がある。

 厨二病テンプレな詠唱をして発動する「詠唱魔法」。

 言霊の力によって(魔法名を言う事で)発動する「魔法」。

 魔法陣を魔力で作ることで発動する「魔術」

 がある。

 基本的には「魔法」が一般で、

 才能があると「魔術」が使える。


 そして魔法は

 初級、中級、上級、超級、極級で分けられている。

 中級までなら努力さえすれば誰でも使えるが、上級以上は一気に難易度が上がる狭き門だ。

 極級など世界で二桁いるかいないか。

 それくらいだ。

 ――――ほんっと僕のスキル様々だよ。





 ――――――――――――――――――――――――――――――




「さて。まずは詠唱魔法から。私が言ったのと同じようにして。――燃え上がる火焔よ。我の望みに応え、敵を滅せよ!《炎球フレイムボール》」

 そう言うと、お母様の手から直径20cmくらいの大きさの火球が出てきた。

 そして20メートルくらい先にあった的にあたり、的を壊した。


「おぉ……!」

「すごいでしょう?」

「すごいです……!」

「よし。ソラもやってみてください」

「はい! えーっと……燃え上がる炎よ。我の望みに答え、敵を滅せよ!《火球フレイムボール》!」


 すると、突き出していた右手からお母様と同じくらいの大きさの火球が出て、同じように、いや父様より早い速度で進み、的を壊すことが出来た。


「おぉ……! すごいですソラ! 一発で私より速度が早いとは!

 流石ですね!」

「えへへ……ありがとうございますお母様!」

「よし、これからどんどん練習していきますよ!」

「はい!」

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